Project/Area Number |
21K07175
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50020:Tumor diagnostics and therapeutics-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻村 直人 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (10804198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 理志 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教 (00423153)
山本 浩文 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30322184)
横山 雄起 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60615714)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | CpG / 肝細胞癌 / DDS |
Outline of Research at the Start |
肝細胞癌は癌関連死亡率が高い。私達は、5-FU /IFNα の併用療法が高度進行肝細胞癌の予後を改善することを報告してきた。しかし、IFNαの全身投与には様々な副作用があるため投与量に限界があった。一方、近年、生体免疫の賦活化を誘導する核酸医薬CpG核酸が注目されているが、通常臨床で使用されるCpG核酸は樹状細胞からのIFNαの分泌を誘導しないが、スーパーアパタイト(sCA)粒子にCpG核酸を内包化することでIFNαが誘導されることが分かってきた。本研究ではsCAによって新たに賦与されたCpG核酸の抗腫瘍効果を利用して、肝細胞癌に対する治療戦略を確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
肝細胞癌は癌関連死亡率が高く最新治療の創出が求められている。私達がこれまで開発してきた生体作動性のDDSであるスーパーアパタイトナノ粒子(sCA)にCpG核酸を内包化すると、腫瘍にピンポイントにCpGを送達できるため安全性が大幅に向上する。更に通常臨床で使用されるCpG核酸は、B細胞を活性化しIL6を産生して樹状細胞からのIFNαの分泌を誘導しないが、CpGをsCAに内包するとIFNα誘導能が増強されることが分かってきた。本研究ではスーパーアパタイトによって新たに賦与されたCpG核酸の優れた抗腫瘍効果を利用して、肝細胞癌に対する効果的な治療戦略を確立する。2022年度はこのメカニズムを調べるために、in vitroでCpGをsCAに内包させ各種のサイトカイン産生を網羅的に調べようとした。通常sCAはvivo用に作成するのであるが、これをそのままvitroに使うと毒性が出て評価が困難となったため、in vitro用として最適化が必要となった。先に粒子を作ってこれをバッファーに溶解させる方法や、バッファーの中で粒子を合成する方法、更に原材料の比率やpHを変えて毒性を減らす工夫などの実験を繰り返し、CpG 30nM 以下の濃度であれば安定して実験ができる条件を見出した。他方、これまでsCA-CpGの新たな生理活性としてのIFNα産生に着目し肝細胞癌を中心に検討を進めてきたが、実用化という観点から、他の癌での抗腫瘍効果の程度を知ることは重要である。In vitro解析と並行してvivoで大腸癌HCT116と脳腫瘍(膠芽腫)T5-19をヌードマウスに植え、sCA-CpGによる治療実験を行った。その結果、大腸腫瘍には極めてよく効いたが、脳腫瘍への効果はみられなかったことから、CpGの抗腫瘍効果には腫瘍特異性があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度はin vitroでsCA-CpGの作製方法を何度も検討し、CpGを30nM以下であれば細胞毒性がでない作製方法を確立した。このステップに思いの外時間を要した。しかし、サイトカインアレイも購入済で2023年度には速やかにメカニズム解析に取り組む準備ができている。また動物実験で大腸癌に対しても抗腫瘍効果をもたらすと分かり、メカニズムの解明に複数の細胞種があることは有益であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫細胞のないin vitro条件で肝細胞癌の増殖抑制を認めたので、sCA-CpGの直接作用が存在することが示唆されることから、そのメカニズムを検討する。具体的にはin vitroでsCA-CpGを肝臓癌細胞株HuH7、大腸癌細胞株HCT116に曝露してサイトカインアレイでどのようなサイトカインが上昇するかを検討する。In vivoでは免疫細胞の関与が加わり、樹状細胞に加えてどのような免疫細胞にsCA-CpGが取り込まれるかを、Alexa647をconjugateした標識したCpGを使って検索する。sCA-CpG 投与によってマウス腫瘍の局所でサイトカインアレイで上昇した分子発現をqRT-PCRで確認する。腫瘍組織中の各種免疫細胞(T細胞、B細胞、好中球、樹状細胞、NK細胞、マクロファージ)をそれぞれの特異抗体で検出し、CpG核酸の分布状況を調べ、抗腫瘍効果の妥当性を検証する。
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