Project/Area Number |
21K07854
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
戸川 貴夫 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (10792814)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 遺伝性肝内胆汁うっ滞症 / 全ゲノム解析 / 全エクソン解析 / 染色体構造異常 / 全エクソーム解析 / トランスクリプトーム解析 |
Outline of Research at the Start |
我々は2013年から胆汁うっ滞患者約700例に61遺伝子のエクソン領域について網羅的解析を行い,33%で分子遺伝学的診断を確定した.一方で,新生児乳児の未診断例において20%の患者は病原性バリアントを片アレルにだけもつ事を見出した.これは遺伝性胆汁うっ滞疾患に,遺伝子のエクソン領域の異常では説明できない病態がある事を示唆する.本研究は全ゲノム解析により,エンハンサー,プロモーターなどの発現調節領域,深いイントロンの異常,染色体構造異常に遺伝性胆汁うっ滞の新しい分子遺伝学的病態を求める.新たな責任遺伝子,病態の発見により遺伝性胆汁うっ滞の診断率向上と,将来の創薬開発へ研究の展開を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
我々は2013年から胆汁うっ滞患者約700例に61遺伝子のエクソン領域について網羅的解析を行い,33%で分子遺伝学的診断を確定した.一方で,新生児乳児の未診断例において20%の患者は病原性バリアントを片アレルにだけもつ事を見出した.これは遺伝性胆汁うっ滞疾患に,遺伝子のエクソン領域の異常では説明できない病態がある事を示唆する.本研究はゲノム解析により,エンハンサー,プロモーターなどの発現調節領域,深いイントロンの異常,染色体構造異常に遺伝性胆汁うっ滞の新しい分子遺伝学的病態を求める.新たな責任遺伝子,病態の発見により遺伝性胆汁うっ滞の診断率向上を目指すものである. 2021年度から2023年度は全エクソン解析,全ゲノム解析により病原性バリアントの抽出を行った.先行して解析を行った対象は以下のように選定した.我々が過去に胆汁うっ滞遺伝子パネル(61遺伝子)を用いて網羅的遺伝子解析を行ったが,分子遺伝学的に診断確定に至らない患者で,かつ血清直接ビリルビンが5.0mg/dL以上の高度の胆汁うっ滞症例を選定した.先ず3例について全ゲノム解析の塩基配列決定実験を行った.候補バリアントについて,バイオインフォマティクス,知識データベースを活用して,分子遺伝学的病態解析に妥当なものを選択する作業をした.遺伝子コーディング領域やスプライスサイトで点変異や小さな欠失など明らかな病原性のバリアントは同定されなかった.しかし,深いイントロン領域やゲノム構造異常について引き続いてバイオインフォマティクスを活用して解析に取り組んでいる.また並行して58症例に全エクソン解析を行っており,14例(24%)で既知の胆汁うっ滞性疾患の分子遺伝学的診断ができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度から2022年度は研究の基本データを取得するため全ゲノム解析,全エクソン解析と病原性バリアントの抽出を行った.対象は以下のように選定した.我々が過去に胆汁うっ滞遺伝子パネル(61遺伝子)を用いて網羅的遺伝子解析を行ったが,分子遺伝学的に診断確定に至らない患者で,かつ血清直接ビリルビンが5.0mg/dL以上の高度の胆汁うっ滞症3例を選定し全ゲノム解析を行った.また,約50症例に全エクソン解析を行い,現在,候補バリアントについて,バイオインフォマティクス,知識データベースを活用して,分子遺伝学的病態解析に妥当なものを選択する作業を行っている.全ゲノム解析について塩基配列は決定できたが,遺伝子コーディング領域やスプライスサイトで明らかな病原性のバリアントは同定されていない.現在染色体構造異常を同定できるように,解析パイプラインを順次改造中である.全エクソン解析では自研究室の解析パイプラインを概ね完成した.病原性変異の可能性を示唆する変異について機能解析にいたっておらず,今後の検討課題となっている.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に全ゲノム解析用の新たなパソコンが当研究室で購入できた.これにより,2024年度は解析対象例を増やして全ゲノム解析を行っていく予定である.染色体構造異常を同定できる解析パイプラインを構築する.そして,全エクソン解析も併せて,検出されたバリアントについて機能解析実験を開始する.遺伝子,非コーディング領域,深いイントロンのバリアントごとで推定される分子病態が異なるため以下の様な機能解析実験やバリアントの証明実験を計画している.①スプライシング領域はHEK293T細胞によるミニジーンアッセイを行う.②プロモーター,エンハンサー領域はルシフェラーゼアッセイを行う.③胆汁酸トランスポーターなどの機能タンパクの評価はバリアントを導入し形質転換したHepG2細胞を用い,RNAi法により偽胆管の機能を低下させ,蛍光胆汁酸の排泄量を測定して機能評価する.④肝組織病理はBSEP,MRP2などの肝細胞表面に発現するトランスポーターについて,特殊免疫染色により評価する.⑥染色体構造異常についてはarray CGHなどで確定する.
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