血友病Aインヒビター産生応答を制御する脾臓免疫ニッチの同定
Project/Area Number |
21K07825
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
小田 朗永 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (80547703)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野上 恵嗣 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50326328)
北畠 正大 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (60457588)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 血友病A / 補充療法 / 高力価インヒビター / 脾臓微小環境 / ヒト化血友病マウス / 抗FVIII免疫応答 / 脾臓 / インヒビター / プラズマ細胞 / ニッチ / 間葉系幹細胞 |
Outline of Research at the Start |
血友病A(HA)に対する第8因子(FVIII)補充療法はHA患者の出血を予防する主要な治療手段である。一方で補充療法を施した約30%の重症HA患者で、治療効果を障害する抗FVIII中和抗体産生(インヒビター)が誘導される。近年、バイパス薬剤やバイスペシフィック抗体等、新規治療法の開発は著しく進展しているが、それらの凝固活性はFVIII補充療法に及ばない。そのためインヒビター産生機序は現在においても解明すべき主要テーマである。本申請研究はレポrーターマウスを用いて、インヒビター産生応答を制御する脾臓免疫ニッチを同定し、インヒビター免疫応答プロセスに関与する標的分子を見出す事を目的としている。
|
Outline of Annual Research Achievements |
血友病A(HA)は、内因性第VIII因子の欠損によって引き起こされる遺伝性出血性疾患である。FVIIIによる治療を受けている重症のHA患者の約30%がFVIIIに対する中和抗体を獲得し、治療が無効となる。高力価のインヒビターを持つHA患者の管理は、特に困難であるため、高力価インヒビター発現のメカニズムおよびFVIII特異的形質細胞(FVIII-PC)の動態を理解することは極めて重要である。FVIII-KOマウスにrFVIII製剤とリポポリサッカライド(LPS)を組み合わせて静脈注射したところ、脾臓でFVIII-PCの増加が確認された。脾臓摘出マウスまたは先天性無脾臓FVIII-KOマウスにLPS+rFVIIIを投与すると、血清中のインヒビター濃度は約80%低下した。さらに、LPS+rFVIIIで処理したインヒビター陽性FVIII-KOマウスの脾臓細胞または骨髄(BM)細胞を免疫不全マウスに移植すると、脾臓細胞投与マウスの血清にのみ抗FVIII IgG抗体が検出された。一方、BM細胞の投与では検出されなかった。さらにインヒビター陽性FVIII-KOマウスの脾臓細胞を脾臓摘出免疫不全マウスに移植したところ、血清中のインヒビター濃度は有意に低下した。従って我々は、高力価インヒビター産生を担うFVIIIプラズマ細胞(FVIII-PCs)は優先的に脾臓へリクルートされている事、そしてそこで増加するFVIII-PCsが高力化インヒビターとなる事を明らかにした。このFVIII-PCsの脾臓への誘因は、FVIII-PCsを支持する脾臓の特殊な微小環境(ニッチ)が存在しているために生じているという仮説を立て、現在更なる検証を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該申請研究に係る知見を期間内に論文として発表できたため
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、インヒビター産生機構に関わる分子基盤を脾臓微小環境(ニッチ)の側面から解明する事を試みる。具体的には、①脾臓原基形成マスター制御因子であり、脾臓間葉系幹細胞マーカーであるTlx1発現細胞を追跡可能な新規レポーターマウス; Tlx1CreERT2-Venusマウスを用いて、脾臓ニッチとインヒビター産生への影響を明らかにする。 さらに免疫不全/血友病A(NOG HA)マウスへヒト末梢血や臍帯血細胞を移入する事により、ヒト免疫系を有するヒト化血友病マウスを作製し、中和活性を有するヒト抗FVIII IgG抗体産生誘導を試みる。 一方、免疫不全/血友病A(NOG HA)マウスへヒト臍帯血細胞移入する事により、ヒト免疫系を有するヒト化血友病(Hu-HA)マウスを作製した。このHu-HAマウスは、NOG由来のHuマウスとヒト造血幹細胞の生着率及び骨髄、脾臓、末梢血の免疫細胞分化能(CD8+T細胞、CD4+T細胞、CD19+B細胞、CD33+マクロファージ、CD56+NK細胞)が同等であった。今後、ヒト免疫細胞による特異的免疫応答を生体内で再現するために解析を行なっている。
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)
-
[Journal Article] The spleen is the major site for the development and expansion of inhibitor producing-cells in hemophilia A mice upon FVIII infusion developing high-titer inhibitor2023
Author(s)
Akihisa Oda, Shoko Furukawa, Masahiro Kitabatake, Noriko Ouji-Sageshima, Shota Sonobe, Kaoru Horiuchi, Yuto Nakajima, Kenichi Ogiwara, Ryo Goitsuka, Midori Shima, Toshihiro Ito, Keiji Nogami
-
Journal Title
Thrombosis research
Volume: 3848
Pages: 00077-4
DOI
Related Report
Peer Reviewed
-
-
-
-