アクアポリン2を介した甲状腺ホルモンの体液調節機構の研究
Project/Area Number |
21K08226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53040:Nephrology-related
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
松下 明生 浜松医科大学, 医学部, 助教 (50402269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 茂和 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (20303547)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 甲状腺ホルモン受容体 / アクアポリン2 / 転写制御 / GATA2 / 抗利尿ホルモン / 甲状腺ホルモン / アクアポリン2 / 転写調節 / 転写因子 |
Outline of Research at the Start |
甲状腺ホルモンには利尿作用(尿量を増やす効果)があり、甲状腺ホルモンが不足する甲状腺機能低下症の患者さんでは、しばしば浮腫(むくみ)が生じます。腎臓での尿量調節を行っているアクアポリン2という水チャンネル因子の量を甲状腺ホルモンが調整していると考えられ、その調節メカニズムを解明するのがこの研究の目的です。将来的には新しい機序の利尿剤の開発につながる可能性がある研究と考えています。
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Outline of Annual Research Achievements |
アクアポリン2(AQP2)は腎集合管に発現し抗利尿ホルモンの刺激により細胞膜表面に発現して水の再吸収に働き尿量を調節する水チャンネル分子である。最近AQP2遺伝子を活性化し蛋白発現を増やす転写因子としてGATA2の重要性が報告され、腎集合管特異的にGATA2発現を欠失したノックアウトマウスでAQP2の発現が消失し腎性尿崩症を発症することが報告されている。 我々は以前にTSHβ鎖遺伝子、preproTRH遺伝子、2型脱ヨード酵素遺伝子などで甲状腺ホルモン受容体(TR)とGATA2が相互作用することで転写発現を負に調節していることを報告しており、同様の機序で甲状腺ホルモン(T3)がAQP2の発現量を負に制御していると考え検討を行った。 腎臓由来の培養細胞にTRとGATA2を発現プラスミドを用いて一時的に導入し、AQP2遺伝子の転写活性を調べると、T3なしの状態で活性化され、T3を添加すると転写が抑えられることが確認できた。抗利尿ホルモンであるDDAVPはGATA2によるAQP2の転写活性化を相乗的に増強したが、DDAVPに拮抗してT3はAQP2の転写を抑制した。AQP2遺伝子プロモーター上のGATA2の結合配列を破壊するとT3/TRによるAQP2の転写制御が消失した一方、DDAVPシグナルの下流にあるCREB結合配列を破壊した場合にはT3/TRの転写制御は保たれていた。このことからAQP2遺伝子の転写調節におけるGATA2とTRの相互作用の重要性が確認できた。 甲状腺機能低下状態ではT3/TRによるAQP2転写抑制がなくなり、AQP2が高発現することで抗利尿効果が強まり、水貯留傾向となると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サル腎臓由来CV-1細胞とマウス腎集合管由来mIMCD-3への遺伝子導入実験により、バソプレッシン(DDAVP)とGATA2はアクアポリン2(AQP2)遺伝子の転写を相乗的に活性化し、甲状腺ホルモン受容体(TR)はT3依存性にAQP2の転写を抑制することが確認できた。この実験系でGATA結合配列を破壊するとT3/TRによるAQP2の転写制御が消失したことから、AQP2遺伝子の転写調節にTRとGATA2の相互作用が重要であることが示された。 マウスの腎臓を用いた免疫染色で腎集合管細胞にはTRのアイソフォームのうちTRα1がAQP2と共発現していることが確認できた。AQP2遺伝子の転写発現を活性化するGATA2をTRα1がT3依存性に転写抑制するモデルを考え検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
GATA2の転写活性化はプロテインキナーゼC(PKC)を介して増強されることを確認しており、腎集合管細胞におけるGATA2の作用を内因性に活性化する因子としてアンジオテンシンII受容体(AT1)~PKC系を介した経路が考えられる。甲状腺ホルモンとAT1-PKC系の相互作用の検討を行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)