Project/Area Number |
21K07606
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三島 眞代 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 訪問研究員 (40897683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三島 一彦 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (00282640)
深田 淳一 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (50338159)
小池 直義 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (60464913)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | グリオーマ / 5-アミノレブリン酸 / 放射線 / 悪性グリオーマ / 放射線増感作用 |
Outline of Research at the Start |
悪性脳腫瘍の中でも膠芽腫は最も治療困難かつ予後不良な悪性腫瘍で放射線治療が腫瘍の長期制御において重要な役割を担う。しかし高い放射線抵抗性により未だ治療成績は不十分であり放射線抵抗性の解除を目指す新規治療が望まれる。光感受性物質である5-アミノレブリン酸は膠芽腫摘出術時に用いる診断用既存薬であり腫瘍特異的に高い集積能を有する。申請者らはヒト膠芽腫細胞株の放射線感受性解析において5-ALAが放射線増感効果を有することを見出した。本研究は既存薬再開発として脳腫瘍細胞における5-ALAの放射線増感剤としての薬効を証明しその増感機序及び腫瘍増殖抑制機序を解明することにより新規治療法の開発を目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
悪性脳腫瘍の中でも、膠芽腫などの悪性神経膠腫は最も治療が難しく、予後も悪い。その理由の一つは、悪性神経膠腫細胞が放射線照射に抵抗性を示すことであり、予後を改善するためには放射線抵抗性を克服することが不可欠である。悪性神経膠腫の切除に臨床的に使用される光感受性物質である5-アミノレブリン酸(5-ALA)は、その安全性、中枢移行性、腫瘍集積性に関してすでに確立されている。
本研究では、悪性グリオーマ細胞の放射線増感作用、腫瘍増殖抑制を目指した新たな治療法の開発を目的とし、5-ALAが放射線増感剤となる可能性を検討した。その結果、ヒト悪性神経膠腫細胞株において、ALAと放射線照射の併用により細胞死が誘導され、オートファジーが関与していることを示唆された。前年度まではオートファジーに重要なシグナル分子であるLC3-I, LC3-IIの活性化状態をオートファジー阻害薬であるクロロキンを添加しWestern Blot法で検討した。結果、5-ALA単独、照射単独と比較すると5-ALAと照射併用では96時間、120時間後ではLC3-IIの発現がLC3-Iに比較し増加した。またコロニー形成能を検討したところ、クロロキンを添加することで5-ALAの放射線増感効果がクロロキン無添加より高いことが確認された。以上の結果より、ヒト悪性グリオーマ細胞において5-ALA併用照射後に誘導される細胞死の一部はオートファジーの経路が関与する可能性が示唆された。
現在、BALB/c nu/nu雌マウスの大腿部皮下にヒト悪性グリオーマ株の細胞を移植する腫瘍モデルを作成し、無治療群、放射線治療単独群、5-ALA投与単独群、5-ALA併用放射線治療群の4群間で腫瘍増大速度を計測しており、形成された皮下腫瘍組織を用いてオートファジーの関与を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症拡大の影響により動物実験施設への入室制限などがあり、実験の遅れが引き続き今年度も影響している。グリオーマ腫瘍モデルマウスの作成の遅れも生じ、動物実験のために購入予定だった試薬等の納品も遅れている。そのため腫瘍の免疫組織化学的に細胞増殖能、血管新生能、更に5-ALAと放射線照射による細胞死がアポトーシス、オートファジーが関与しているかの検討、5-ALAの放射線増感作用のメカニズムをマイクロアレイ法により解析することが遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
6週齢のBALB/c nu/nu雌マウスの大腿部皮下にヒト悪性グリオーマ細胞株を移植し、腫瘍のホルマリン固定パラフィン包埋切片の作成、免疫組織化学的に細胞増殖能、血管新生能の検討を行う。タンパク抽出から5-ALAと放射線照射による細胞死がアポトーシス、オートファジーが関与しているかをWestern blot法により検討を行う。更に5-ALAの放射線増感作用のメカニズムをマイクロアレイ法により解析する予定である。
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