Project/Area Number |
21K08097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
矢尾板 信裕 東北大学, 大学病院, 助教 (00735368)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 肺高血圧症 / エクソーム / メタボローム / 右心不全 |
Outline of Research at the Start |
本研究ではオミックス解析を含めた肺高血圧データベースを独自に構築し、解析することで、新たな肺高血圧治療、右心不全治療に繋げていく。そのために、まず最初にオミックス情報を含めたヒトのデータを用いた検討を行い、肺高血圧の予後規定因子や右心不全進行の予後規定因子を、遺伝子、代謝経路、蛋白レベルで幅広く探索していく。その結果をもとに、肺高血圧動物モデルや右心不全動物モデルにそれらの遺伝子、蛋白を導入することで、予後規定因子から新たな治療へと繋げていく。本研究の成果により、最終的に肺高血圧に限らず右心不全患者の予後の改善へつなげていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
メタボローム解析を新たに8名追加し、25名の肺高血圧症患者と15名のコントロールのメタボローム解析を検討した。当科で同定した肺高血圧症の予後不良因子として60歳以上(2点)、WHO Functional class III以上(3点)、右室拡張末期圧10mmHg以上(1点)として点数付けを施行し、代謝経路に差がないか検討した。その結果コントロールより肺高血圧症患者ではミトコンドリア代謝機能が低下していた。さらに、予後不良因子が3点以上の肺高血圧症患者10名ではそれ以下の肺高血圧症患者15名に比較してミトコンドリア代謝経路が低下している傾向を認めた。 そこで、ミトコンドリア機能異常にSNPsが関与している可能性を考えエクソーム解析を行った。ミトコンドリア機能異常に関与するSNPsは大きくミトコンドリア遺伝子、体遺伝子の報告がある。今回は体遺伝子に関して検討した。これまで報告されているミトコンドリア機能異常に関与する体遺伝子は約350報告されており、その中の334の遺伝子に関して検討を行った。その結果、nonsynonymous変異を120個、Framesift変異を3個同定できた。さらにnonsynonymous変異に関してIn silicoで機能異常をきたす変異があるかどうか検討した所、Mutation Taster>0.9、かつLJB SIFT>0.95を満たすSNPsは15個同定された。さらに1000G AlleleとのSNPsの保有率で有意差を認めるSNPsはLRPPRC、TRMU、ETFB、BTD、WFS1であった。また、Framsift変異ではCOASYのSNPsが今まで方向されていない新規のFramesift変異であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
メタボローム解析を追加したことで、ミトコンドリアの代謝経路が肺高血圧症患者で低下していることがわかった。さらに、ミトコンドリアの代謝経路の低下は二次性のものと考えられたが、エクソーム解析を施行することで、肺高血圧症患者ではミトコンドリア機能異常を引き起こす可能性のある体遺伝子異常を複数所有していることが判明した。さらに、肺高血圧症患者ではLRPPRC、TRMU、ETFB、BTD、WFS1のSNPsをコントロールより多く有しており、今後の研究の対象となるSNPsを絞ることが出来たと考えられた。さらに、これらのSNPsによるミトコンドリア機能異常が肺高血圧症の新たな治療標的になる可能性が考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
ここまでの研究で肺高血圧症の新たな研究標的としてミトコンドリア機能異常とそれを引きおこす可能性のあるSNPsを同定できた。今後は今回同定されたSNPsの機能を同定していく。In silicoで複数の推測からは機能異常を有するとでているが、それをIn vitroで検討していく。具体的には平滑筋にこれらのSNPsを有し、ミトコンドリア機能異常が生じないか検討する。また、これらのSNPsの有無にてメタボローム解析をし直し、ミトコンドリア代謝機能の低下の程度に有意差があるかどうか検討していく。
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