B型肝炎ウイルス増殖抑制因子を標的とした新規治療法の開発
Project/Area Number |
21K07906
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 康雄 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (40422290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
建石 良介 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50444089)
工藤 洋太郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90608358)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | HBV / HBx / ユビキチン化 / HBV Xタンパク / ユビキチン・プロテアソーム系 / ユビキチンリガーゼ / CUL4-DDB1 |
Outline of Research at the Start |
肝炎や肝癌の原因の一つであるB型肝炎ウイルス(HBV)は現在用いられている核酸アナログ製剤により増殖を抑制することが可能だが、休薬により再増殖をきたすなどHBVを完全に排除することは困難であり、新規治療法の開発が望まれている。本研究ではプロテオミクスの手法を用いてHBVの増殖抑制因子を網羅的に同定し機能解析を行うことにより、これらを標的とした新規抗ウイルス療法の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
B型肝炎ウイルス(HBV)の増殖は既存の核酸アナログ製剤により抑制することが可能だが、HBVの肝細胞からの完全なる排除はいまだ不可能であり、新規抗ウイルス療法の開発は喫緊の課題である。本研究では、HBxにより分解されるウイルス増殖抑制因子の網羅的同定、またHBxの安定性を規定する宿主因子の網羅的同定を行うことにより、これら新たな分子を標的とした抗ウイルス療法の開発をめざす。 本年度は、HBxの安定性を規定する宿主因子の網羅的同定を試みた。2種類のアフィニティータグとTEVプロテアーゼによる切断部位を直列につないだ複合体型タグを組み込んだHBxの発現プラスミドを肝細胞株HepG2に導入し、タグに対する抗体を用いてHBx複合体を2段階精製し、HBx結合蛋白をゲルから切り出し質量分析計にてタンパクを同定した。 その中の一つにユビキチンリガーゼCHIP (Carboxyl-terminus of Hsc70 interacting protein)を認めた。CHIPとHBxは細胞内で結合し、CHIPを強制発現することによりHBxの発現量は減少した。一方でCHIPのK30A [Heat shock protein 70 (Hsp70)と結合しない変異体]及びH260Q(ユビキチンリガーゼの機能を喪失した変異体)では減少が認められなかった。CHIPをノックアウトした細胞ではHBxの安定性が増し、CHIPの強制発現によりHBxはユビキチン化を受けた。機能的には、HepG2-NTCP細胞でCHIPをノックアウトするとHBV感染時にHBV-RNAやHBVタンパクの産生が増加した。 以上よりCHIPはHsp70を介してHBxと結合し、HBxをユビキチン化している可能性が考えられた。CHIPはHBVの複製に関与している可能性が示唆され、本分子を標的にした抗HBV療法の可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はHBxの安定性を規定する宿主因子の網羅的同定を行い、その中の一つのCHIPがHBV複製に寄与している可能性を示した。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は昨年度同定した分子についてHBV複製の観点から機能解析を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)
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[Journal Article] MNX1-HNF1B Axis Is Indispensable for Intraductal Papillary Mucinous Neoplasm Lineages2022
Author(s)
Kato H, Tateishi K, Fujiwara H, Nakatsuka T, Yamamoto K, Kudo Y, Hayakawa Y, Nakagawa H, Tanaka Y, Ijichi H, Otsuka M, Iwadate D, Oyama H, Kanai S, Noguchi K, Suzuki T, Sato T, Hakuta R, Ishigaki K, Saito K, Saito T, Takahara N, Kishikawa T, Hamada T, Takahashi R, Miyabayashi K, et al.
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Journal Title
Gastroenterology
Volume: 162
Issue: 4
Pages: 1272-1287
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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