疾患進行を示す膠原病関連間質性肺疾患の画像解析:胸部CTの新たな診断基準の策定
Project/Area Number |
21K07333
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52010:General internal medicine-related
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
川口 貴子 産業医科大学, 医学部, 助教 (00893744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 良哉 産業医科大学, 医学部, 教授 (30248562)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 関節リウマチに伴う間質性肺疾患 / 膠原病に伴う間質性肺疾患 / 画像解析 / 膠原病関連間質性肺炎 / 間質性肺炎 |
Outline of Research at the Start |
膠原病関連間質性肺疾患(CTD-ILD)に疾患進行を示すフェノタイプ(進行性CTD-ILD)という新たな概念が登場し注目されているが、臨床的特徴など不明な点が多い。 進行性CTD-ILDの診断基準は「胸部CTにおける線維性変化の増悪」と抽象的であり、臨床現場における混乱を招いている。 間質性肺疾患の疾患進行の予測には、画像診断支援ソフトウェアを用いた胸部CTの定量的評価の有用性が報告されている。 本研究では、進行性CTD-ILD患者の臨床的特徴などを解明するとともに、抽象的な胸部CTの評価項目を画像診断支援ソフトウェアを用いて定量化することで、新たな進行性CTD-ILDの診断基準の策定につなげる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「疾患進行を示す膠原病に伴う間質性肺疾患の画像解析」が目的である。2022年度ならびに2023年度もつづけて、膠原病の中でも最も罹患率の多い関節リウマチに伴う間質性肺疾患に対して研究を進めた。 関節リウマチは膠原病の中でも呼吸器疾患の合併頻度が高く、関節リウマチに伴う間質性肺疾患(rheumatoid arthritis-associated interstitial lung disease : RA-ILD)は進行すると、日常生活動作の低下を来し、患者の生命予後を左右する重要な合併症の一つである。このRA-ILDの治療は従来ステロイドや免疫抑制剤などの抗炎症療法が主体であったが、2020年5月より呼吸器症状や画像所見の悪化、肺機能の低下を呈する疾患進行を示すフェノタイプ(進行性 RA-ILD)に対して抗線維化薬の使用が可能となった。しかし、進行性RA-ILD患者の臨床的特徴や進行リスク因子は明らかになっていない。また、進行性RA-ILD患者の画像診断基準は「胸部CTにおける線維性変化の増加」と抽象的であり、具体的な評価基準がないことが臨床現場で問題となっている。近年画像診断支援ソフトウェアによる胸部CTの定量的評価が肺機能と相関するという報告があり、RA-ILDの進行の評価として、画像診断支援ソフトウェアの有用性が注目されている。したがって本研究の目的は、肺機能低下を呈する進行性RA-ILD患者の臨床的特徴を解明し、画像診断支援ソフトウェアを用いて進行性RA-ILD患者に特徴的な画像所見の定量化を行い、具体的な画像診断基準を提案することである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで行っていた関節リウマチに伴う間質性肺疾患(rheumatoid arthritis-associated interstitial lung disease : RA-ILD)患者に対する後方視的研究で、高齢、男性、疾患活動性の悪化、線維化スコアの増加が肺機能低下に関連する因子であることが示唆された。そのため、2022年度ならびに2023年度は、2017年から2019年の3年間に当院でRA-ILDと診断され、肺機能検査や画像検査が利用可能な92人を対象とし、進行性のRA-ILD患者に特徴的な画像所見の抽出を行うこととした。画像評価として、胸部HRCTにおける視覚的な評価(fibrosis score)と画像診断支援ソフトウェア「SYNAPSE VINSENT」を用いた肺容積解析(標準化%TLV)ならびに線維化所見の定量評価の方法を用いて行った。 2023年度に行った解析の結果として、画像診断支援ソフトウェアにおける「標準化%TLV」は、%FVCと正の相関を、「視覚的評価における網状影及びすりガラス影」及び「肺野濃度:-750~-500HU領域」と負の相関を示した。以上から、RA-ILD患者での肺容積解析は肺機能検査の代用が可能であることや「肺野濃度:-750~-500HU領域」はRA-ILD患者における肺容積減少に関連することが示唆され、前年度と比較してより特徴的な画像所見結果を示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は特に線維化所見の定量化について、進行性の関節リウマチに伴う間質性肺疾患患者で認めた「肺野濃度:-750~-500HU領域」をさらに細分化し、「胸部CTの線維性変化の増加」の具体的な評価基準となるように、画像解析を中心に検討を進める。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)