薬剤耐性因子を阻害する微生物由来の抗MRSA治療薬シーズの創製
Project/Area Number |
21K06616
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47050:Environmental and natural pharmaceutical resources-related
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
浅見 行弘 北里大学, 感染制御科学府, 教授 (70391844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
君嶋 葵 北里大学, 感染制御科学府, 助教 (10832404)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 薬剤耐性因子 / 生物活性物質 / 微生物由来 / MRSA |
Outline of Research at the Start |
我が国はMRSAなどのグラム陽性菌における薬剤耐性の割合は高く、入院患者から分離されている黄色ブドウ球菌のおよそ50%をMRSAが占めている。院内でのMRSA分離率は6.48%を示し、耐性菌のなかでも最も高い割合を示している。我が国では「薬剤耐性に関するグローバル・アクションプラン」で推進されている創薬研究に取り組んでいる。そこで、MRSAの薬剤耐性機構の一つであるPBP2'を阻害する創薬研究の例が少ないことから、微生物培養液由来の天然活性成分から抗MRSA治療薬シーズを発掘し、PBP2'阻害剤の創製を目指す本研究は、オリジナリティーが高く、世の中に求められる研究に位置づけられると考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
β-ラクタム系抗生物質に耐性を獲得した細菌が問題になっている。β-ラクタム系抗生物質に耐性を示すグラム陽性細菌は、主要な耐性機構としてβ-ラクタム系抗生物質が結合できないPBP2'を発現させることで、β-ラクタム系抗生物質の抗菌活性を回避する。そこで、PBP2'阻害剤を使用すれば、β-ラクタム系抗生物質の有効性を復活させることができると考えられる。 上記のような背景から、これまでに特異的なPBP2'阻害剤の開発研究が試みられてきたが、いまだ上市には至っていない。本研究では、微生物培養液をスクリーニングすることにより、MRSAのβ-ラクタム系抗生物質の耐性因子の一つであるPBP2'を阻害する生物活性物質を探索し、PBP2'産生菌感染動物モデルを用いて、β-ラクタム系抗生物質との併用効果を検討することで、PBP2'産生菌(MRSA)感染症に治療効果を示す新規物質を創製することを目的とした。 これまでにスクリーニングして来た糸状菌培養液累計1080サンプル、放線菌培養液サンプル、および海洋天然物サンプルについて、活性物質の単離・精製および構造解析を実施した。海洋天然物から顕著な活性は検出できなったが、新規化合物1化合物、と既知化合物3化合物を取得し、その結果を論文掲載した(Ishii T, et al., Journal of Asian Natural Products Research 2022 Oct 6;1-7. )。放線菌培養液サンプルからは、薬剤耐性菌に対して強力な抗菌活性を示す化合物を取得し、論文報告した(Kimishima A, et al., ACS Omega)。 加えて、マウスを用いた安全性評価試験体制の構築と全身感染モデルを構築し、予備実験は終了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
連携研究者から供給される生物活性物質の探索源は、本年度も供給可能である。スクリーニング、生物活性物質の単離・精製および構造解析においても連携研究者と打ち合わせを終え、本年度も連携研究を開始している。 特に、MRSA株に対しても、併用効果の程度を示す相乗効果を示す化合物精製中であることから、本年度も生物活性物質を見出すことが出来ると期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
連携研究者から供給される生物活性物質の探索源として、糸状菌培養液および放線菌培養液から、生物活性物質取得のためにスクリーニングを引き続き実施し、薬剤耐性因子に作用する生物活性物質の取得を実施していく。 すでに、いくつかの生物活性物質を取得したことから、それら化合物とカルバペネム薬のメロペンを併用した試験、チェッカーボード法による化合物の効果を検証していく。 高度耐性MRSA株に対しても、併用効果の程度を示すFICを検証する。今後の誘導体創製につながる化合物であるかを評価するために、本年度までに構築されたマウスを用いた初期安全性評価試験と全身感染モデル評価系を実施する。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Rediscovery of tetronomycin as a broad-spectrum and potent antibiotic against drug-resistant Gram-positive bacteria2023
Author(s)
Aoi Kimishima, Iori Tsuruoka, Hiroki Kanto, Hayama Tsutsumi, Naoaki Arima, Kazunari Sakai, Miho Sugamata, Hidehito Matsui, Yoshihiro Watanabe, Masato Iwatsuki, Masako Honsho, Kamrun Naher, Yuki Inahashi, Hideaki Hanaki, Yukihiro Asami
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Journal Title
ACS Omega
Volume: 8
Issue: 12
Pages: 11556-11563
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] 薬剤耐性グラム陽性細菌に対する広域かつ強力な抗菌活性を示すテトロノマイシンの再発見2023
Author(s)
鶴岡伊織, 君嶋葵, 菅藤裕貴, 堤隼馬, 有馬直明, 酒井 一成, 菅又美穂, 松井秀仁, 渡邊善洋, 岩月正人, 本庄雅子, Naher Kamrun, 稲橋佑起, 花木秀明, 浅見行弘
Organizer
日本農芸化学会2023年度大会 2023年3月15日
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