Project/Area Number |
21K06908
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49020:Human pathology-related
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
上杉 憲幸 岩手医科大学, 医学部, 特任准教授 (10291618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅井 有 岩手医科大学, 医学部, 教授 (20187628)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 胃癌 / 腺窩上皮型 / 分子解析 |
Outline of Research at the Start |
本研究では腺窩上皮型胃癌の分子病型が明らかにすることで、本腫瘍の発生・進展に関わる生物学的特徴を理解することが可能となる。加えて、生検標本による解析および内視鏡像との対比を加えることにより、本腫瘍の生検診断および内視鏡診断に関連する知見を得ることが可能となり、早期発見・早期治療に寄与する新たな情報を得ることが出来ると考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまで我々は内視鏡的に切除された腺窩上皮型胃癌について解析を行い、胃通常型腺癌と比較することで臨床病理学的および分子病理学的特徴について報告を行なっている。現在までの解析で、胃腺窩上皮癌は低異型度の腫瘍の頻度が高いにも関わらず、高い細胞増殖能を示す腫瘍が多くみられ、細胞増殖能を反映するKi-67陽性細胞率は通常型胃癌と同程度であることが明らかとなっている。エピゲノムな異常では、2パネル法を用いたDNAメチル化解析で、通常型胃癌と比較して低メチル化状態を示す腫瘍の頻度が高く、高メチル化状態を示す腫瘍の頻度が低いことが明らかとなった。ゲノムの異常としては、allelic imbalance (AI) 解析において、染色体1p, 5q, 18q, 22qにおけるAIの頻度が通常型胃癌と比較して高いことが明らかにされ、症例数は少ないものの (4症例)、DNAマイクロアレーを用いたCNA解析において、多数の染色体領域でDNAコピー数の増加および減少が認められた。これらの所見より、胃腺窩上皮癌は胃癌において独立した組織亜型であり、通常型分化型胃癌と比較して、分子病理学的特徴が異なり、より悪性度の高い組織亜型である可能性が推測された。これまでの解析は症例数も少なく(42例)、多くの症例は粘膜内癌であり、加えてパラフィン切片を用いた解析であること等の様々な制約があるが、パラフィン切片より抽出したDNAを用いたDNAコピー数マイクロアレーが市販されており、今後はこれを用いて解析を行う予定である。 生検サンプルを用いた分子異常の解析についても行う必要があるが、充分なDNA量を確保することが難しく、従来の方法では生検サンプルを用いた詳細な分子解析は困難であると言わざるを得ない。生検検体についても上記のマイクロアレーを用いて解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
パラフィン切片より抽出したDNAを用いた分子解析では、DNAの状態が解析結果に大きな影響を与える。特に保管期間が長期にわたる検体については、DNAの変性が生じていることが知られており、分子解析が充分に行えないことが少なくない。 腺窩上皮型胃癌については、症例の頻度がそれほど多くなく、過去の症例に遡って解析を行う必要がある、したがって、分子解析に適していない検体も多数認められ、解析症例数の集積が予定通り行えていないのが現状である。加えて、パラフィン切片より抽出したDNAを用いてのDNAコピー数解析に必ずしも精通しておらず、安定した解析結果を得るために、解析手法のトレーニングを行う必要があり、時間を要している。生検検体についても同様で、DNAの質の点、解析に必要なDNAの量的な確保が難しいところがあり、予定した症例数が確保出来ていないのが現状である。 以上の点より、研究が予定よりやや遅延していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
腺窩上皮型胃癌の分子病理学的特徴を確立するために、パラフィン切片より抽出したDNAを用いたDNAコピー数解析を進めていく予定である。生検検体については、症例数の確保が困難な場合は解析を断念せざるを得ず、内視鏡切除材料を用いた解析を優先的に進めていく予定である。
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