スキルス胃癌と口唇口蓋裂の発症に関わるPLEKHA5の分子機能の解析
Project/Area Number |
21K06879
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49010:Pathological biochemistry-related
|
Research Institution | Sasaki Foundation |
Principal Investigator |
山口 英樹 公益財団法人佐々木研究所, 附属研究所, 副所長兼部長 (10345035)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 理恵子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 独立ユニット長 (70356252)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | スキルス胃癌 / 口唇口蓋裂 / PLEKHA5 / 細胞間接着 / E-cadherin |
Outline of Research at the Start |
細胞間接着分子E-cadherinの変異は家族性スキルス胃癌の原因となるが、その変異保有者の一部は口唇口蓋裂を併発する。つまり両疾患の発症は、細胞間接着の破綻に起因すると考えられる。我々はスキルス胃癌の進展に関わる新規分子PLEKHA5を見出したが、PLEKHA5が遺伝性口唇口蓋裂の原因遺伝子であることが報告された。本研究では、正常上皮の細胞間接着とスキルス胃癌におけるPLEKHA5の機能を解明することを目的とし、両疾患発症の分子機構のさらなる理解を目指す。本研究は、一見全く異なる疾患の分子レベルでの共通点に着目している点で独創的であり、両疾患の治療法や予防法開発に大きく貢献すると考えられる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
スキルス胃癌はびまん性浸潤、間質増生、腹膜播種をきたす予後不良の難治癌である。家族性スキルス胃癌はE-cadherinの変異により生じるが、変異保有者の一部は口唇口蓋裂を併発する。我々はスキルス胃癌の進展に関わる新規分子PLEKHA5を見出したが、驚くべきことにPLEKHA5が遺伝性口唇口蓋裂の原因遺伝子であることが報告された。従ってPLEKHA5は細胞間接着を制御し、その機能異常が両疾患の発症に関与すると推察された。そこで正常上皮の細胞間接着とスキルス胃癌におけるPLEKHA5の機能を解明することを目的として研究を行った。前年度までに、PLEKHA5はE-cadherinと共に細胞間接着部位に局在すること、アドヘレンスジャンクションやデスモソームに関連する多くのタンパク質と結合することが明らかになった。今年度は、詳細にPLEKHA5の局在機構を解析したところ、受容体チロシンキナーゼ下流で起こるチロシンリン酸化、N末端部に存在するWWドメインとPHドメインが細胞間接着部位への局在に重要であることを見出した。さらにCRISPR-Cas9によりPLEKHA5のノックアウト細胞を作製し、遺伝性口唇口蓋裂の家系で見つかったPLEKHA5変異の機能解析を進めている。またPLEKHA5のPHドメインについて結合脂質の探索を行なったところ、ホスファチジルセリンと強く結合することが明らかになった。ホスファチジルセリンはリサイクリングエンドソームに局在し、細胞内輸送で重要な働きをしている。実際に、PLEKHA5のノックダウンによりスキルス胃癌細胞において細胞内輸送の異常が確認された。従って、細胞間接着が喪失したがん細胞において、PLEKHA5は細胞内輸送に関与する可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PLEKHA5の局在機構、脂質結合特性、細胞内機能を新たに発見した点をふまえると、当初の実験計画に沿って、比較的順調に研究が進展していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、実験計画に従い研究を進めていく。正常上皮とスキルス胃がん細胞におけるPLEKHA5の機能を詳細に解析し、細胞間接着とがん悪性化におけるPLEKHA5 の役割を明らかにしていく。また動物モデルを用いた実験に着手し、個体レベルでの機能解析も進めていく。
|
Report
(2 results)
Research Products
(6 results)