Project/Area Number |
21K07092
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鴫 成実 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (00396780)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | プロテアーゼ / がん / 発現制御 / 高次構造 |
Outline of Research at the Start |
細胞外プロテアーゼは細胞外マトリックス、細胞外シグナル分子、細胞膜タンパク質等を切断することにより、シグナル伝達等の生命現象に深く関わっている。故に細胞外プロテアーゼの異常は癌等の様々な疾患で報告されているが、発症の分子基盤は不明な点が多い。当研究室では消化管癌で細胞外セリンプロテアーゼの発現異常を見出した。そこで本研究では細胞外セリンプロテアーゼによる癌悪性化の分子機構の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、消化管がんにおいて発現異常が見られた細胞外セリンプロテアーゼKLKと、がん悪性化との関連性を調べている。昨年度までの解析から、KLKの発現制御領域内にDNAが高次構造をとると推測される部位があり、その構造が発現制御に関与することが示唆された。本年度はこのことについて、さらに解析をすすめた。 まず、消化管がん由来細胞株に、このDNA高次構造を安定化させる小分子を添加して培養し、KLKの発現量の変動をリアルタイムPCRで調べた。その結果、いくつかの細胞種において、数種類のKLKサブタイプの変動が見られた。KLKは15種類のサブタイプが存在し、それらの遺伝子はゲノム上でクラスターを形成している。がんの種類によって、数種類のKLKサブタイプが同調して変動することが報告されている。当研究室で行った消化管がん生検検体を用いた網羅的遺伝子発現解析の結果でも、数種類のKLKサブタイプの発現変動が明らかとなっており、今回の解析でこれらのサブタイプについて同様の変動がみられた。このことから、消化管がんにおいて発現量が変動するKLKサブタイプは、DNAの高次構造の安定性によって発現が変動することが示唆された。 次にDNA高次構造をとると示唆された配列を含むオリゴヌクレオチドと、このDNA高次構造と結合すると報告のあるタンパク質とをインキュベートし、未変性ポリアクリルアミドゲルで電気泳動したところ、タンパク質の量の増加にともないDNAのバンドが移動度の小さい位置へとシフトした。一方、同じ長さの別の配列(高次構造はとらないと予測される配列)では変化は見られなかった。この結果から、発現制御領域の一部においてDNAが予測される高次構造をとる可能性が高いと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
KLKの発現制御機構の解析にあたり、必要なタンパク質因子を大腸菌で発現させ精製する必要があったが、設備環境を整え、条件検討するのに予想以上の時間がかかったため、他の解析の進捗が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
KLKの発現制御機構について、昨年度に引き続き、DNA高次構造との関連性に注目し、さらに研究をすすめる。KLKがどのような分子機構でがん悪性化に関与するか、については、引き続きKLKと直接相互作用する分子の同定を試みるとともに、KLKを消化管がん由来細胞で強制発現させ、網羅的発現解析を行い、間接的に作用する分子の探索も行う。
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