前立腺癌関連遺伝子SPOPによるDNA複製ストレス解消の分子基盤
Project/Area Number |
21K07126
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
前川 大志 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 講師 (10771917)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | SPOP / DNA複製 / 脂質代謝 / タンパク質代謝 / 前立腺癌細胞 / 角化細胞 / DNA複製ストレス / ゲノム不安定性 / 前立腺癌 |
Outline of Research at the Start |
我々の細胞のDNA複製時においては、DNAの過剰複製やDNAの絡み合い等に起因する「DNA複製ストレス」が頻繁に発生している。このDNA複製ストレスを解除するシステムが破綻する事により、多様な癌で検出されている融合遺伝子などが発生し、ゲノム不安定性を引き起こし、発癌が加速する事が知られている。本研究では、研究代表者が独自に見出してきたDNA複製ストレス解除に必須なユビキチンリガーゼ複合体の足場タンパク質SPOPの機能をタンパク質代謝と脂質代謝の両側面から分子レベルで解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度においては、2022年度までに見出していた不死化ヒト角化細胞 (HaCaT cells)におけるSPOP依存的な脂質代謝変動の詳細な解析とそのDNA複製に対する影響を調べた。SPOP発現抑制HaCaT cellsでは特殊なリン脂質分子種が減少していることを2022年度に実施したノンターゲットリピドミクスで見出している。2023年度においては、当該リン脂質分子種の産生を担う責任酵素を発現抑制した結果、予想通りに当該リン脂質分子種の存在量が減少した一方で、Eduの新規DNAへの取り込み量に変化が見られず、p21などのチェックポイント因子の発現変動も全く見られなかった。以上より、当該リン脂質分子種はDNA複製には関与していないことが示唆された。 ノンターゲットリピドミクスで得られたデータを詳細に解析したところ、SPOP発現抑制細胞では中性脂質分子種が大きく減少していることを新たに見出した。この脂質変動はDNAライセンシング因子であるCdc6やCdt1の発現抑制下でも見られたため、G1期からS期への進行が止まった細胞の脂質シグナチュアであることが示唆された。 SPOPの標的が中性脂質の代謝酵素である可能性が考えられたため、SPOPと相互作用するタンパク質が共通して保有するデグロンを有する中性脂質の代謝酵素を探索したが、同定には至らなかった。一方で、興味深いことに、Cdc6を高発現する癌細胞株では中性脂質の量が激増していることを見出した。G1期からS期への進行において、中性脂質のダイナミックな代謝変動が生じている可能性がある。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)