Project/Area Number |
21K07046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49060:Virology-related
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
岩堀 聡子 藤田医科大学, 医学部, 講師 (80416164)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ヒトサイトメガロウイルス / UL97キナーゼ / サイクリン依存性キナーゼ / リン酸化 / HSP40 / DNAJA1 / 単純ヘルペスウイルス1型 / キナーゼ基質 / 基質 / 活性制御 / NONO |
Outline of Research at the Start |
ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)感染は健常人では多くは不顕性となるが、宿主の免疫状態によって日和見感染症や、先天性HCMV感染症が問題となる。本申請では、HCMVのもつUL97キナーゼに着目する。UL97は多くの宿主およびウイルス因子をリン酸化し、多様な機序により感染戦略に貢献する。UL97遺伝子欠損はウイルス増殖を顕著に低下し、UL97の治療標的としての有用性を示す。そこで、UL97の機能および活性制御機構を、(i)相互作用因子、(ii)UL97の自己・他己リン酸化、(iii)様々な細胞種における感染時の機能と活性制御、の3つの点で解析を進め、包括的に理解する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)感染は多くの場合は不顕性であるが、宿主の免疫状態により日和見感染症を起こす。また、先天性HCMV感染症は最も頻度の高い先天性感染症である。HCMVのコードするUL97キナーゼは宿主のコードするサイクリン依存性キナーゼ(cyclin-dependent kinase, CDK)の機能ホモログであり、ウイルスCDKとも呼ぶ。UL97は、抗ウイルス薬ガンシクロビルをリン酸化して活性化することに加えて、2021年に米国でHCMV感染症治療のために承認されたマリバビル(日本では未承認)の標的であるなどHCMV感染制御において非常に重要な因子である。そこで本研究では、HCMV感染におけるUL97の機能と活性制御機構の包括的理解を目指している。 令和4年度までに、UL97の相互作用因子の一つDNAJA1(HSP40相同体の一種)をUL97の新規基質として同定し、リン酸化部位を明らかにした。さらにCRISPR/Cas9システムによりゲノム編集を行い、樹立したDNAJA1欠損細胞を用いて、DNAJA1はHCMV増殖の正の制御因子であることを示した。令和5年度は、野生型、非リン酸化型(アラニンへ置換)、恒常的リン酸化型(アスパラギン酸へ置換)のDNAJA1によって再構築した細胞を用いて、UL97によるDNAJA1のリン酸化はHCMVの増殖促進に寄与することを明らかにした。以上の結果は、HCMV感染におけるUL97の機能を明らかにするとともに、DNAJA1が抗HCMV戦略の標的となりうることを示唆している。DNAJA1を標的とした抗HCMV戦略として、DNAJA1の量的制御に加えて、リン酸化制御(リン酸化阻害)も有用であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度は、研究室移転のため、7月から1ヶ月半ほど研究が停滞した。予定よりは遅れているが、HCMV感染に伴うDNAJA1リン酸化の意義を解明した。
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Strategy for Future Research Activity |
UL97によるDNAJA1のリン酸化はHCMVの増殖促進に寄与することが明らかになった。今後はそのメカニズムを詳細にする必要がある。また、研究計画と並行して論文をまとめる予定である。
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