Project/Area Number |
21K08171
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53030:Respiratory medicine-related
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
佐々木 高明 旭川医科大学, 医学部, 助教 (70516997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水上 裕輔 医療法人徳洲会札幌東徳洲会病院医学研究所, がん生物研究部, 部門長 (30400089)
平井 理子 旭川医科大学, 大学病院, 客員助教 (90596272)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | ゲノム構造異常 / 遺伝子解析 / MET遺伝子のエクソン14欠失変異 / ドライバー遺伝子 / がんゲノム / ナノポアシーケンシング / ドライバー遺伝子変異 / 薬剤耐性 / 肺癌 / 融合遺伝子 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、ゲノム構造異常を解析する技術の向上を目指し、これが臨床導入されると、これまでドライバー遺伝子陰性あるいは不明であった肺癌患者や、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬に対して薬剤耐性を獲得してしまった患者に有効な治療を提供できることを目指しています。
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Outline of Annual Research Achievements |
がんは、ゲノムの異常によって発生する疾患です。その異常部分を解析することで、発症原因を特定し、具体的な治療法を開発することが可能になります。現代の医学では、高度な技術を用いてゲノムの解析が行われ、その結果を基に患者の診断や治療が進められています。しかしながら、技術の進歩にもかかわらず、全ての遺伝子異常が検出できるわけではありません。一部の異常は依然として検出が難しく、その存在が治療法の開発を阻害する要因となっています。特に、未知の融合遺伝子や選択的スプライスバリアントによるエクソン欠失、繰り返し配列といったゲノム構造異常は、従来の遺伝子解析では検出されず、その解明が大きな課題となっています。本研究では、この難題に挑戦し、特に肺癌細胞に焦点を当ててゲノム構造異常ががん遺伝子の活性化にどのように影響するかを詳細に解析します。具体的には、がん細胞の細胞膜上に発現する受容体型チロシンキナーゼというターゲットに注目し、その遺伝子解析を進めています。この中でも特にMET遺伝子のエクソン14欠失変異は、ゲノムに大きな構造異常を引き起こすとの報告があり、本研究ではその異常を検出できる実験系を確立することに注力しています。これにより、MET遺伝子異常をもつ肺癌細胞の特性を詳細に理解し、それに基づいた治療法を開発することが可能になると期待されています。 将来的には、ドライバー遺伝子陰性の肺癌細胞株や、EGFR, HER2, BRAF, KRAS, ALK, ROS1, RETなどのドライバー遺伝子陽性で薬剤耐性のメカニズムとしてのゲノム構造異常を研究します。新たなゲノム構造異常の検出方法が開発されれば、それに対応する新しい治療法の開発につながります。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.本研究では、特にMET遺伝子のエクソン14欠失変異に注目し、それに対する実験系の確立を目指しています。しかし、MET遺伝子異常を持つ肺癌細胞株は非常に希少であり、その入手が難しく、当院での症例から細胞株を樹立していますが、増殖が遅く予定していた実験の進行に影響を与えています。 2.最近の技術進歩により、ナノポアシーケンサを用いたがん遺伝子解析のデータベースが構築されつつあります。この新たなデータベースは、ゲノム構造異常の検出に有用である可能性が高く、それを活用した解析への方向転換を検討しています。しかし、この方向転換は新たな解析方法の習得を必要とし、それが研究の進行に一時的な遅延を引き起こしています。
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Strategy for Future Research Activity |
MET遺伝子異常を持つ肺癌細胞株の希少性を補うため、CRISPR-Cas9などのゲノム編集技術を用いて、人工的にMET遺伝子のエクソン14欠失変異を持つ肺癌細胞株を作成することを提案します。これにより、より制御された環境での実験が可能となり、研究の進行をスムーズにします。
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