Project/Area Number |
21K08378
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54010:Hematology and medical oncology-related
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
岩崎 正幸 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70790913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 浩章 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (40245064)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 自己免疫疾患 / UTX / IBD / 造血器腫瘍 / 骨髄異形成症候群 / エピジェネティクス |
Outline of Research at the Start |
骨髄異形成症候群(MDS)には自己免疫疾患が高頻度に合併することが知られているが、その理由は不明である。本研究は、UTX欠失マウスの病理および免疫異常の解析を進め、UTX欠失がMDSと自己免疫疾患の合併に関与する共通の分子機構を明らかにし、MDSを含めた造血異常・自己免疫合併症例、特に血管炎合併症に対して、エピジェネティクス変異に起因する病態理解を深め、新規治療法の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、エピジェネティクス制御の破綻が自己免疫疾患の発症・維持に重要な役割を果たしていることが明らかとなってきている。申請者はヒストン脱メチル化酵素UTX (ubiquitously transcribed tetratricopeptide repeat, X chromosome) 欠失マウスを作製し、自己免疫疾患におけるUTXの役割を解明する目的で、マウス自己免疫疾患誘導モデルとして免疫不全マウスに,naive T細胞であるCD4+CD45RBhigh (naive T)細胞を移入することにより大腸炎を発症させるマウス大腸炎誘発実験モデルを用いて、WtおよびUTX欠失マウス由来 naive T細胞を移入したところ、Wtでは著明な腸管肥厚をともなう腸炎の形態と共に体重減少が認められたが、UTX欠失ではこれらの症状の緩和を確認することができた。次に、UTX欠失がT細胞の分化誘導に与える影響について、UTX欠失マウスおよび Wtマウスの脾臓からnaive T細胞を分離し、抗CD3/CD28抗体,IL-2で刺激後、TGF-b, IL-6, IL-12などのサイトカインによりTh1, Th17, Tregへの分化誘導を行い、各サブセットの分化誘導能に異常がないか検証した。UTX欠失マウス由来naive T細胞はWt由来naive T細胞に比べ、Tregへの分化が亢進すると共に、Th17への分化は減弱するという予備実験結果を得ており、この結果は大腸炎誘発に関与するTh17/Tregのバランスに関与しているものと考えられる。現在、naive T細胞を用いた次世代シークエンサーによる網羅的遺伝子発現プロファイリング解析を行い、UTXの欠失によって変動する遺伝子を同定を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CD4T細胞特異的にUTXを欠失しているマウスを樹立したが、想定より繁殖に時間を費やしてしまったこと、また、このマウスを用いた自己免疫疾患誘導モデルの確立が遅れてしまったため、当初の計画よりRNA-seq による網羅的遺伝子発現解析の開始が遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス大腸炎誘発実験モデルを用いて、UTX欠失と同様にUTX阻害剤GSK-J4投与により、腸炎や体重減少の緩和が認められるかを確認する。現在、RNA-seq による網羅的遺伝子発現解析を行い解析中であり、UTXの欠失によって変動する遺伝子を同定したい。さらに、抗UTX抗体を用いたクロマチン免疫沈降シークエンス解析(ChIP-Seq) を行ない、この結果とRNA-seqの結果で共通する遺伝子を見つけることにより、UTXの直接標的遺伝子を探索する。また、GSEA(Gene Set Enrichment Analysis)を用いて、活性化・不活化した pathway およびその制御に関与する因子を明らかにして、病態理解を深め、治療標的としての可能性を検証していきたい。
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