Cell motility of pathogenic bacteria manipulated by a fluid flow
Project/Area Number |
21K07020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49050:Bacteriology-related
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
中根 大介 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (40708997)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 肺炎 / マイコプラズマ / 走流性 / 光学顕微鏡 / イメージング / 生体運動 / 微小デバイス |
Outline of Research at the Start |
肺炎マイコプラズマは,宿主の粘液繊毛輸送に抗うように水流に逆らって動くことで,自身の目的地へと到達することができる。この仮説を検証するために,本研究では 1. マイコプラズマが流れに逆らって動く様子を光学顕微鏡下で直接可視化する, 2. 流れに逆らう動きがなぜ生じるのか,メカニカルな応答を物理モデル化する。
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Outline of Annual Research Achievements |
細菌の走流性応答の研究を実施した。肺炎マイコプラズマであるMycoplasma pneumoniaeは宿主組織の表面などに付着し運動する能力をもつ。なぜ、小さな細菌が運動する能力を発達させたのか、はっきりとした理由は知られていなかった。申請者は本菌が水流の流れに逆らって運動する「正の走流性」という応答を持つことを明らかにした。自作したフローチャンバーとシリンジポンプを接続させ、精密に制御した流れを与える実験系を構築した。このチャンバーの中に菌を加えて、流れを受けたときのようすを光学顕微鏡で高精度に観察した。菌体は非対称な形状をしており、その先端で固体表面に付着をしているが、流れを受けると付着部位を軸に回転し、先端を流れに向かうように配置した。マイコプラズマの非対称形状を変化させ、同様の実験を行うと、同じ流速であっても流れに逆らうことはできず、流れの向きとは関係のない方向へとランダムに移動した。これは風見鶏の仕組みとよく似ている。このような走流性応答は、他の運動性マイコプラズマであるMycoplasma mobileやMycoplasma penetransでも観察できた。非対称形状を上手く利用して流れの向きを認識する仕組みは、マイコプラズマの中で広く保存された仕組みかもしれない。この3種の付着の最大力は75-150 pNほどであり、気管上皮での粘液繊毛クリアランスや淡水魚のエラにおける流れ、さらには尿路内での蠕動運動の際に受ける力よりも大きいため、実環境で機能しうるものであると考えられる。マイコプラズマの運動は一方向的で方向転換をすることがないが知られている。流れを感知する情報伝達機構がなくとも、今回観察された風見鶏の機構があれば、菌体の非対称形状により走流性応答が達成できるのかもしれない。これらの結果はPLOS Pathogensという科学誌に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究代表者が筆頭著者かつ責任著者となる研究成果がPLOS Pathogens誌に掲載された。サーモプレートを導入し、走流性応答を室温から100℃まで任意の温度環境で観察できる実験系を構築した。幅広い至適温度をもつ細菌を網羅的に観察することが可能になった。温度制御の実験系は、一般的に使われているような顕微鏡ステージを取り囲む保温箱を使用することもできるが、対物レンズや流れを与えるためのシリンジポンプ一式を高温環境にする必要があり、40度以上で観察したいば場合には適していない。そこで、サーモプレートと作動距離の長い対物レンズを導入することで、これを解決した。油浸の対物レンズは使用できなくなるが、それでも適切なレンズを選択・調整することで高精度の顕微鏡像を取得することに成功した。シリンジポンプから導入する溶液は、サーモプレート上で一旦温度を上昇させ、それを観察チャンバーへと接続することで、温度の低下を防ぐことに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
走流性応答といった力学刺激に対する細菌の情報伝達は、真核生物のそれに比べて十分に理解されていない。本研究で注目したのは寄生性の細菌であるが、宿主体内だけでなく、土の中、水の中といった自然環境中にも水流の流れは生じうる。細菌の走流性が、小さな生命体に広く分布した能力であることを示すために、今後はマイコプラズマ以外の細菌種にも注目し、流れに応答する能力があるかどうか、申請者が構築した実験系で検証する必要がある。マイコプラズマ以外にも、滑走運動やTwitching motilityという表面運動を示す細菌は広く知られている。このような異なる分子メカニズムをもつ運動システムにも走流性が見られるかどうかを検証する。
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Report
(2 results)
Research Products
(23 results)
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[Journal Article] Filamentous structures in the cell envelope are associated with bacteroidetes gliding machinery2023
Author(s)
Shibata Satoshi, Tahara Yuhei O., Katayama Eisaku, Kawamoto Akihiro, Kato Takayuki, Zhu Yongtao, Nakane Daisuke, Namba Keiichi, Miyata Makoto, McBride Mark J., Nakayama Koji
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Journal Title
Communications Biology
Volume: 6
Issue: 1
Pages: 94-94
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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