骨軟部腫瘍の病理診断に有用な免疫染色マーカーの開発
Project/Area Number |
21K06919
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49020:Human pathology-related
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
吉田 朗彦 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (80574780)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 脂肪肉腫 / 褐色脂肪腫 / UCP1 / 脱分化型脊索腫 / H3K27me3 / 滑膜肉腫 / CIC遺伝子再構成肉腫 / 免疫染色 / 病理診断 / 骨軟部腫瘍 |
Outline of Research at the Start |
骨軟部腫瘍の病理診断は難しいが、近年腫瘍特異的な遺伝子異常の発見に伴い客観的な診断基準が整備されつつある。一方、遺伝子検索には時間、労力、技術が必要で、わが国の多くの医療機関では実施できておらず、実際に遺伝子検索を行わなくても、それと同等の感度・特異度を持つような免疫染色に対する需要は高い。この研究では、①未だ特異的な免疫染色が見出されていない腫瘍型に対して、診断に有用な染色マーカーを開発し、②すでに提唱されているそのようなマーカーがあるがその精度が不明な腫瘍型において、マーカーの有用性を再検証する。より客観的、効率的、経済的な診断技法が開発されれば、実臨床に与える貢献が大きい。
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Outline of Annual Research Achievements |
1.脂肪肉腫では稀に、良性腫瘍である褐色脂肪腫に組織像が類似する例があるが、ほとんど先行研究がない。今回16例を集積して詳しく検討したところ、高分化型脂肪肉腫(脱分化が合併する例もある)と粘液型脂肪肉腫において、褐色脂肪腫と類似した組織像が部分的に認められた。このうち高分化型脂肪肉腫では褐色脂肪腫様成分において、褐色脂肪への分化を司るuncoupling protein 1(UCP1)が免疫染色が陽性となる例があり、真の褐色脂肪への分化と考えられた。いっぽう粘液型脂肪肉腫ではUCP1の発現は見られず、機序が異なると考えられた。対照とした褐色脂肪腫10例は全例でUCP1陽性であった。褐色脂肪腫と脂肪肉腫の鑑別は病理診断上重要であり、注意深い形態観察のほか、MDM2やDDIT3の免疫染色や遺伝子検索が有用であると考えられた。UCP1は肉腫でも陽性のことがあり、鑑別における有用性は限定的と考えられた。
2.脊索腫は稀に脱分化することがあるがその機序は判明していない。脱分化型脊索腫9例を検討したところ、脱分化成分でのみヒストン3のリジン27トリメチル化(H3K27me3)と同ジメチル化(H3K27me2)免疫染色の消失した4例を見出した。H3K27me3/me2消失はPRC2というポリコーム複合体の機能喪失を示唆する。これらの腫瘍はいずれも比較的若年の女性の頭蓋底に発生し、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)に組織像が類似し、解析しえた2例ではPRC2の構成蛋白であるEEDの遺伝子欠失が見られた。一方H3K27me3染色の保たれていた5例はしばしば仙尾部に発生しMPNSTとの類似性は見られなかった。脊索腫の脱分化現象において、一部の症例ではPRC2複合体の遺伝子的不活性化が重要な意味を持っている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの診療経験に基づいて、骨軟部腫瘍の病理診断で問題となる腫瘍型を適切に選択し、それぞれの文脈に応じた実用的な免疫染色マーカーの特徴づけを行うことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度と同様、骨軟部腫瘍の病理診断における重要な鑑別において、有用な免疫染色マーカーを探るべく検討をすすめている。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Identification of novel SSX1 fusions in synovial sarcoma.2021
Author(s)
Yoshida Akihiko、Arai Yasuhito、Satomi Kaishi、Kubo Takashi、Ryo Eijitsu、Matsushita Yuko、Hama Natsuko、Sudo Kazuki、Komiyama Motokiyo、Yatabe Yasushi、Shibata Tatsuhiro、Ichikawa Hitoshi、Ichimura Koichi、Kawai Akira、Mori Taisuke.
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Journal Title
Modern Pathology
Volume: 35
Issue: 2
Pages: 228-239
DOI
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Peer Reviewed / Open Access
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