糖鎖分解酵素NEU1による脂肪分解抑制のメカニズムの解明
Project/Area Number |
21K06550
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47030:Pharmaceutical hygiene and biochemistry-related
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
根岸 文子 帝京大学, 薬学部, 准教授 (40177902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大藏 直樹 帝京大学, 薬学部, 准教授 (60349256)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | シアリダーゼNEU1 / シアリダーゼ阻害剤 / 3T3-L1脂肪細胞 / DANA / C9-BA-DANA / 脂肪分解調節 / 肝細胞の脂肪滴形成・退縮 / シアリダーゼ阻害活性阻害剤 / ZANA / 脂肪分解 / NEU1シアリダーゼ / ぺリリピン1 / 脂肪分解制御 |
Outline of Research at the Start |
脂肪組織は、脂肪の貯蔵と分解により体内の脂質ホメオスタシスに働いている。このため、脂質代謝の異多様な細胞機能をもつ糖鎖分解酵素シアリダーゼ(NEU1)が、脂肪組織においてアディポカインの分泌と脂肪分解を調節し、NEU1発現の異常は肥満の病態に関連することを明らかにしてきた。本研究では、脂肪分解の中心的役割を果たす脂肪滴表面結合タンパク質ペリリピン1の糖鎖修飾におけるNEU1の重要性を明らかにし、脂肪分解調節の新規メカニズムを解明する。さらに、脂肪分解の促進や抗肥満作用をもつNEU1阻害物質を探索する。これらにより、脂質代謝に関連する様々な疾患の予防や治療法の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
シアル酸誘導体は、水溶性部分と脂溶性部分のバランスが良く多彩な生理活性を持つため、医薬品の新素材として期待されている。申請者は、肥満マウスの脂肪組織では、NEU1が正常マウスに比べ高い活性を示すことを明らかにし、NEU1の異常が肥満の病態発症に関連することを報告した(Kihara-Negishi F. et al. Biol. Pharm. Bull. 36:1027-1031, 2013)。さらに、3T3-L1脂肪細胞でNEU1をノックダウンすると脂肪分解が亢進すること、βアドレナリン刺激が無い場合には、NEU1がペリリピン1と脂肪滴表面で結合することによりペリリピン1とHSリパーゼの相互作用を阻害し、脂肪分解を抑えることを明らかとした(図1)(Kihara-Negishi F. et al. Genes to Cells 22: 485-492, 2017)。2021年度は、シアリダーゼ阻害活性を持つシアル酸誘導体である“DANA“と“Zanamivir が脂肪分解を促進するかを、マウス3T3-L1脂肪細胞をイソプロテレノールでβアドレナリン刺激を行った場合の培地中グリセロール濃度の変動により調べた。具体的には、これらの阻害剤の処理の時期(前処理あるいはイソプロテレノールと同時処理)、時間(4時間あるいは24時間)、濃度について検討した。2022年度は、2021年度に検討した実験条件を用いて、これらの阻害剤に加え、NEU1に特異的な阻害活性を持つC9-butyl-amide-DANA”について解析を行った。その結果、C9-BA-DANAで処理した場合にも培地中のグリセロール濃度が上昇し、脂肪分解の中心的役割を持つペリリピン1の発現が上昇することがわかった。以上の事から、NEU1による白色脂肪細胞における脂肪分解調節にNEU1のシアリダーゼ活性が関与する可能性が示唆された。また、2022年度は、肝細胞の脂肪滴形成と退縮におけるNEU1の関与を検討する実験条件を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次年度は、本年度の研究において確定した実験条件を用い、白色脂肪細胞について、シアリダーゼ阻害活性を持つシアル酸誘導体による脂肪分解促進メカニズムの解析、および肝細胞の脂肪滴形成・退縮におけるNEU1の関与について、実験計画を遂行できると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究において確定した実験条件を用い、シアリダーゼ阻害活性を持つシアル酸誘導体“DANA“と“Zanamivir"、特にNEU1の活性を特異的に阻害するC9-butyl-amide-DANAについて、白色脂肪細胞の脂肪分解促進に関して明確な結果を示す。明確な結果がえられた場合には、① マウスペリリピン1のタグ付き発現ベクターが入手出来たので、マウス3T3-L1脂肪細胞に導入し、ペリリピン1の脱シアリル化部位を質量分析にて同定し、ペリリピン1による脂肪分解に重要なリン酸化との関係を調べる ② ペリリピン1の発現上昇のどの過程にNEU1が関与するかを調べる。これらの方策により、NEU1による脂肪分解調節のメカニズムを解析する。また、肝細胞について、SiNEU1の導入によるNEU1発現低下、ヒトNEU1の野生型とシアリダーゼ活性欠損株をアデノウィルスベクターの感染によるNEU1の過剰発現により、肝細胞の脂肪滴形成・退縮にNEU1が関与するかを検討する。関与が示された場合には、さらにその機構を解析する。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)