Project/Area Number |
21K07989
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University (2022-2023) Osaka City University (2021) |
Principal Investigator |
榎本 大 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (20423874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LE THITHANHTHUY 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 特任講師 (10572175)
河田 則文 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (30271191)
田守 昭博 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (30291595)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | B型肝炎 / 抗ウイルス治療 / 核酸アナログ / インターフェロン / 免疫チェックポイント / 免疫チェックポイント分子 |
Outline of Research at the Start |
B型肝炎ウイルス感染は慢性肝炎→肝硬変→肝細胞癌へ進展の主要原因である。現行治療(=核酸アナログ、IFN)でHBs抗原低下は困難であり、有効な併用療法が模索されている。一方、がん化学療法において免疫チェックポイント阻害剤によるパラダイム転換が起きている。 1) 免疫チェックポイント分子の調節異常が抗HBV治療に対する抵抗性に関与するか明らかにする。さらに治療効果の予測マーカーの開発や、治療抵抗性の機序解明から新規治療開発に繋げる 2) B型慢性肝疾患の進展過程で、がん免疫機構の破綻は肝発がんに関与するか明らかにする。さらに肝発がんを予測できるマーカーの同定や、病態進展に関わる免疫機序の解明に繋げる
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Outline of Annual Research Achievements |
核酸アナログ治療開始後の肝発癌リスクとして可溶性免疫チェックポイント分子を含めた宿主因子、ウイルス因子、肝線維化の関与を明らかにするため検討を追加した。対象は核酸アナログを1年以上投与したB型慢性肝疾患122例である。 結果として、1) 核酸アナログ開始後4.3(1.1-7.6)年で13例が発癌した。治療開始後の累積発癌率は、3/5/7/10年で4.6/9.1/13.2/15.0%であった。2)肝硬変(p<0.0001)、血小板数<11.7万/mm3(p<0.0001)、FIB-4>4.08(p<0.0001)、年齢>49歳(p=0.0021)、IV型コラーゲン>200 ng/mL(p=0.0046)、AFP>6.4 ng/mL(p=0.0094)で発癌率が有意に高かった。ウイルス因子では、治療開始時のHBsAg(≦3.53 log IU/mL、p=0.047)、HBsAg糖鎖異性体に対する組換えモノクローナル抗体(HBsAgGi)/HBsAg比(≧1.10、p=0.035)、HBV DNA(≦6.3 log copies/mL、p=0.012)、HBsAg(≦3. 19 log IU/mL;p=0.033)が肝発癌と有意に関連していた。3) sICOS>164.71 pg/mL(p=0.014)、sPD-1<447.27 pg/mL(p=0.031)、sCD40<493.68 pg/mL(p=0.032)、sHVEM<2470.83 pg/mL(p=0.038)で発癌率が有意に高かった。4)多変量解析では、sPD-1<447.27 pg/mL(HR 4.537、95%CI 1.363-15.103)、AFP>6.4 ng/mL(HR 5.524、95%CI 1.084-28.164)が肝発癌に寄与する独立因子であった。また、発癌例おいてsPD-1は核酸アナログ開始後6ヶ月(p=0.028)および1年(p=0.028)、発癌前1年(p=0.028)および6ヶ月(p=0.018)、発癌時(p=0.0077)には核酸アナログ開始時と比べ有意に低下したが、発癌前の再上昇は認めなかった。 結論としてHBV制御後肝発癌に関連する因子として、壊死・炎症に伴う肝細胞の再生など発癌ポテンシャルを反映するAFPなどに加え、がん免疫の疲弊を反映するsPD-1が抽出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
既存の臨床検体を用いて血漿中の可溶性免疫チェックポイント関連をmultiplex immunoassaysを用いて測定するなど、後方視的検討による解析を進めることにより上記の結果を得ることが出来た。得られた結果については学会ならびに論文報告することが出来た(Kozuka R, Enomoto M, et al. Sci Rep. 2022;12(1):105)。また新規マーカーHBsAgGiを含めたウイルス因子を追加することにより、治療中のHBsAgGiとHBsAgの組み合わせが核酸アナログ治療中の肝発癌を予測することを示した(Kozuka R, Enomoto M, et al. Hepatol Res. 2024 Feb 7. In press)。 一方、患者から採取した末梢血リンパ球をHBV蛋白で刺激し、3Hチミジンの取り込みによってT細胞の増殖能を、ELISPOTアッセイによってIFNγやIL-10の産生能を測定するなど、基礎的研究も予定していたがこれに関しては遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
R5年度までに得られたデータと臨床データとの比較、validationを行う。 1) 臨床データとの比較:上記より得られた末血中の免疫チェックポイント分子、T細胞増殖能、T細胞表面マーカーの経時的変化、肝組織内の遺伝子発現と臨床データを比較する。 ① 抗HBV治療症例:奏功例と無効例の比較を行う。例えば治療中のHBVマーカー(HBs抗原、HBcr抗原、HBV DNA)の変化と可溶性チェックポイント分子の変化との関係を解析する。 ② 肝病態進展症例:線維化ステージ(F1/F2/F3/F4)ごとの可溶性チェックポイント分子の比較、発癌例と非発癌例の可溶性チェックポイント分子の比較などを行う。 2) 外部コホートを用いたvalidation:OCU Liver Studyグループより症例を追加し、当院の患者コホートでの検討よりバイオマーカー候補にあがった分子の有用性について検証を行う。
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