Project/Area Number |
21K06384
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 46010:Neuroscience-general-related
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
林 健二 生理学研究所, 基盤神経科学研究領域, 助教 (50512349)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 一酸化窒素 / 睡眠 / 眼優位可塑性 |
Outline of Research at the Start |
睡眠は大脳皮質にて記憶や可塑的変化の固定化に関与する。また、睡眠時にはNO産生細胞の一部が活性化することから、NOは睡眠依存的な可塑性の制御を担う可能性がある。しかしながら、in vivoでの大脳皮質におけるNO産生細胞の機能はほぼ未解明である。本研究では、睡眠時のNO産生細胞の活動が可塑的変化の固定化への関与をin vivo Ca2+イメージングと脳波、筋電位の同時測定により検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
臨界期のNOS1陽性細胞およびNOの機能に関して、「睡眠との関わり」と「可塑性に対する機能」を主眼として研究を進める。本研究は ①NOS1陽性細胞の睡眠時の活動性および、周囲の細胞への作用に関する解析を行う。また、可塑的な変化への関与を明らかにするために、②睡眠時活性化型のNOS1陽性細胞の活動操作による眼優位性シフトへの影響を解析する。さらに、NO感受性と可塑的変化の強度との関係を明らかにするために、③NO感受性と眼優位性シフトの強さに対する相関解析を行う。 本年度はまず内在性のNOS1の機能を評価するための実験系の構築を行った。AAVを用いたTetシステムベースのDREADDでNOS1細胞にhM4Diを発現させたところ、アゴニスト依存的にNOS1細胞の活動抑制を行うことができた。また、NOS1細胞の活動抑制に伴い、周囲の細胞の自発活動レベルが増強することが分かった。このことは定常状態時に大脳皮質の興奮性細胞の活動性がNOにより制御されていることを示唆する。今後、睡眠時に活動性を亢進させる細胞サブタイプを同定し、細胞サブタイプ特異的に活動抑制を行うことで睡眠時のNOS1の機能を明らかにしていきたい。 次に、NO感受性と眼優位性シフトの強さに対する相関解析のための予備実験のために、FOV内の各細胞のNO感受性の評価を行った。NOS1細胞のhM3Dqによる活性化により周囲の細胞の視覚応答性は低下する。そこでアゴニスト刺激前後での視覚応答性の変化を解析した。視覚応答性の低下の程度は細胞ごとに大きくバラついており、またその程度とNOS1細胞からの距離には関係がないことから、各興奮性細胞のNOの感受性には多様性があることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は主として「可塑性に対する機能」を主眼として研究を進めてきた。 睡眠時活性化型のNOS1細胞の活動操作を行うために、NOS1細胞のDREADDの実験系の改変および評価を行った。内在的なNOS1の機能を評価するためにはDREADD Giによる細胞の活動抑制を行う必要があるため、AAVを用いたDREADDシステムを改変した。GCaMP7fを用いて細胞の活動を評価したところ、DREADDアゴニストの投与によりNOS1細胞の活動抑制が見られることが分かった。また、それに伴い、周囲の細胞の自発活動が増加していることが明らかとなった。このことは、NOが定常状態で周囲の細胞の活動性レベルを一定に保つ可能性を示唆している。 本研究では、睡眠時に放出されるNOに対して、周囲の細胞のNO感受性と可塑的変化の強度との関係を明らかにしたい。本年度では、まず各細胞のNO感受性を評価した。NOS1細胞のDREADDアゴニストによる活性化により、急性に周囲の細胞の視覚応答性が低下する。活性化前後の応答性の比率を評価したところ、応答性の低下には細胞ごとに大きなばらつきがあること、またNOS1細胞からの距離には相関がないことが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度からは「睡眠との関わり」に関して積極的に解析を行う予定にしている。NOS1陽性細胞のうちType Iは前脳基底部のコリン作動性ニューロンによりNREM睡眠時に活性化するが (Pasumarthi 2010)、従来のようなc-Fos染色を用いた解析では、覚醒/NREM睡眠/REM睡眠の各相での活動変化や、他の細胞との関係を評価することは難しい。そこでin vivoイメージングと同時にEEG, EMG測定を行い、各相における自発活動を解析する。Type I以外のNOS1陽性細胞サブタイプが睡眠時に活動性を変化させる可能性を検証するために、記録後にAbScaleによる透明化および各種細胞マーカーの染色、イメージングFOVとの位置合わせを行い、サブタイプごとの睡眠時の活動を解析する。
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