脳由来胆汁酸の機能解明と脳梗塞新規治療デザイン確立への応用
Project/Area Number |
21K06763
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48010:Anatomy-related
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
大江 総一 関西医科大学, 医学部, 講師 (70599331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 幸恵 (平原幸恵) 関西医科大学, 看護学部, 教授 (70457969)
林 真一 関西医科大学, 医学部, 講師 (80599572)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 脳梗塞 / 胆汁酸 / CYP7A1 / 転写後発現抑制 / ニューロステロイド / 転写後発現制御 / ニューロン / 質量顕微鏡 / ノックアウトマウス |
Outline of Research at the Start |
胆汁酸はコレステロールから合成される両親和性ステロイド誘導体の総称であり、そのほとんどが腸肝循環系に存在すると考えれてきた。しかし、申請者はこれまでに質量顕微鏡を用いた直接的可視化により正常脳の実質に胆汁酸が存在することを発見した。本研究では、脳特異的な胆汁酸合成不全マウスの解析、胆汁酸ブレインマップ作製、脳梗塞病態での遺伝子発現解析、脳梗塞治療デザイン確立等を行うことで、「脳機能、脳構造、脳梗塞病態における胆汁酸の役割」を明らかにし、新規治療法確立を目指す。また、本研究で得られた知見を他の脳疾患へ応用することでより臨床的・社会的ニーズに貢献できると考えている。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、質量顕微鏡法を用いて正常脳および中大脳動脈完全梗塞(pMCAO)マウス脳におけるタウロコール酸(TA)の直接的イメージングをおこない、胆汁酸類ブレインマップ作製に取り組んだ。これまでは、9-AAによる蒸着後にメタノールで再結晶化を施しネガティブモードにてTA解析をおこなっており、正常脳およびpMCAO脳の両方でTAを検出していたが他分子の同位体の混入の可能性が考えられたため、CHCAによる蒸着を施しポジティブモードにてTA解析をおこなった。この蒸着工程ではマトリックス蒸着装置iMLayerを用いて膜厚測定下でCHCA蒸着を施し、実験間やサンプル間での蒸着厚のばらつきを抑制することができた。TA解析の結果、複数存在するTA付加体の中のいくつかで正常脳に比べてpMCAO脳での存在量増加が確認された。この結果にはm/Zに他分子の同位体混入の可能性はないと思われ、ネガティブモードよりもより正確な検出が可能となった。さらに、検出感度を向上させるためにiMLayerでの蒸着後にCHCAをスプレー塗布する2段階蒸着を行った結果、より高感度でTAを検出することが可能となり以降のTA解析をこの方法で統一する事とした。今後、この方法により脳全体における検出をおこない胆汁酸類ブレインマップを作製する予定である。さらに令和5年度は、昨年度に引き続き、胆汁酸合成律速酵素であるCyp7a1を欠損するマウスの解析をおこなった。質量顕微鏡法解析によりホモKOマウス正常脳ではTA存在量の減少が見られた。現在、複数の交配ペアにおいてホモ/ヘテロを含め出生率の極端に低下する問題が生じており十分な個体数が得られていない。今後、十分な個体数が得られる環境を整え、Cyp7a1ホモKOマウスにおいて脳梗塞手術をおこない正常脳機能および脳梗塞病態における脳由来胆汁酸シグナルの生理的意義を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題の実施状況について、令和5年度は脳での胆汁酸ブレインマップ作製、胆汁酸合成不全マウスの機能解析を予定していた。質量顕微鏡法によるブレインマップ作製は検出方法を確定することが出来概ね順調に進んでいる。胆汁酸合成不全マウスとしてCyp7a1 KOマウスの樹立をおこなったが、昨年度に引き続きヘホモKOマウスの生存率が低く、その対応として飼育の際に胆汁酸やビタミンDを含めた餌を与えているが劇的な改善は見られていない。さらにヘテロKOマウス同士の交配により系統を維持しているが、これまで以上にホモ/ヘテロを含めた出生数が極端に減少している。飼育環境に問題はないためCyp7a1 による表現型の可能性も含め対応策を講じて系統維持に努める。十分な個体数が得られる環境を整えられ次第、Cyp7a1ホモKOマウスにおいて脳梗塞手術をおこない、梗塞範囲変化、記憶学習に関する行動実験、グリア細胞動態等を評価し、正常脳機能および脳梗塞病態における脳由来胆汁酸シグナルの生理的意義を明らかにする予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題では脳での胆汁酸機能を明らかにするためにその機能不全マウス作製をおこなっている。現在は、胆汁酸合成不全マウスとして、コンベンショナルなCyp7a1 KOマウスを作製し解析を行っているが、Cyp7a1-loxPマウスを新たに作製しNestin-Creマウスとの交配によりニューロン特異的Cyp7a1KOマウスの作製をおこなう予定である。また、胆汁酸受容体(TGR5、FXR)を標的としてTgr5-loxPマウスおよびFxr-loxPを作製しNestin-Creマウスとの交配によりニューロン特異的胆汁酸シグナル不全マウスの作製を予定している。これらのマウスにおいて脳梗塞手術を施し、グリア細胞動態、梗塞容積、行動評価等をおこない個体レベルでの影響を明らかにすることで、脳梗塞病態における脳由来胆汁酸の意義を明らかにすることができると考えている。
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Report
(3 results)
Research Products
(28 results)
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[Journal Article] OLIG2 translocates to chromosomes during mitosis via a temperature downshift: A novel neural cold response of mitotic bookmarking.2024
Author(s)
Hayashi S, Seki-Omura R, Yamada S, Kamata T, Sato Y, Oe S, Koike T, Nakano Y, Iwashita H, Hirahara Y, Tanaka S, Sekijima T, Ito T, Yasukochi Y, Higasa K, Kitada M.
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Journal Title
Gene
Volume: 891
Pages: 7829-7829
DOI
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Author(s)
Oe S, Hayashi S, Tanaka S, Koike T, Hirahara Y, Seki-Omura R, Kakizaki R, Sakamoto S, Nakano Y, Noda Y, Yamada H, Kitada M
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Journal Title
Frontiers in Cellular Neuroscience
Volume: -
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Author(s)
Oe S, Hayashi S, Tanaka S, Koike T, Hirahara Y, Kakizaki R, Sakamoto S, Noda Y, Yamada H, Kitada M.
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Journal Title
FEBS Open Bio
Volume: 12
Issue: 1
Pages: 82-94
DOI
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