慢性胃粘膜感染したピロリ菌が分泌する外膜小胞による神経炎症の制御機構
Project/Area Number |
21K07287
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 51030:Pathophysiologic neuroscience-related
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
朴 雅美 近畿大学, 医学部, 講師 (70469245)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | オートファジー / アルツハイマー型認知症 / ピロリ菌 / 外膜小胞 / ミクログリア / H. pylori / 慢性感染 / 多発性硬化症 |
Outline of Research at the Start |
胃に持続感染するピロリ菌は消化管に関連する疾患だけでなく、全身性疾患の発症にも関与していることが分かってきた。中枢神経系疾患に関しては、多発性硬化症では感染率は低く、アルツハイマー型認知症で高い。つまり、HP感染が多発性硬化症には抑制的に、アルツハイマー型認知症には促進的に作用することを示唆している。本研究は「HPの慢性胃粘膜感染がどのようなメカニズムで神経炎症に作用し、二つの代表的なCNS炎症疾患に相反する影響を与えるのか」を明らかにすることを目的としている。
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Outline of Annual Research Achievements |
アルツハイマーモデル(AD)マウスと野生型(WT)マウスにヘリコバクター・ピロリ菌(HP)を長期間(10ヶ月)感染させたのち、脳を回収した。脳からRNAを抽出し、トランスクリプトーム解析を実施した(外部注文)。得られたデータを解析した結果、いくつかのことが明らかとなった。まず、WTとADマウスでの比較ではこれまで既知である炎症性細胞のマーカータンパク質やプリオンの増加がみられ、再現性の確認ができた。WT+HP群ではストレスタンパク質であるHSPなどが増加する事がわかった。AD+HP群ではオートファジーに関連する遺伝子が多数増加していた。これらの結果は胃にHPが感染することが脳での遺伝子発現に影響を与えていることを示唆した。 次に脳のアミロイドβの蓄積を組織免疫染色法によってAD±HPで比較した結果、意外なことにHP感染群で低下していた。この結果は脳のトランスクリプトーム解析でAD+HP群でオートファジーが増加したこととは相関がある。しかしながら、このマウスで得られた結果は人での疫学調査結果とは相違するものであった。今回のマウスHP感染実験で用いたシドニー株が何らかのオートファジーインデューサーとなる分子を分泌しているならば、むしろ治療への応用に使える可能性がある。そこで、HPが産生する外膜小胞(OMV)がオートファジーに与える影響を種々の培養細胞で調べた。マウス神経芽腫細胞(Neuro2A)、ミクログリア(MG6)はHP-OMVでオートファジーが増加した。アストロサイトのLC3IIは正常状態でも非常に多かったがOMV添加による変化はなかった。このことから、HP-OMVは神経細胞やミクログリアにオートファジーを誘導する作用があることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度はトランスクリプトーム解析結果から得られた「HP感染ADマウスでオートファジーが増加する」という知見を更に詳細に解析することを中心にした。HP感染、非感染マウスから調整した脳組織切片を用いたオートファジー関連タンパク質の変動解析とin vitro実験を行った。in vitroでは明瞭な結果が得られたが、組織免疫染色では抗体がうまくワークしない場合があり、改良の余地が多くある状況である。今後は異なるマーカーを入手し、実施する計画である。また、本研究に関する論文執筆とリバイスによる追加実験に比較的多くの時間を費やしたこともあり、予定よりは若干進捗が遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでにHP感染マウスで得られた脳病態の変化は感染後一定期間を経て除菌をするとどうなるのか、を明らかにするため、HP感染3ヶ月後にプロトンポンプ阻害剤、クラリスロマイシン、メトロニダゾールを投与することで除菌をする。更に3ヶ月の飼育後に脳を回収し、脳内アミロイドβレベルやミクログリアの活性化やオートファジーレベルを調べる。 また、アルツハイマーモデルマウスの1つであるタウタンパク質トランスジェニックマウスを学内研究者から入手できることになったので、このマウスを用いた感染実験を実施する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Role of phlebotomy in the treatment of liver damage related to erythropoietic porphyria.2022
Author(s)
Hagiwara S, Nishida N, Ida H, Ueshima K, Minami Y, Takita M, Aoki T, Morita M, Chishina H, Komeda Y, Yoshida A, Park AM, Sato M, Kawada A, Nakano H, Nakagawa H, Kudo M.
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Journal Title
Scientific reports
Volume: 12(1)
Issue: 1
Pages: 6100-6100
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Clinicopathological analysis of hepatic immune-related adverse events in comparison with autoimmune hepatitis and graft-versus host disease2021
Author(s)
Satoru Hagiwara, Tomohiro Watanabe, Masatoshi Kudo, Kosuke Minaga, Yoriaki Komeda, Ken Kamata, Masatomo Kimura, Hidetoshi Hayashi, Kazuhiko Nakagawa, Kazuomi Ueshima, Yasunori Minami, Tomoko Aoki, Masahiro Takita, Masahiro Morita, Hirokazu Cishina, Hiroshi Ida, Ah-Mee Park, Naoshi Nishida
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 11
Issue: 1
Pages: 9242-9242
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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