Control of colon cancer stemness by PAF1 complex
Project/Area Number |
21K06946
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49030:Experimental pathology-related
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
青木 耕史 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (40402862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 一也 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (50749059)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 大腸がん / がん幹細胞性 / β-cateninタンパク質 / PAF1複合体 / 転写機構 / 癌幹細胞 / 大腸癌 / PAF1 |
Outline of Research at the Start |
本研究課題では、大腸癌の癌幹細胞性の制御機構を明らかにすることを目的に、以下のことを解明する。(課題1a)大腸癌の癌幹細胞性維持におけるPAF1複合体の役割。(課題1b)安定化型-cateninによる癌幹細胞性維持におけるPAF1複合体の役割。(課題2)PAF1複合体と安定化型-cateninの大腸癌の癌幹細胞性の可塑性における役割。(課題3)安定化型-cateninによるPAF複合体とpromoter proximal pausingの制御機構。
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Outline of Annual Research Achievements |
大腸癌の80%以上は、APC遺伝子の変異により開始する。APC遺伝子の変異によりβ-cateninの分解が抑制されると、β-cateninの量が増加する。増加したβ-cateninは、転写因子であるTCFに結合することで標的とする遺伝子のゲノムにアクセスし、がんの根源となるがん幹細胞を生み出すために必要な遺伝子群(がん幹細胞関連遺伝子)の発現を誘導する。一方で、β-cateninがTCFに結合した後にがん幹細胞関連遺伝子群の遺伝子発現を誘導する機構は未解明であった。本研究課題では、β-cateninによるがん幹細胞関連遺伝子群の遺伝子発現機構の解析を行い次のことが分かった。β-cateninは、DSIFをPol II)複合体にリクルートすることでRNA Pol II-DSIF複合体の形成を促す。次にβ-cateninは、転写CDKであるCDK9と協調することでPol II-DSIF-NELF複合体の形成を促進すると伴に、PAF1)複合体とNELF複合体の交換を促進する。その結果、Pol II-DSIF-PAF1複合体の形成を促進する。さらに、NELF複合体やPAF1複合体が、大腸がんのがん幹細胞性の維持に不可欠であること見出した。すなわち、β-cateninは、NELF複合体やPAF1複合体を介してRNA Pol IIを活性化することにより、がん幹細胞関連遺伝子群の発現を誘導し、大腸がんのがん幹細胞性を誘導することなどが分かった。また、PAF1複合体の下流分子である転写CDKであるCDK12を阻害することで大腸がんのがん幹細胞性を抑制できることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの解析からβ-cateninタンパク質は、NELF複合体やPAF1複合体を介して大腸がんのがん細胞性に不可欠な遺伝子の発現を誘導することで、大腸がんのがん幹細胞性を誘発・維持させることが分かった。一方で、腸管の上皮細胞に特異的に発現するホメオボックス転写因子であるcaudal-related homeobox transcription factorであるCDX1とCDX2が、大腸がんのがん細胞性を抑制することで大腸がんの悪性化進展を抑制することが分かった。そのメカニズムとしてCDX1とCDX2が、β-cateninタンパク質によるNELF複合体やPAF1複合体への作用を抑制することが分かった。CDX1とCDX2によるPAF1複合体の抑制は、CDX1とCDX2の転写活性とは異なる機能であることが分かった。そこで、CDX1やCDX2を発現したときの、LGR5ゲノム上におけるPolII複合体、NELF複合体、PAF1複合体の動態の解析を進めている。また、Pol II-DSIF-PAF1複合体の形成をCDX1やCDX2が抑制することが分かった。そこで、その機序の解析を進めており、計画通りに進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、腸管の上皮細胞に特異的に発現しているホメオボックス転写因子であるCDX1やCDX2による大腸がんのがん細胞性の抑制メカニズムの解明を行う。とくに、β-cateninタンパク質によるNELF複合体やPAF1複合体への作用をCDX1やCDX2が抑制する機序の解析を行う。そこで、CDX1とCDX2の様々な欠損型変異体を作成し、PAF1複合体の抑制に関与するタンパク質領域の特定とメカニズムを解析する。また、CDX1やCDX2によるPolII複合体、NELF複合体、PAF1複合体のゲノム上の動態を解析するために、CDX1やCDX2を発現したときの、LGR5ゲノム上におけるPolII複合体、NELF複合体、PAF1複合体の量をChIP-qPCRにより定量解析する。加えて、CDX1やCDX2を発現したときの、LGR5ゲノム上におけるβ-cateninタンパク質の動態をChIP-qPCRにより定量解析する。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)