ENGaseを利用したDual Warhead型ADCの開発
Project/Area Number |
21K06467
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47010:Pharmaceutical chemistry and drug development sciences-related
|
Research Institution | The Noguchi Institute |
Principal Investigator |
後藤 浩太朗 公益財団法人野口研究所, 研究部, 研究員 (30321673)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高島 晶 公益財団法人野口研究所, 研究部, 研究員 (00300880)
月村 亘 公益財団法人野口研究所, 研究部, 研究員 (90635830)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | ADC / 二官能性 / オキサゾリン / ENGase / Dual Warhead型ADC / クリックケミストリー / PEG |
Outline of Research at the Start |
まず、鍵となる二官能性PEG化二糖オキサゾリン誘導体を合成した後、このオキサゾリン誘導体を加水分解酵素の一種であるENGaseを用いて抗体(IgG)へ組み込む。それにより得られた二官能性IgGに対して2種類のクリックケミストリーを利用して異なる種類の薬物の導入することでDual Warhead 型ADCの合成を行う。この手法により目的のDual Warhead 型ADCが合成できた場合にはその細胞殺傷能力について評価する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
近年、抗体1分子に異なる種類の薬剤分子を搭載した「Dual Warhead 型ADC」が従来のADCでは治療効果の薄いがん細胞に対しても高い殺傷効果を有することが報告されており、次世代型ADCとして期待されている。しかしこのDual Warhead 型ADCは概念としては提唱されているが、未だ十分な合成法が確立されていない。本研究では抗体分子が297番目のアスパラギン残基にN結合型糖鎖1対を持つ糖タンパク質であることに注目し、申請者らが開発した「糖加水分解酵素を用いたタンパク質の位置選択的PEG化法」を抗体分子へと応用することで、抗体中の糖分子を足がかりとしたこれまでにないDual Warhead型ADCの合成を目指すものである。 2022年度はまず、21年度に合成したテトラジン含有オキサゾリンの安定性について検討を行った。種々検討した結果、オキサゾリンの保存に関してこれまで必須であると考えていた塩基性条件は、凍結融解を繰り返さない限りは必要ないことを明らかにすることができた。しかし一方で、実験に使用する際には複数回の凍結融解を繰り返すことが想定される。これらを総合的に判断すると、テトラジン含有オキサゾリンの最適保存条件は5% NaHCO3 水溶液中であると決定した。さらに、テトラジン含有オキサゾリンがENGaseを用いる転移反応により抗体へ収率よく導入できることを見出した。 しかしその一方で、従来の反応条件ではオキサゾリン骨格の抗体への非特異な副反応(化学反応)が併発していたことついても明らかとなった。この副反応については反応条件を種々検討した結果、反応温度とオキサゾリンの当量などを適切にコントロールすることで大幅に抑制できることが判明した。現在、これら知見をもとに本来の目的である分子内にアジド基とテトラジン基を有する二官能性オキサゾリンの合成についての検討を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
我々の目的とする「Dual Warhead 型ADC」の合成には薬物導入の際にテトラジンとtrans-シクロオクテンによる逆電子要請型Diels-Alder反応とアジドとアルキン間のHuisgen環化付加反応を連続的に行うDual click反応を行うことを計画している。また、これらのクリック反応用の官能基を抗体へ導入する手法としては二官能性のオキサゾリンを用いる酵素反応を行う必要があるが、従来の反応条件ではオキサゾリンの抗体への非特異な副反応が併発していたことが今年度新たに明らかとなった。この副反応については酵素反応の反応条件を種々検討した結果、反応温度とオキサゾリンの当量などを適切にコントロールすることで大幅に抑制できることが判明した。しかしながら、この問題の解決のために想定外の時間を取られた結果、進捗はやや遅れているのが現状である。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果としてDual warhead型ADC合成の際に鍵となるテトラジン含有オキサゾリン体の合成することに成功した。さらに合成したテトラジン含有オキサゾリンの保存方法やENGaseを用いる酵素反応によりテトラジン骨格を抗体に導入できることも明らかとしてきた。そこで今後はこの知見をもとに実際Dual warhead型ADC合成に必要となる分子内にアジド基とテトラジン基を有する二官能性オキサゾリンの合成を行う。さらに合成した二官能性のオキサゾリン体と抗体をENgaseによる転移反応を用いて縮合させることによりに抗体内にアジド基とテトラジン基を有する二官能性の抗体を合成する。最後にこの二官能性の抗体に対してDual click反応行うことで1分子内に異なる薬物を導入したDual Warhead 型ADCの合成を達成する予定である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)