Molecular and pathological heterogeneity in gastric cancer
Project/Area Number |
21K06939
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49020:Human pathology-related
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
桑田 健 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 部門長 (00327321)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 胃癌 / 遺伝子変異 / ヒト患者由来ゼノグラフト / 細胞株 / 腫瘍内不均一性 / 病理 / 遺伝子 |
Outline of Research at the Start |
DNAミスマッチ修復機能不全により高頻度の遺伝子変異を生じるマイクロサテライト不安定性(MSI)胃癌をモデルとし、がんにおける病理学的および分子生物学的腫瘍内不均一性を検討する。ヒト胃癌病理組織標本に加え、申請者が樹立したMSI胃癌ヒト患者由来ゼノグラフトと細胞株を用い、同一腫瘍内の病理学的および分子生物学的不均一性とその相関を示す。また腫瘍内不均一性が腫瘍の転移様式や薬剤感受性などと相関するバイオマーカーとして利用ことを示す。合わせて、MSI胃癌細胞株を利用し分子標的治療薬の感受性・耐性に関わる遺伝子変異同定のためのアッセイモデルを構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ヒト胃癌より樹立した細胞株(CL)について、マイクロサテライト不安定(MSI)とマイクロサテライト安定(MSS)サブタイプにおける分子生物学的腫瘍内不均一性の変化について継続検討した。MSIサブタイプはMSSサブタイプに比し、同一症例での原発巣(PT)/ヒト患者由来ゼノグラフト(PDX)/CL間での変異遺伝子数の変化に加え、バリアントアレル頻度にも差が認められ、MSIサブタイプがMSSサブタイプに比べ高い腫瘍内不均一性を有する可能性を示唆する所見が得られた。 薬剤感受性に関して、初年度の検討で原発胃癌に対する外科的手術が実施された症例ではMSIサブタイプはMSSサブタイプに比して予後良好であったが、Stageにより応答が異なる可能性も示されたため、外科的切除が実施されたStageII/III臨床症例を対象にする予後解析を追加した。679例のうち、免疫組織学的にDNAミスマッチ修復酵素の発現消失(dMMR)が認められたMSIサブタイプに相当する症例は71例(10.5%)で、このうち術後化学両方が施行された症例ではMSSに比べMSI症例が全生存期間および無再発生存期間のいずれについても良好であった。一方、術後化学療法を実施しない手術単独群ではMSIサブタイプとMSSサブタイプの予後に有意差は認められなかった。術後化学療法群と手術単独群では年齢などの患者背景が異なるが、MSI胃癌は予後良好であり、化学療法による予後改善効果を否定するものではないと考えられた。探索的に実施した検討では組織でのPD-L1発現陰性MSI 胃癌は予後不良であり、腫瘍細胞自体の生物学的特性に加え宿主免疫応答もMSI胃癌が予後良好であることに関与している可能性がある。初年度に引き続き実施した殺細胞性抗がん剤に対する感受性については、MSIとMSS胃癌で有意な差は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. 対象となる本研究代表者が樹立したすべてのヒト胃癌由来是PDXおよびCLについて、次世代シークエンサーによる遺伝子変異プロファイリングを完了し、MSI胃癌がMSS胃癌に比して高い腫瘍内不均一性を示すことを明らかにできた。 2. 薬物療法について、自施設にて外科切除が実施されたStageII/IIIヒト胃癌症例を用いて、予後(全生存期間、無再発生存期間)をMSIとMSSサブタイプで比較し、術後化学療法実施群でもMSI胃癌がMSS胃癌群に比し予後良好であることを示した。このことから、MSI胃癌においても化学療法が一定の効果を示す可能性が示唆され、この結果は細胞株を用いた殺細胞性薬剤に対する感受性試験のデータとも相関する可能性がある。また免疫細胞を含めたPD-L1発現が予後に影響することから、MSI胃癌が予後良好となる背景には腫瘍細胞の生物学的特性に加え、宿主免疫応答が影響している可能性も示すことができた。 3. MSI胃癌株について、分子標的治療薬投与後に得られる耐性株と親株の遺伝子変異・発現プロファイルを比較し薬剤耐性の原因となる遺伝子変異など分子機構を明らかにする検討については3年次で実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1. MSI胃癌とMSS胃癌について、HER2など免疫組織学的バイオマーカーを含めた検討を含め、病理組織学的所見に基づく胃癌における腫瘍内不均一性について検討する。 2. 二年次には臨床症例を用いた後ろ向き解析によりMSI胃癌がMSS胃癌に比して予後良好なこと、また化学療法についても必ずしも耐性ではなく一定の感受性を有する可能性が認められたことから、殺細胞性抗がん剤のうちMSI胃癌が感受性・耐性をしめすものについて層別化を行う。 3. MSI胃癌細胞株を用いた殺細胞性薬剤および分子標的治療薬の投与前後での遺伝子変異プロファイリング比較による薬剤耐性分子機構の解明について、薬剤耐性株の樹立や次世代シークエンサーを用いた遺伝子変異・発現解析などプロファイリングデータを取得し、耐性前の親株との比較を行い、特に分子標的治療薬に対する新規耐性機構を同定する。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)