免疫グロブリン受容体を介した神経幹細胞の増殖と分化の新規制御機構
Project/Area Number |
21K06370
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 46010:Neuroscience-general-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
成瀬 雅衣 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任講師 (60455219)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 子宮内電気穿孔法 / mRNA / 神経幹細胞 / 免疫グロブリン受容体 |
Outline of Research at the Start |
免疫系と神経系の発生にはクロストークが存在することは以前から知られており、例えば自己免疫疾患と発達障害は関係が深い。免疫グロブリンが結合する受容体は主にB細胞やNK細胞などの免疫細胞に発現し、抗原の食作用や炎症性サイトカイン産生、細胞傷害作用などの免疫機能を調節する。しかしながら、脳の発生において、免疫グロブリンシグナルが担う役割は明らかではない。本研究では、免疫グロブリン受容体シグナルによる大脳新皮質発生制御の新機構を明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
免疫受容体を介した神経幹細胞の運命制御機構を解析するために、in vivo で神経幹細胞の遺伝子発現を操作する必要がある。脳の発生過程を解析するために子宮内電気穿孔法が広く用いられている。プラスミドベクターによる遺伝子導入では、タンパク質の発現までに6時間以上必要とし、また長期にわたりタンパク質合成が続く。 今回、神経幹細胞の遺伝子発現を効率的に操作するためにmRNAを用いた子宮内電気穿孔法を開発した。合成mRNAはCOVID-19に対するワクチンとして世界的に広く使用されるようになった。しかし、神経幹細胞へのmRNA導入後のタンパク質発現のタイムコースは不明であった。半減期が長く安定して発現するEGFP mRNAを子宮内電気穿孔法により胎齢13.5日齢マウスの神経幹細胞に導入した。その結果、mRNA導入一時間後にすみやかにEGFPが発現した。EGFPの発現量は導入12時間後にプラトーに達した。また、半減期が二時間のd2EYFP mRNAを電気穿孔法により導入したところ、導入一時間後に発現が観察された。導入3時間後までは蛍光輝度が増加したが、その後減少し、12時間後にはほとんど観察されなかった。in situ hybridization法によりEGFP mRNAを検出したところ、EGFP mRNA量は導入一時間後から急速に減少し、12時間後にはほとんど観察されなかった。このことより、子宮内電気穿孔法によるmRNAの導入はプラスミドDNAと比較して速やかで一過的なタンパク質発現を誘導することが示された。 発生期の神経幹細胞は脳室層のapical面で分裂する。分裂時間は二時間以内であり、分裂後はbasal方向へ移動する。mRNA導入一時間後に脳室層のapical面に位置する神経幹細胞がEGFPで標識された。以上の結果から、子宮内電気穿孔法にmRNAを用いることにより、分裂速度の速い発生期の神経幹細胞の遺伝子発現を導入直後から効率的に制御することが可能になった。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)