がん生育に有利に働く低頻度遺伝子変異の効率的同定戦略
Project/Area Number |
21K06560
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47030:Pharmaceutical hygiene and biochemistry-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
樋野 展正 大阪大学, 大学院薬学研究科, 講師 (90469916)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | がんゲノム / タンパク質立体構造 / タンパク質間相互作用 / クロスリンク / 人工アミノ酸 / KEAP1 / 遺伝子変異 / 光クロスリンク |
Outline of Research at the Start |
がんゲノム変異の90%以上は機能未知の低頻度変異が占めているが,これらの変異とがんとの関連を明らかにする戦略は確立されていない.そこで,がんゲノム低頻度変異がタンパク質間相互作用に及ぼす影響を迅速に評価し,がん生育に有利に働く変異を効率よく同定する. 本研究では,①タンパク質構造上の変異集積領域に着目することでがん変異により異常をきたす相互作用を見出すことができるか?②がん変異による相互作用異常は実際にがん細胞の生育に影響を与えるのか?という2つの問いに答えることにより,低頻度変異とがんとの関連をタンパク質間相互作用異常の観点から明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
がんゲノム変異の90%以上は機能未知の低頻度変異が占めている.しかしながら,これらの変異とがんとの関連を明らかにする戦略は確立されておらず,新たな治療標的の探索は進んでいない.そこで本研究では,がんゲノム低頻度変異がタンパク質間相互作用に及ぼす影響を迅速に評価することで,がん生育に有利に働く変異を効率よく同定する戦略の確立を目指す。 今年度は、KEAP1-Rab8aの相互作用が細胞増殖を抑制するという前年度までの結果を受け、がん変異によるKEAP1-Rab8a相互作用の破綻が細胞増殖に及ぼす影響を調べた。まず、KEAPの機能がほぼ欠損しているA549細胞に対して野生型あるいは変異型KEAP1を安定発現する細胞株を樹立した。これらの細胞の増殖能を調べたところ、野生型KEAP1発現株の増殖が、変異型KEAP1発現株と比較して抑制される傾向はあったものの、有意な差は見られなかった。引き続き、実験条件を見直すとともに、マウスへの移植実験を行う予定である。 また、変異集積領域に着目する戦略によりその他のがん変異タンパク質の異常な相互作用が見いだせるかを検証した。大腸がんの15%に変異が認められるFBXW7はE3ユビキチンリガーゼ複合体の構成因子であるが、in silico解析の結果,その基質認識ドメイン中に変異集積が見出された。この領域に結合する因子を独自手法である細胞内光クロスリンク法により捕捉し、質量分析により同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度までの結果をうけ、KEAP1のがん変異による細胞増殖への影響を解析したが、有意な差は見られていない。また、免疫不全マウスへのがん細胞移植実験に遅れが生じている。 並行して行ったFBXW7に関する解析では、タンパク質立体構造上の変異集積領域に結合する因子を質量分析により複数同定した。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞増殖アッセイの条件を見直すとともに、野生型あるいは変異型KEAP1を安定発現するA549細胞のマウスへの異種移植実験について検討する。また、がん変異集積領域に着目した相互作用解析をもとに、変異により異常をきたす相互作用を同定する手法については確立できているので、おなじく変異集積が見られる他のタンパク質の相互作用因子の同定を進める予定である。 また、FBXW7とその相互作用因子の機能解析を進める。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Upregulation of Robo4 expression by SMAD signaling suppresses vascular permeability and mortality in endotoxemia and COVID-19 models2023
Author(s)
Morita M, Yoneda A, Tokunoh N, Masaki T, Shirakura K, Kinoshita M, Hashimoto R, Shigesada N, Takahashi J, Tachibana M, Tanaka S, Obana M, Hino N, Ikawa M, Tsujikawa K, Ono C, Matsuura Y, Kidoya H, Takakura N, Kubota Y, Doi T, Takayama K, Yoshioka Y, Fujio Y, Okada Y.
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Journal Title
Proceedings of the National Academy of Sciences
Volume: 120
Issue: 3
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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