Identification of genomic elements that promote hormone-responsive transient expression of oncogenes
Project/Area Number |
21K07148
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 真太郎 京都大学, 医学研究科, 助教 (20837869)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 性ホルモン / DNAトポイソメラーゼ / DNA二重鎖切断 / DNA修復 / 乳癌 |
Outline of Research at the Start |
性ホルモン受容体は、ホルモンに結合すると転写因子として様々な遺伝子の転写を制御する。性ホルモン刺激後の早期転写応答時に、標的遺伝子の転写制御配列で、ゲノム切断がしばしば発生する(既知)。応募者らは非相同末端結合がこの切断を再結合することを過去に見つけた。細胞が効率よく再結合できないと、性ホルモン刺激後の転写応答が大きく変わる(予備実験結果)。研究目的は3つである:(i) 非相同末端結合の前段階に関与する酵素の解明、(ii) この酵素が欠損した時の、転写応答の変化の解明、(iii) ゲノム切断部位をゲノム全体で決定。本研究は、ゲノム切断の修復と早期転写応答とのクロストークという新領域を開拓する。
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Outline of Annual Research Achievements |
性ホルモンの受容体は、転写因子として様々な遺伝子の転写を制御する。性ホルモン刺激後の転写応答時には、標的遺伝子の転写制御配列(プロモーターとエンハンサー)でゲノム切断がDNA topoisomerase II(TOP2)依存的にしばしば発生する。細胞がこのゲノム切断を効率よく再結合できないと、性ホルモン刺激後の転写応答が大きく変わる。本研究の目的は、ゲノム切断の修復と早期転写応答とのクロストークの分子メカニズムを明らかにすることである。得られた成果は、ATM、BRCA1、BRCA2などのDNA損傷修復遺伝子の変異の保因者が、乳癌や卵巣癌、前立腺癌を発症しやすいか、その問いに答える分子機構を解明する基盤となる。 昨年度は、遺伝子破壊やノックダウンを行い、性ホルモン刺激後の転写応答時に生じるゲノム切断の修復に必要な因子を探索した。その結果、難治性のゲノム切断が蓄積するATMやTDP2などの変異体が新たに得られた。研究実施計画にしたがい、本年度は、ゲノム切断修復酵素が欠損した時の、外的刺激への転写応答変化を全ゲノムで解析した。具体的には、男性ホルモンであるアンドロゲンに暴露した前立腺癌細胞(LNCaP、男性ホルモン受容体陽性)の早期転写応答を解析した。難治性のゲノム切断が蓄積する変異体(TDP2)では、野生型細胞と比べ、c-MYCなどの発癌遺伝子の早期転写応答が亢進することを見出した。このことから、TDP2と同様にゲノム切断の修復が異常になるATMやBRCA1/2の変異の保因者が前立腺癌を起こしやすい原因の一つが、アンドロゲン暴露時の発癌遺伝子の異常な転写応答である可能性が推察された。次年度は、外的刺激直後に起こるTOP2の触媒反応の触媒部位をゲノム全体で決定する。そして、早期転写応答に必要なエンハンサーがTOP2の触媒部位である仮説を、発癌遺伝子のエンハンサーに絞って検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前立腺癌細胞(LNCaP、男性ホルモン受容体陽性)をアンドロゲン暴露後、早期転写応答を解析した。具体的には、DNA topoisomerase II(TOP2)依存的なゲノム切断の修復に重要なTDP2を欠損させたLNCaP株をアンドロゲンに暴露し、NET-CAGE法で解析した。NET-CAGE法は、プロモーターやエンハンサーの活性を高感度で測定する手法である(Nature Genet 2019, PMID:31477927)。エンハンサーは、数百塩基の長さであり、各遺伝子に複数個存在する。活性化されたエンハンサーはプロモーターに近接してプロモーターからの転写を活性化する。活性化されたエンハンサーはエンハンサーRNA(eRNA)が発現する。NET-CAGE法は、合成中のRNA(native elongating transcript)のみdeep sequencingし、CAGE(Cap Analysis Gene Expression)法によりRNAの5’端の位置を同定する手法であり、プロモーターの活性とエンハンサーの活性を同時に解析できる。NET-CAGE法を用いることで、ゲノム切断修復酵素が欠損した時の、アンドロゲン暴露後の早期転写応答の変化を全ゲノムで解明できる。TDP2欠損株と野生型株におけるアンドロゲン刺激依存的なプロモーター活性を比較した結果、TDP2欠損株では、野生型株と比べ、c-MYCなどの発癌遺伝子の早期転写応答が亢進することを見出した。このことから、アンドロゲン依存的な難治性のゲノム切断の修復により、アンドロゲン暴露時に起こる発癌遺伝子の過剰発現が抑制されると考えられた。TDP2と同様にゲノム切断の修復に重要なATMやBRCA1/2の変異の保因者が前立腺癌を起こしやすい原因の一つが、アンドロゲン暴露時の発癌遺伝子の異常な転写応答である可能性が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は、アンドロゲンで暴露したLNCaPを用いて行ったNET-CAGEの解析を行っている。目的は、アンドロゲンに応答する発癌遺伝子のエンハンサーを同定である。まずNET-CAGE法により決定したエンハンサー(eRNA)とプロモーター(mRNA)の位置や発現パターンから、アンドロゲン暴露直後の発癌遺伝子の発現誘導に必要なエンハンサーの候補をリスト化する。次に、アンドロゲン依存的にeRNAが検出された発癌遺伝子のエンハンサー候補をCRISPRi法で抑制し、発癌遺伝子の発現を定量することで、エンハンサー活性を確かめる。 またアンドロゲン依存的にeRNAが検出されたエンハンサーにおいて、ゲノム切断がアンドロゲン暴露直後に発生するか否かを決定する計画である。決定は、γH2AX抗原に対するクロマチン免疫沈降法や、End-Seq法(Cell. 2017, PMID: 28735753)による。ゲノム切断の原因がTOP2であるか否かは、TOP2もノックダウンすると、ゲノム切断が発生しなくなるか否かを調べることにより確認する。早期転写応答に必要なエンハンサーがTOP2の触媒部位であると予測する。この予測が正しいことを、発癌遺伝子のエンハンサーに絞り検証する。以上により、ホルモン刺激直後に発癌関連遺伝子の早期転写応答を制御するエンハンサーをゲノム全体で決定し、ゲノム切断の修復と発癌関連遺伝子の早期転写応答とのクロストークの分子メカニズムを明らかにする。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)
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[Journal Article] ATM suppresses c-Myc overexpression in the mammary epithelium in response to estrogen2023
Author(s)
Najnin Rifat Ara、Al Mahmud Md Rasel、Rahman Md Maminur、Takeda Shunichi、Sasanuma Hiroyuki、Tanaka Hisashi、Murakawa Yasuhiro、Shimizu Naoto、Akter Salma、Takagi Masatoshi、Sunada Takuro、Akamatsu Shusuke、He Gang、Itou Junji、Toi Masakazu、Miyaji Mary、Tsutsui Kimiko M.、Keeney Scott、Yamada Shintaro
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Journal Title
Cell Reports
Volume: 42
Issue: 1
Pages: 111909-111909
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] ATM suppresses c-Myc overexpression in the mammary epithelium in response to estrogen2023
Author(s)
Rifat Ara Najnin, Md Rasel Al Mahmud, Md Maminur Rahman, Shunichi Takeda, Hiroyuki Sasanuma, Hisashi Tanaka, Yasuhiro Murakawa, Naoto Shimizu, Salma Akter, Masatoshi Takagi, Takuro Sunada, Shusuke Akamatsu, Gang He, Junji Itou, Masakazu Toi, Mary Miyaji, Kimiko M. Tsutsui, Scott Keeney, and Shintaro Yamada
Organizer
The 19th Ataxia-Telangiectasia workshop
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Int'l Joint Research
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[Presentation] ATM suppresses c-Myc overexpression in the mammary epithelium in response to estrogen2022
Author(s)
Rifat Ara Najnin, Md Rasel Al Mahmud, Md Maminur Rahman, Shunichi Takeda, Hiroyuki Sasanuma, Hisashi Tanaka, Yasuhiro Murakawa, Naoto Shimizu, Salma Akter, Masatoshi Takagi, Takuro Sunada, Shusuke Akamatsu, Gang He, Junji Itou, Masakazu Toi, Mary Miyaji, Kimiko M. Tsutsui, Scott Keeney, Shintaro Yamada
Organizer
第 40 回染色体ワークショップ 第 21 回核ダイナミクス研究会
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