mTORC1-dependent control of mRNA translation in liver cancer
Project/Area Number |
21K07102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
森田 斉弘 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 客員准教授 (50549475)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | mRNA翻訳 / mTORC1 / 代謝リプログラミング / 肝臓がん / mTORC1シグナル / ミトコンドリア |
Outline of Research at the Start |
がん細胞は代謝プログラムを変化させることにより、限られた栄養素を効率的に利用し、タンパク質や脂質・核酸といった細胞の構成成分を盛んに合成している。タンパク質合成はがん細胞において異常に活性化しており、エネルギーを最も消費している。研究代表者は、がん細胞において活性化しているmTORC1シグナル伝達経路が、mRNA翻訳を刺激することによりタンパク質合成および発がんを促進していることを明らかにしてきた。本研究課題では、肝臓がんにおいてmTORC1によるmRNA翻訳とミトコンドリア制御を介したエネルギーバランスの維持機構を明らかにすることにより、新たながんの治療法確立へ貢献することを目的としている。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、過剰な栄養によって引き起こされる肥満誘導性がんにおけるがん発症・進展の分子機構の一端を解明することを目的としている。これまでに申請者は、栄養素のセンサーであるmTORC1シグナル伝達経路が、タンパク質合成およびミトコンドリアの分裂・活性化を同時に促進し、がん細胞のエネルギーバランス維持に重要な役割を果たしていることを証明してきた。しかしながら、個体がんにおいてもこのようなmTORC1シグナル伝達経路によるエネルギー恒常性維持機構が働いているのかは不明であった。2022年度は、昨年度樹立した様々な遺伝子欠損マウスの解析を行った。がんモデルマウスを用いてポリソームプロファイリングを行い、抵抗性に関わるmRNA群を単離しRNA-seqによる解析を行った。データ解析に関しては、カロリンスカ研究所の共同研究グループにRNA-seqデータの解析を依頼した。結果、ERに取り込まれるようなタンパク質をコードするmRNA群の翻訳活性が、非がん部に比べてがん部で活性化していた。さらに、その他の共同研究者ともオンラインミーティング行い議論を進めており、学会等においても発表を行い議論を進めている。本研究課題の遂行は、これまでのモデルと全く異なるがん組織における「エネルギーバランス維持のための疾患オルガネラ相互作用の動的変化」という新たな概念を生み出し、肥満にともなうがんの発症機構の一端を明らかにできると考えている。さらに、2022年4月にはmRNA制御による新たな肥満制御機構に関する論文を、国際的にも評価されているCell Metabolism誌に、最終責任著者として発表することができた。以上のように本研究課題の進捗状況は、当初の計画以上に進展している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では、過剰な栄養によって引き起こされる肥満誘導性がんにおけるはがん発症・進展の分子機構を明らかにしたいと考えている。2022年度においては当初予定していたように、様々な遺伝子欠損マウスを集め、がんマウスモデルの解析を進めることができた。これらのがんからトランスレイトーム解析によって翻訳制御を受けているRNAを単離することができ、予定よりも早くRNA-seqを進めることができた。現在は、共同研究先であるLarsson博士とともにRNA-seqの解析について議論を進めている。次年度においては、これらのデータをもとに分子メカニズムの一端を明らかにできると考えている。さらに、以前の論文の結果をもとにmRNA分解酵素が肥満を制御する新たな分子機構を明らかにすることができた。これらの結果は2022年4月号のCell Metabolism誌というトップジャーナルに最終責任著者として発表することができた。このことは当初の期待以上の結果であり、予想以上に研究計画が進展していることを証明している。現在準備中の論文も2023年度中に発表できると考えられ、さらに研究計画を推し進めていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画は、予定していた以上に進んでおり、最終責任著者としてトップジャーナルに論文も発表することができている。今後は予定していたように、トランスレイトーム解析を推し進める予定である。さらに、免疫染色法や免疫ブロット法を遺伝子改変技術と組み合わせることにより、肥満誘導性がん発症の分子メカニズムを詳細に明らかにできると期待している。これらの結果の一部は既に論文として投稿されており、次年度中に発表できると考えている。さらに、共同研究者との議論を推し進め、抗がん剤への抵抗性を減弱させる薬剤の併用療法を探索し、mTORC1阻害薬の抗がん作用を増強する新たな療法の可能性を示せればと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)