炎症誘導性高貪食能ミクログリアサブセットの制御と炎症関連神経疾患治療への展開
Project/Area Number |
21K06802
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48030:Pharmacology-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
秀 和泉 広島大学, 医系科学研究科(医), 講師 (20253073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 規雄 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (70263407)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | ミクログリア / LPS / TLR4 / P2Y2受容体 / 炎症 / 死細胞貪食 / トル様受容体4 / リポポリサッカライド / 貪食 / P2受容体 |
Outline of Research at the Start |
近年急増する神経変性疾患や脳梗塞、自閉症などの発達障害など、ほとんどすべての神経疾患の基盤に炎症と活性化ミクログリアが存在する。ミクログリアは死細胞除去により恒常性維持に働くが、過剰に活性化されると生存可能なニューロンまで貪食により傷害する。これまでに初代ミクログリアの約2割に特に高い貪食能を持つサブセットが存在し、その機能発現にトル様受容体(TLR)とATP/UTP受容体P2Y2が重要な役割を果たすことを見出した。本研究では、炎症から高貪食能を獲得する仕組みをTLR→P2Y2→AXL貪食受容体のシグナル制御に焦点を当て解明する。さらに炎症とミクログリアが関わる神経疾患の治療方策を探る。
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Outline of Annual Research Achievements |
ミクログリアはTLR4リガンドであるリポポリサッカライド(LPS)の刺激を受けると正常時とは異なる炎症特異的な貪食機能を発揮することを明らかにした。その機序にはGq/11共役型であるP2Y2受容体と炎症時に発動する貪食受容体Axlが関与する。P2Y2受容体はLPS刺激により細胞中央から形質膜へと細胞内局在を変化させ、その後急激な発現上昇を示す。また、LPS誘発による炎症性サイトカイン産生もP2Y2受容体の遮断により抑制されることから、P2Y2受容体はTLR4を介する炎症機能の幅広い発現において重要な役割を果たす可能性が考えられる。貪食やサイトカイン発現に深く関与しTLR4の下流で活性化されるシグナル伝達因子のうちERK1/2とPI3キナーゼ/Aktの活性化経路には不明の点が多い。ERK1/2のリン酸化はLPS刺激により速やかにかつ一過性に引き起こされ、この反応はP2Y2受容体とともに他のP2受容体の関与も示された。一方、Aktのリン酸化はLPS刺激3時間後でも持続的に生じており、この反応にはP2Y2受容体が中心的なな役割を演じている。これらの結果は、LPS刺激を受けたのちP2Y2受容体活性化が誘導される時間経過とも一致する。したがって、ミクログリアのTLR4はP2Y2受容体活性化によりその下流シグナルであるERK1/2やPI3キナーゼ/Aktの活性化を誘導し、炎症反応を引き起こす可能性が示された。また、LPS刺激はミクログリアに細胞死を引き起こすが、この反応もP2Y2受容体遮断により抑制された。このことから、P2Y2受容体の働きは多岐にわたり極めて重要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LPSがTLR4を活性化し炎症関連遺伝子発現を誘導することはよく知られた事実である。TLR4のシグナル伝達にはMyD88依存的経路とMyD88非依存的経路があり、MyD88経路はTRAF6を介してNF-kBの活性化を介して炎症性サイトカイン遺伝子を発現する一方、MyD88非依存的経路ではLPSと複合体を形成したTLR4はエンドソームに内在化してTRAF3を活性化し、転写因子IRF3を介してI型IFNを産生する。これらのシグナルの流れは十分解き明かされているが、貪食や遺伝子発現に重要なERK1/2やPI3キナーゼ/Aktがどのように活性化されるのかその経路には不明の点が多い。今回、LPS刺激によるERK1/2およびAktはTLR4刺激によるP2Y2受容体活性化の下流で駆動される可能性が示された。これは、炎症反応の新しい仕組みを解き明かす発見につながることから、研究は順調に進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
TLR4刺激は直接細胞内シグナルカスケードを駆動し、さまざまな転写因子の活性化を介して炎症関連遺伝子の発現を制御すると考えられている。このシグナルカスケードにおいてP2Y2受容体が普遍的な役割を果たしている可能性が考えられる。しかし、P2Y2受容体を活性化するATPやUTPがどのように産生されどのように放出されるのか、など不明な点も多く、これらに焦点を当て炎症反応におけるP2Y2受容体を介した新しい活性化の仕組みを明らかにしていく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(28 results)
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[Journal Article] GPR3 accelerates neurite outgrowth and neuronal polarity formation via PI3 kinase-mediating signaling pathway in cultured primary neurons.2022
Author(s)
Tanaka, S., Shimada, N., Shiraki, H., Miyagi, T., Harada, K., Hide, I. and Sakai, N.
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Journal Title
Mol. Cell. Neurosci
Volume: 118
Pages: 103691-103691
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Potential role of inducible GPR3 expression under stimulated T cell conditions2022
Author(s)
Shiraki, H., Tanaka, S., Guo, Y., Harada, K., Hide, I, Yasuda, T. and Sakai, N
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Journal Title
J. Pharmacol. Sci.
Volume: 148
Issue: 3
Pages: 307-314
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Syntaxin 3 interacts with serotonin transporter and regulates its function.2021
Author(s)
Motoike, S., Taguchi, K., Harada, K., Asano, M., Hide, I. Tanaka, S. Irifune, M. and Sakai,
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Journal Title
J. Pharmacol. Sci.
Volume: 145
Issue: 4
Pages: 297-307
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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