コンドロイチン硫酸による成体脳におけるニューロン移動制御
Project/Area Number |
21K06395
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 46010:Neuroscience-general-related
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
澤田 雅人 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (20645288)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | ニューロン移動 / 脳室下帯 / RMS / コンドロイチン硫酸 |
Outline of Research at the Start |
成体脳においても神経幹細胞が存在し、産生された未熟なニューロンは鎖状に連なって目的地まで移動する。本研究では、コンドロイチン硫酸による成体脳のニューロン移動の制御を明らかにする。まず、成体脳におけるコンドロイチン硫酸の発現および機能を解析することで、ニューロンの鎖状移動における役割を明らかにする。また、コンドロイチン硫酸の発現制御機構を解明する。本研究により、成体脳におけるニューロン移動のしくみを理解するだけでなく、反発性糖鎖を用いた全く新しい内在性の神経再生戦略を提供する。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年の研究で、成体哺乳類の脳においても、ニューロン移動が観察されることが明らかになった。脳室下帯の神経幹細胞から産生された新生ニューロンは、吻側移動流(RMS)と呼ばれる特殊な移動経路を通って、嗅覚の一次中枢である嗅球へと移動する。RMSでは、 新生ニューロンは鎖状に連なり、アストロサイトが形成するトンネルの中を高速で移動する。 最近では、ヒト新生児脳においても、脳室下帯の新生ニューロンが嗅球や大脳皮質へと移動することが報告され、新生ニューロンの移動は生後脳の機能発達に極めて重要と考えられている。 細胞外マトリックス分子群は、生後の神経回路の維持に必須である。細胞外マトリックス分子群は、発達期には成熟した神経回路の構築に関与するほか、傷害脳では、軸索の再生過程を正または負に制御することが報告されている。しかし、生後脳のニューロン移動における役割は不明である。 2022年度は、新生ニューロンの鎖状移動や周囲の細胞群との相互作用の制御機構について、in vivoでの機能阻害実験を行い、その効果を組織学的に解析した。また、超解像顕微鏡を用いた培養した新生ニューロンのタイムラプスイメージングと機能阻害実験を組み合わせ、成長円錐伸展や鎖状移動における役割を詳細に解析した。さらに、生後脳のRMS組織の分画等を実施して、ニューロン移動に関与する可能性のあるタンパク質群を網羅的に同定するとともに、その特徴を分類し、成長円錐伸展における機能を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2022年度に計画した実験は全て完了し、ニューロン移動の制御機構に関与する分子を同定することができた。それに加えて、2023年度に計画したin vivo及びin vitroの機能阻害実験の予備実験や、細胞培養実験の培養方法の検討をすでにスタートさせた。さらに、移動する新生ニューロンに発現するタンパク質の特徴について、複数のタンパク質分画実験を組み合わせて、新生ニューロンの成長円錐伸展や移動を制御すると考えられるタンパク質群の発現プロファイル及び機能を明らかにできた。したがって、本研究課題の進捗状況は、当初の計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に引き続き、ニューロン移動の制御に関与する分子の機能を解明するため、in vivoおよびin vitroの機能阻害実験を遂行する。また、培養した新生ニューロンの鎖形成と移動の効率の関係について、独自に構築している培養系を用いて評価する。さらに、2022年度に引き続き、新生ニューロンの成長円錐伸展や移動制御に重要なタンパク質の発現を解析する。機能解析には、基質コートや各種ゲル培養等を組み合わせた超解像顕微鏡によるタイムラプスイメージングや、in vivoにおけるレンチウイルスベクターを用いたノックダウン実験等を組み合わせて進める。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)
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[Presentation] ミクログリアによるフォスファチジルセリン依存的な成体新生ニューロンのシナプス貪食2022
Author(s)
榑松千紘, 澤田雅人, 大村谷昌樹, 田中基樹, 久保山和哉, 荻野崇, 松本真実, 大石久史, 稲田浩之, 石戸友梨, 榊原悠紀菜, Huy Bang Nguyen, Truc Quynh Thai, 高坂新一, 大野伸彦, 山田麻紀, 浅井真人, 曽我部正博, 鍋倉淳一, 浅野謙一, 田中正人, 澤本和延
Organizer
Neuro22
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