Project/Area Number |
21K06454
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47010:Pharmaceutical chemistry and drug development sciences-related
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤岡 弘道 大阪大学, 産業科学研究所, 特任教授 (10173410)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | アセタール型塩化学種 / ピリジニウム塩 / 触媒的脱保護 / 芳香族アセタール / アセタール / 塩化学種 / 脱保護 / 触媒反応 / ホスホニウム塩 |
Outline of Research at the Start |
申請者は,アセタール型ピリジニウム塩およびホスホニウム塩を活性塩化学種として利用する独自の反応を開発したが、これらは高価な試薬を化学量論量以上用いる必要があった。 本研究では、反応を触媒化することにより,これまでに開発した反応をより実用的な反応とすることを目的とする.
|
Outline of Annual Research Achievements |
本申請者は、アセタールをTMSOTfとコリジンで処理し、水で後処理すると、効率よく高収率でアセタールの脱保護が進行することを見出している。また水の代わりに種々の求核種を用い、アセタールの求核置換反応にも成功している。本法は、弱塩基性条件下に進行するユニークなアセタールの変換法であり、従来の酸性条件下の反応では用いることのできなかった酸に弱い官能基を持つ基質でも高収率で反応が進行する。しかしながら試薬として2当量のTMSOTfと塩基として3当量のコリジンを用いる必要があり、大量での反応や高価な光学活性な塩基を用いた不斉合成への展開を考えると実用性の面が弱い。 そこで本科研の研究では、その触媒化について検討し、アセタールを触媒量のTMSOTfとコリジンで処理し、ついでTMSCl存在下、ジメチルスルフィド、トリエチルホスフィンまたはジメチルホルムアミド(DMF)で処理した後、水で後処理すると、芳香族アルデヒド由来のアセタールが高収率で脱保護されることを見出した。特にジメチルホルムアミドを用いると、脂肪族アルデヒド由来のアセタールは脱保護されず、芳香族由来のアセタールのみが選択的に脱保護された。一方、ジメチルスルフィドまたはトリエチルホスフィンを用いると、脂肪族アルデヒド由来のアセタールも触媒量のTMSOTfとコリジンで脱保護が進行するものの、その収率は60~70%にとどまった。そこで昨年度(2022年)の研究では、まず芳香族アルデヒド由来アセタールの選択的脱保護の一般化を図った。その結果、様々な芳香族アルデヒド由来のアセタールでの脱保護に成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに本触媒系に用いることのできる、塩基の種類に関しての知見は得られており、芳香族アルデヒド由来のアセタールについては、選択的脱保護に成功している。またさらにピリジン型の触媒とルイス酸を検討し、反応の最適化を行っている。その結果、触媒的な脱保護法の開発としては興味深い知見が得られており、概ね順調に研究を行えていると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
1)現在見出している手法では基質に依存する場合が多く、用いるTMSOTfのケイ素系のルイス酸の安定性なども反応に影響すると考えられる。そこでルイス酸としてTMSOTfだけでなくその他の金属ルイス酸を検討し、触媒サイクルの効率化を検討する。2)申請者の化学両論量の試薬を用いるアセタールの脱保護の大きな特徴は「ケタールの存在下にアセタールを脱保護できる」という世界で唯一の反応である点である。そこで触媒的脱保護法をケタールとアセタールを併せ持つ基質で検討し,触媒的手法として確立する。3)申請者の手法を用いると、THP-エーテル,MOM-エーテル,MEM-エーテル,メチレンアセタールなどの水酸基のアセタール型保護基の脱保護の順番も従来法と逆になる。そこで触媒的脱保護を、これらの水酸基のアセタール型保護基に適用し、より実用的な手法として 確立する。4)既にピリジニウム型塩化学種が種々の求核種と反応し、高収率で求核置換反応を起こすことを見出しているが、同様の求核置換反応を触媒反応で 生成するスルホ二ウム塩中間体やホスホニウム塩中間体で行い、触媒的求核置換反応として確立する。5)アセタール構造を有する糖類において、グリコシル化反応への適応を行い、塩基の種類による立体選択性などの影響について検討する。
|