脳卒中後の大脳新皮質広域神経回路再構築メカニズムの解明
Project/Area Number |
21K06386
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 46010:Neuroscience-general-related
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University (2023) Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science (2021-2022) |
Principal Investigator |
酒井 誠一郎 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (40709747)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 脳梗塞 / 大脳皮質 / 神経回路 / シナプス / 次世代シークエンス / 大脳新皮質 / カルシウムイメージング / RNA-Seq / 脳卒中 / 神経修復 |
Outline of Research at the Start |
脳卒中からの機能回復には失われた神経機能を代償する新たな神経回路の再構築が重要であると考えられているが、神経回路が再構築されるメカニズムはよくわかっていない。そこで本研究では、マウスの脳梗塞後に大脳新皮質の神経回路が再構築される分子・神経メカニズムの解明を目指す。神経回路再構築のメカニズムを解明することができれば、神経回路の再構築を促進させ脳卒中後の機能回復を向上させる新たな治療法の開発に繋がる。脳梗塞後の遺伝子発現を解析することで神経回路の再構築に重要な遺伝子を明らかにし、神経回路再構築における遺伝子の役割を神経回路の形態解析や神経活動の解析により調べる。
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Outline of Annual Research Achievements |
脳梗塞後の機能回復には、失われた機能を代償する神経回路の構築が必要であるとされているが、どのような神経回路が機能代償を担っているのか、またどのようなメカニズムで神経回路の再構築が起こるのかは未解明である。本研究では、大脳皮質の脳梗塞モデルマウスを用いて、脳梗塞後に代償性神経回路が再構築されるメカニズムを研究している。 これまでに行った広域カルシウムイメージングによる機能的結合の解析およびスライスパッチクランプ記録によるシナプス結合の解析の結果、脳梗塞巣周囲でシナプス増強が起こっていることが判明した。そこで昨年度に引き続き、脳梗塞後に強化された神経回路が機能回復に寄与するのか、化学遺伝学による神経回路選択的な活動抑制を用いて検証した。その結果、脳梗塞巣周囲の神経活動を選択的に抑制すると感覚運動機能が低下した一方で、反対側半球の活動を抑制しても感覚運動機能に変化が見られなかったことから、脳梗塞巣周囲の神経回路が機能回復に重要であることが示された。次に、脳梗塞後における神経回路再構築の分子メカニズムを明らかにするため、単離した神経細胞の遺伝子発現をRNA-SeqやシングルセルRNA-Seqで解析した結果、脳梗塞後に修復関連遺伝子の発現増加が見られた。また、ATAC-Seqを用いてオープンクロマチン領域に濃縮しているDNA結合モチーフを解析し、修復関連遺伝子の発現に寄与する転写因子の候補を明らかにした。それら転写因子を脳梗塞マウスの神経細胞に強制発現させて遺伝子発現を調べた結果から、修復関連遺伝子の発現を誘導する働きのある転写因子を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究室の移転により3ヶ月ほど実験を中断する時期があったが、予定していた実験の大半が既に終了して研究成果をまとめる段階に至ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果を論文にまとめるとともに、論文を執筆する過程で追加すべきデータが新たに出てきた場合は追加の実験を行う。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)