肝星細胞の初期活性化のメカニズム解明と生体外での類洞再構築ならびに人工肝への応用
Project/Area Number |
21K06757
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48010:Anatomy-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University (2022) Osaka City University (2021) |
Principal Investigator |
池田 一雄 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (80275247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 勤 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (20628698)
宇留島 隼人 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (90755745)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 肝星細胞 / 肝線維化 / E- cad / YAP/TAZ |
Outline of Research at the Start |
本研究においては、肝臓の組織環境を模倣し、静止期の肝星細胞を維持する培養系を開発することで、特に肝星細胞の初期活性化を引き起こすメカニズムを解明したい。具体的には、培養系での肝星細胞におけるメカノトランスダクションの関与(硬度とHippoシグナルとYAP/TAZの関与)と肝星細胞と肝実質細胞の接着の意義を明らかとし、そして、生体外での類洞構造再構築、さらには3次元培養を工夫し、人工肝への応用へと発展させたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
肝星細胞(伊東細胞)は、様々な肝病態下で活性化を受け、細胞外基質を過剰に産生し、肝機能障害を引き起こすことで、肝線維化、肝硬変、肝がんの誘因となる。そのため肝星細胞活性化を制御することは臨床的にも重大な課題であると考えられる。肝星細胞の活性化は、肝細胞との接着が消失することが引き金となるようであるが、その詳細は未だ明らかにされていない。 これまで、我々は、肝臓の線維化過程に中心的な役割を果たすと考えられている肝星細胞の機能、特に活性化の分子機構のメカニズム解明のため、肝星細胞分離法を確立し、この分離培養星細胞を用いて肝星細胞活性化に伴って変動する各種分子動態を遺伝子レベルおよび蛋白質レベルでの解析を行ってきた 。 2015年より、炎症や発がんとの関連で注目を集めている肝星細胞の細胞老化に関連する研究等を進め、肝星細胞の細胞老化に関するシグナル経路を明らかにした。 本研究では、肝臓の組織環境を模倣し、静止期の星細胞を維持する培養系を開発することで、特に星細胞の初期活性化を引き起こすメカニズムを解明するため計画を進めている。現時点で、培養系での肝星細胞におけるメカノトランスダクションの関与、特に、硬度とHippoシグナルとYAP/TAZの関与、そして肝星細胞と肝実質細胞の接着が、実際に、E-Cadherinを介して接着していること、肝星細胞でのE-CadherinとN-CadherinのSwitchの重要性等を、見いだすことができた。人工肝臓や臓器再生研究の観点からも肝星細胞を静止期のまま保持させることが、肝実質細胞の機能を維持するための重要な因子であるのか検討を進めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝臓の線維化過程に中心的な役割を果たすと考えられている肝星細胞の機能、特に活性化の分子機構のメカニズム解明のため、肝星細胞分離法を確立し、この分離培養星細胞を用いて星細胞活性化に伴って変動する各種分子動態を遺伝子レベルおよび蛋白質レベルでの解析を行ってきた。しかしながら培養系の星細胞は、活性化が自然と起こるため、生体内で静止期を維持しているのは、肝細胞との接着が星細胞にとって重要な因子ではないかという考えに至り、実験を開始した。星細胞活性化には、サイトカイン等液性因子の刺激が関与することがよく知られているが、肝細胞との接着が星細胞の静止期維持に関与するかどうか詳細な検討はなされていない。分離培養星細胞の初期の時点でのE-cadの発現は強く、星細胞株をもちいて、E-cadとYAP/TAZの強制発現を行うと、E-cadによりTotal TAZの発現が減少し、活性化マーカーであるSMAの発現も減少し、TAZによりN-cad発現が上昇することを確認した。これらの因子は、肝星細胞の活性化の初期に重要な役割をしていることが示唆された。 また、これと平行して、肝硬変時にみられる低浸透圧が肝星細胞に与える影響を調べてみた。肝星細胞には、低浸透圧受容体であるTRPV2が発現しており、TRPV2をノックダウンすると、低浸透圧環境でみられる抗アポトーシス効果が減弱していた。この現象には、Bcl2, AKTシグナルが関与していることを明らかにし、国際誌に発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
肝細胞と星細胞の接着には、E-cadが関与しており、この接着消失がトリガーとなり、星細胞が活性化する可能性が高いのであるが、星細胞が活性化するとE-cadの発現が消失し、N-cad, インテグリンの発現が増強する。そこで、E-cad, N-cad そしてインテグリン等の発現、およびHippoシグナル、FAKシグナルの関連を詳細に検討する。その手法のひとつとして、CRISPR/Cas9を用いてそれぞれE-cad, N-cad, インテグリン等のゲノム欠失星細胞cell linesを作製、あるいはSiRNAによりノックダウンし、星細胞活性化のメカニズムを明らかにしたい。 これと平行して、血管構造の模倣や肝臓組織の再構築など、培養系の工夫を行う。これは、これまでのdish上での培養ではできなかった細胞の極性、肝細胞星細胞機能維持等の検討を行うため、新たな細胞培養基材として、エラスチンを利用する。エラスチンは、弾力に優れた繊維の主成分であるタンパク質の一種ですが、おもに血管や皮膚、肺といった弾力のある組織内に存在している。このエラスチンとコラーゲンの組成比、架橋構造の形成に使用する架橋剤、弾性率などを改良しながら作成した細胞外基質を培養肝星細胞の足場として利用し、続いて、肝星細胞と内皮細胞の共培養、最終的には肝臓組織としての培養を検討する。評価方法としては、免疫組織化学、透過型ならびに走査型電顕による形態学的検討と肝細胞機能の指標としてのALBの産生、p450 Cyp3A1,Cyp7A1等の発現を検討する。人工肝臓や臓器再生研究の観点からも肝機能を維持するための細胞組織構築の重要性の検討を行いたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Cancer cells produce liver metastasis via gap formation in sinusoidal endothelial cells through proinflammatory paracrine mechanisms.2022
Author(s)
Huu Hoang T, Sato-Matsubara M, Yuasa H, Matsubara T, Thuy LTT, Ikenaga H, Phuong DM, Hanh NV, Hieu VN, Hoang DV, Hai H, Okina Y, Enomoto M, Tamori A, Daikoku A, Urushima H, Ikeda K, Dat NQ, Yasui Y, Shinkawa H, Kubo S, Yamagishi R, Ohtani N, Yoshizato K, Gracia-Sancho J, Kawada N.
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Journal Title
Sci Adv.
Volume: 8(39)
Issue: 39
Pages: 5525-5525
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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