Project/Area Number |
21K08268
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53040:Nephrology-related
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
杉山 紀之 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (90381954)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 一次繊毛 / 嚢胞腎 / ネフロン癆 / 繊毛 / 線毛 |
Outline of Research at the Start |
細胞外に突出した極小の構造体である一次繊毛の異常が嚢胞腎を代表とする繊毛病を引き起こす。一次繊毛は尿流を感知することによりCaを細胞内に流入させて細胞外の情報を細胞内に伝えると考えられてきた。近年の研究により、このCaの役割について疑問視されるようになった。 我々は、若年性ネフロン癆の責任遺伝子産物であるInvがCa依存的にカルモジュリンと結合することを見出した。本研究は、Invのカルモデュリン結合領域点変異マウスを作製し、嚢胞化シグナルのトリガーとしてCaが関与することを明らかにする。この解析を通して、嚢胞腎の発生機序の解明および臨床応用へ向けた基盤の構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
一次繊毛異常によって生じる嚢胞腎を呈する若年性ネフロン癆は根本的な治療法がない。同じ嚢胞腎を呈する常染色体優性多発性嚢胞腎においてはバソプレシン受容体拮抗薬が効果があり、臨床治験が行われている。しかしながら、若年性ネフロン癆においてはその嚢胞腎発生の機序も明らかとなっていない。我々が標的としている若年性ネフロン癆の責任遺伝子であるInvはカルシウム依存的にカルモデュリンと結合することを見出し、Invのカルモデュリン結合配列に点変異を導入したマウスを作製して機能解析を行なってきた。 点変異マウスは左右逆位は発症しないものの出生後3週間から嚢胞腎を発症することを確認した。これは左右逆位に関わるノード線毛と腎臓の一次繊毛におけるInvの機能が異なることを再確認させ、腎臓においてはカルモデュリンとの結合が重要であることを示した。カルモデュリンは一次繊毛に存在しているもののほぼ全長に局在しており、線毛の基部に局在するInvとは一部しか共在していない。尿細管上皮細胞の初代培養においてCa存在/非存在下においてそれぞれの局在を観察したが、変化はなかった。一部のカルモデュリンがInvに結合して作用していると考えられるが、その挙動は微量すぎて観察できていない。 解析を進行させるために点変異マウスの尿細管上皮細胞の細胞株樹立を検討しているが、この点変異マウスの繁殖がうまく行えておらず、必要な匹数が確保されていない。そのためにまずは点変異マウスの系統維持を優先させ、受精卵保存および 受精卵移植によるコロニー拡大を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
樹立した点変異マウスの繁殖が難しく、系統維持が困難である。精子の運動能等には異常が観察されていないが、点変異ホモタイプがほとんど生まれてこないために研究に必要な匹数が確保できていない。得られた分で解析しながら、コロニー拡大に向けて人工授精等を行なっている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初は初代培養系においてInvとカルシウムの挙動を明らかにする予定であったが、マウスの確保が困難であることから細胞株樹立を検討している。 また、当初の計画にあった質量顕微鏡解析も検討したが、何度かの検証により解像度の問題で適さないことが判明した。そのため、質量顕微鏡解析は行わず、次の研究課題としてVisium 空間的遺伝子発現解析法を用いて線毛シグナルのトリガーを探索することを計画している。
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