USが先行する条件付け抑制にMg2+ blockが果たす役割
Project/Area Number |
21K06402
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 46010:Neuroscience-general-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
宮下 知之 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳・神経科学研究分野, 主席研究員 (70270668)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | NMDA受容体 / Mg2+ block / ドーパミン受容体 / 古典的条件付け / 順行条件付け / 逆行条件付け / dopamine / NMDA receptor / Mg2+ Block / Glia |
Outline of Research at the Start |
1) NMDA受容体Mg2+ block変異体(NRMg-/-)におけるUSのキノコ体への情報入力をimagingによって明らかにする。 2) ショウジョウバエdopamine receptor 2(DD2R)のKnock downによる逆行条件付けへの効果を行動学的実験で確かめる。 3) US単独呈示時または逆行条件付けにおけるcAMP産生をNRMg-/-やDD2RのKD体で、imagingを行い計測する。 4) DD2RのCa2+/CaM結合部位を明らかにし、そこがDDR2活性化をコントロールしているかをimagingや行動学的実験によって明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
パブロフの発見した古典的条件付けでは、条件刺激(conditioned stimulus: CS)と同時若しくは、後に無条件刺激(unconditioned stimulus: US)が提示される順行条件付けが条件付けが成立する。しかし何故 US が CS に先行する逆行条件付けでは条件付けが成立しないのか?そのメカニズムについては全く明らかになって いない。研究代表者は、電気ショックの情報が記憶中枢であるキノコ体(MB)を囲むグリア細胞からグルタミン酸によって伝えられること、MBへの電気ショック 情報の入力は、MBに発現するNMDA 受容体(NR)のMg2+ blockによって制御されていることを見出した。NRの Mg2+ blockのショウジョウバエ変異体(NRMg-/-)で、 順行条件付けだけでなく、逆行条件付けでも条件付けが成立する事を見出した。連合学習の成立には、匂いと電気ショックの情報に加え、ドーパミンによる強化 も必要であり、匂いや、電気ショックによってドーパミン放出が起こる。そこで研究代表者は、NRMg-/-において電気ショックによるMBの細胞内カルシウム濃度 ([Ca2+]i)の上昇とドーパミン受容体の活性化の協調が、逆行条件付け成立の鍵となっていると考えた。in vivoのイメージングを行うと、細胞内カルシウム濃度が上がらない条件では、cAMPを増加させるドーパミン受容体DD1R活性化が見られなかった。抑制系の受容体であるDD2RををMBでノックダウンすると逆行条件付けで条件付けが成立した。このことから、[Ca2+]iの変化がDD2Rの活性化 / 不活性化に関与する事が考えられたため、DDRの細胞内ドメインを調べるとCa2+/Calmodulin(CaM)の結合部位が2カ所あること、さらに実際にこの結合部位にCa2+/CaMが結合することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
懸案事項であったcAMPイメージングに使用する培養細胞がが決定したためイメージングを行うことができた。しかし、発現させる抑制系と活性化系のドーパミン受容体の数が揃わないことで結果が安定しない問題が起こった。2A配列を用いて受容体の数(モル比)を揃える試みをしたため、イメージングになかなか進めず、計画より遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
2A配列を使って、受容体の数を揃えてイメージングを行う。さらにcalmodulin-binding motif に変異を入れ、Calmodulin の結合はなくなるが、G-protein の結合は阻害しない変異 (DDR2Ca-/-)を見つけ、cAMP 産生の抑制能を比較する。変異体が作製できた場合、遺伝子編集技術を用い DDR2Ca-/-変異ショウジョウバエを作製し行動実験を行う。これらの実験を行う事で、NRのMg2+ blockのON/OFFが、US 情報が MB に入力するか否かを決めるだけでなく、CSとUSの順序探知機として働き、その下流で DDR2 の活性制御も行うことで、条件付けの成立、不成立をコントロールしていることを明らかに出来ると考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)