Project/Area Number |
21K07377
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52010:General internal medicine-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山口 慎太郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (50464855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 康一郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (10383762)
木内 謙一郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (50528578)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | NAMPT / NAD(+)合成系 / 血管内皮細胞 / NAD(+)中間代謝産物 / 老化 / NMN / インスリン抵抗性 / 肥満 / 血管内皮細胞NAD(+)合成系 / 脂肪組織 / 2型糖尿病 |
Outline of Research at the Start |
本研究では血管内皮NAMPT-NAD(+)合成系の肥満2型糖尿病発症における役割の検討を目的とする。具体的には、①血管内皮特異的Nampt欠損マウスを用いた、血管内皮NAMPT-NAD(+)合成系のエネルギー代謝障害・インスリン抵抗性発症における役割、③血管内皮NAD(+)量の回復が肥満2型糖尿病発症を予防するか、について主に検討する。本研究により、肥満2型糖尿病発症における血管内皮NAMPT-NAD(+)合成系の役割が明らかとなり、血管内皮NAMPT-NAD(+)合成系を標的とした肥満2型糖尿病の新規予防法開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では血管内皮細胞NAMPT-NAD(+)合成系の肥満2型糖尿病発症における役割を検討することを目的とする。
具体的には、血管内皮細胞特異的Namptノックアウト (Vascular endothelial cell-specific Nampt knockout: VeNKO)マウスを用いた、①血管内皮細胞NAMPT-NAD(+)合成系のエネルギー代謝障害・インスリン抵抗性発症における役割、②NAD(+)中間代謝産物NMN (nicotinamide mononucleotide)を用いた血管内皮細胞NAD(+)量の回復が肥満2型糖尿病発症を予防するか、以上2点を中心に検証する方針で研究を開始した。こうした検証により、肥満2型糖尿病発症における血管内皮細胞NAMPT-NAD(+)合成系の役割が明らかとなり、血管内皮細胞NAMPT-NAD(+)合成系を標的とした肥満2型糖尿病の新規予防法開発につながると考えた。
2023年度は、高脂肪食投与下のVeNKOマウスの表現型の詳細な検証を進めると同時に、表現型の背景メカニズム、臨床的な意義の検討を行った。VeNKOマウスでは、血管内皮細胞内の構成型NOS(eNOS)が障害されることで、血管新生能が低下し、血管密度が疎になり、インスリン抵抗性が惹起されることを見出した。同様に、高血圧および高血圧性心肥大を呈することも明らかになった。VeNKOマウスへのNMN経口投与は、血管内皮NAD(+)量を増加させ、血管新生能が回復することで、種々の表現型が改善することが示された。血管内皮細胞NAMPT-NAD(+)合成系障害に伴う表現型は、老化による代謝ならびに心血管系イベント発症の一因であることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Nampt-floxed マウスと、血管内皮細胞で Creを発現する VeCadherin-Creマウスを用いて、血管内皮細胞特異的Namptノックアウト (Vascular endothelial cell-specific Nampt knockout: VeNKO)マウスを作成し、VeNKOマウスでは代謝ストレス下において、代謝制御障害、バイタル異常を呈することを見出し、そのメカニズムを in vitroシステムを用いて解明した。さらに、VeNKOマウスでの表現型が、どのような臨床的意義があるのかの検証をすすめ、研究は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度終了時までに血管内皮細胞特異的Namptノックアウト (Vascular endothelial cell-specific Nampt knockout: VeNKO)マウスの作成に成功した。さらに、VeNKOマウスを用いて、血管内皮細胞でのNAD+の枯渇が、全身の糖代謝障害やインスリン抵抗性発症を制御するかの検討を行った。VeNKOマウスは通常食投与下ではインスリン抵抗性を呈さないことを見出した。 2022年度は、高脂肪食といった代謝ストレス下において、VeNKOマウスでは、fat depot-specificに血管密度が異なり、それに伴い脂肪分布がコントロール群と異なることを見出した。さらに、高血圧および高血圧性心肥大を呈することも明らかになった。VeNKOマウスのNMN経口投与は、血管内皮NAD量の上昇を介して、血管密度を回復し、種々の表現型を改善することが示された。 2023年度は、血管密度低下および血圧上昇の機序を in vivoおよび in vitroシステムを用いて解明した。また、VeNKOマウスで認める表現型のclinical relevanceとして、老化に伴う代謝および心血管系障害を見出した。 上記の結果をもとに、2024年度は老化表現型が血管内皮NAD(+)量の回復で改善するかの検証を行う。
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