Development of a new macrolide derivative targeting mTORC
Project/Area Number |
21K07182
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50020:Tumor diagnostics and therapeutics-related
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
西谷 直之 岩手医科大学, 薬学部, 教授 (10286867)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | Wnt / 阻害剤 / mTOR / ゼブラフィッシュ |
Outline of Research at the Start |
がん細胞の特定の分子を狙い撃ちする分子標的治療薬の登場で、がん治療は画期的な進歩を果たした。しかし、その多くはキナーゼと呼ばれる同族のタンパク質に作用する薬剤であり、薬剤の作用点は限られている。さらなる分子標的治療の発展のためには、キナーゼ阻害薬に並ぶ新たな薬剤やその作用点の同定が重要な課題である。本研究では、がん化に関連する細胞内情報伝達を阻害する天然由来の化合物を医薬品の原型に育て上げることを目的とする。この化合物は、キナーゼとは異なる情報伝達分子に結合するため、新規の分子標的治療薬の開発につながると期待している。
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Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、マクロライド系薬剤であるイベルメクチンによるWnt/beta-cateninシグナル経路への阻害作用が、mTOR複合体の構成因子であるTELO2への結合を介することを見出した。これは、新たな機序で作用するがん治療戦略として魅力的であるが、同薬剤の過量投与はGABA様の中枢抑制作用等の副作用を起こす。本研究では、「イベルメクチンの誘導体化によって、Wnt/beta-catenin経路阻害作用の増強と中枢抑制作用の軽減を両立できる。」という仮説をたて、TELO2を介したWnt/beta-catenin経路阻害薬のリード化合物の創成を目的とする。 昨年度の構造活性相関研究の結果、高活性かつ低毒性のイベルメクチン誘導体の合成が可能であるという結論に至った。2022年度は、イベルメクチンの副作用の1つであるGABA様の中枢抑制作用を完全に排除するための誘導体化を進めた。GABA様作用に関連するベンゾフラン環構造を改変した誘導体にも、Wnt/beta-catenin経路阻害活性が残存することを昨年度までに明らかにしていた。今年度は改変をさらに進め、ベンゾフラン環構造を完全に失った類縁体についても活性を評価した。Wnt/beta-catenin経路を人為的に増強したゼブラフィッシュ胚の眼形成不全の表現型を正常に回復するか評価したところ、これらの部分構造のみを有する類縁体にも同経路に対する阻害活性が維持されることを明らかにした。また、哺乳類細胞を用いたレポーターアッセイでも、Wnt3aによって引き起こされるbeta-catenin/TCF依存的転写活性化をこれらの部分構造類縁体が阻害できた。その一方で、活性強度については元化合物のイベルメクチンより劣るため、昨年度に明らかにした活性増強官能基の導入などによる誘導体化が必要と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イベルメクチンの中枢抑制作用に関わる構造を完全に失った部分構造にもWnt/beta-catenin経路阻害活性が維持されることを見出した。本研究の目的である「イベルメクチンの誘導体化によって、Wnt/beta-catenin経路阻害作用の増強と中枢抑制作用の軽減を両立できる。」という仮説の検証の上で非常に大きな進展であった。部分構造類縁体はイベルメクチンの3分の2程度の分子量に縮小されたため、合成が容易になり、誘導体の多様化が期待できる。また、次年度の動物実験用の大量合成にも有利である。低毒性誘導体の作用増強は進行中であるため、KDの算出は保留している。一方で、2023年度に行う予定の動物実験の準備は前倒しして行っている。おおむね順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
Wnt経路が過剰活性化したApcMin/+マウスにデキストラン硫酸ナトリウムを飲水投与し、大腸腫瘍モデルを作成し、部分構造類縁体のin vivo効果を評価する。また、部分構造類縁体のGABA様中枢抑制作用の消失についても、単回大量投与とGABA阻害薬誘発性の痙攣を抑制する効果が減弱するかイベルメクチンと比較する。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)