細胞外ミトコンドリア放出を伝達ツールとした心不全病態悪化の検討及び治療への応用
Project/Area Number |
21K08141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
小原 幸 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (80275198)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ミトコンドリア / 心不全 / 細胞外ミトコンドリア / アポトーシス / サルコペニア |
Outline of Research at the Start |
超高齢化社会の日本で心不全患者の急増が懸念されているが、心不全に対する薬物療法は未だ充分でない。心筋細胞はミトコンドリアに富んだ細胞系で、このミトコンドリアがエネルギー産生を担うとともに、障害ミトコンドリアは細胞死を誘導する。近年、障害細胞からの細胞外ミトコンドリア放出が病態形成を担うことが肝細胞で示された。そこで、本研究では心不全時のミトコンドリア放出動態を明らかにし、細胞外ミトコンドリアの心筋組織や他組織(主に骨格筋組織)への影響を明らかにし、高齢者心不全及びサルコペニアとの関連性を明らかにする。これらの検討から細胞外ミトコンドリア制御を通じた心不全治療戦略につながることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、新生仔ラット培養心筋細胞からの細胞外ミトコンドリア放出と放出ミトコンドリアの障害について検討した。新生仔ラット培養心筋細胞に低酸素再酸素化(H/R)刺激を行い、培養上清を回収した。培養上清中へのミトコンドリア単体放出、あるいはエキソソーム放出を検出する目的で、MitoView green染色DiI染色を各々行った。共焦点レーザー顕微鏡で蛍光染色の確認を行ったところ、MitoView green陽性ミトコンドリア放出は認めたが、DiI陽性小粒子はほとんど認めなかった。心筋細胞への刺激条件や、染色条件を変えて検討したが、いずれも明らかなDiI陽性小粒子は認められなかった。従って、低酸素再酸素化条件では単体としてミトコンドリア放出が主だと考えられた。ミトコンドリア蛍光プローブ以外にも、培養上清中のミトコンドリア放出をミトコンドリア特異タンパクであるTom20のWesternblot法で確認した。H/R刺激後の培養上清においてTom20タンパクの含有量増加が認められた。H/R刺激後の培養上清より遠心分離法で放出ミトコンドリアの分画を得て、新たな培養心筋細胞上清に加えたところ、軽度ではあるが細胞壊死を導き自己心拍のレートの減少が認められ、心筋細胞に対する障害性が観察された。 また、新生仔ラット培養心筋細胞において、H/R刺激による障害に対するホノキオールの保護効果を検討した。ホノキオール投与は心筋H/R障害に伴う細胞壊死やアポトーシス細胞死を軽減していた。ホノキオールはH/R刺激に伴う心筋細胞内酸化ストレス増強を軽減していた。その機序にミトコンドリアSIRT3の保持によるSOD2脱アセチル化及び細胞内ATPの保持が認められた。さらに、本薬剤の投与により細胞外ミトコンドリア放出も軽減されていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は培養細胞実験を行った。心筋細胞培養上清へのミトコンドリア封入エキソソームの検出を心がけた。複数回検出手段を変えて試みたが培養に用いる牛胎児血清由来のものを除外し、心筋細胞由来のエキソソームを解析可能な容量で検出することができなかった。心筋培養細胞は分裂能を持たないため、初代培養のみしか用いられず大量培養が技術的に困難であり、エキソソーム放出量が多くなかった原因と考えている。エキソソーム検出の手技調整に時間がかかり、全体の進行がやや遅れた。 但し、単体としてのミトコンドリア放出を蛍光染色で認め、同分画を加えた培養上清による心筋細胞障害性を見出せたため、今後放出ミトコンドリアの性状をより詳細に検討し、骨格筋細胞に対する細胞障害性を培養系で確認するとともに、in vivo実験を行っていく予定でいる。
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Strategy for Future Research Activity |
障害心筋において、細胞死とともに単体としてのミトコンドリア放出が認められ、放出ミトコンドリア分画に心筋細胞障害性を見出せた。今後は、放出ミトコンドリアの細胞障害惹起機序を検討するため、ミトコンドリア活性酸素種産生能を検討する。また、細胞間・臓器間の障害惹起の有無を検討するため、放出ミトコンドリアを線維芽細胞や骨格筋細胞に投与し細胞毒性を検討する。 本年度は最終年度であり、成獣を用いた臓器間ネットワーク検討を行う。心筋梗塞モデルと大動脈縮窄による圧負荷肥大心を作成し、血中へのミトコンドリア放出量の増加を検討する。また放出ミトコンドリアによる心筋及び骨格筋細胞への障害の有無を培養細胞への添加実験で検討する。さらにミトコンドリア放出を来す心不全モデルにおける、骨格筋障害を評価し、中和抗体による放出ミトコンドリア除去が骨格筋障害を軽減するか否かを検討する。また心不全動物の血液検体からビーズソーティングで回収したミトコンドリアを健常ラットに投与し、心筋骨格筋障害の誘導の有無を検討し、成果を論文化していく。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)