TKI治療抵抗性の慢性骨髄性白血病細胞に対する新規治療戦略の開発
Project/Area Number |
21K08406
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54010:Hematology and medical oncology-related
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
高久 智生 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20408256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 真理人 順天堂大学, 大学院医学研究科, 客員教授 (80613843)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | ミトコンドリアの断片化 / ゴーストサイトメトリー / 慢性骨髄性白血病 / DRP1 / チロシンキナーゼ阻害薬治療抵抗性 / チロシンキナーゼ阻害薬 / 治療抵抗性 |
Outline of Research at the Start |
慢性骨髄性白血病はチロシンキナーゼ阻害薬が開発された2000年以降、生命予後がおおきく改善した。しかし、薬剤を中止する臨床試験の結果、中止後も再発を認めない患者は10~20%程度と限られており、多くの患者では長期間の内服が求められている。このため、内服に伴う様々な合併症や、患者個人のみならず社会的にも医療費の負担が大きいなど新たな問題点が生じており、残存腫瘍細胞を根絶するための治療薬の開発が求められている。本研究では、残存腫瘍細胞を1細胞から抽出し解析を行うことで治療抵抗性のメカニズムを明らかにすると共に、得られた結果を基に”真の意味”での治癒が達成出来る新規治療薬の開発を目指すものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
慢性骨髄性白血病(CML)は、2000年のチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の開発により患者の予後は大きく改善した。さらに現在では計5種類のTKIがCML診療に用い られており、既にCMLは患者の予後を規定する因子ではなくなっている。しかし、TKI治療によるCML患者の10年生存率は90%程度である一方で、TKI治療の中止に よりその多くが再発してしまい、依然としてTKI治療中止後の寛解維持率はCML患者全体では10から20%程度と大きく限定されている。これは、TKI治療後も極少量 のCML細胞が残存している事が原因であると考えられており、本研究の目的はTKI治療後も残存するCML細胞を1細胞レベルで分取し、それら残存細胞に特異的な RNA発現プロファイルを明らかにすることで、治療抵抗性のCML細胞を標的とした新規の治療戦略の構築に必要な知見を得ることである。今年度はTKI治療が奏功 した患者の骨髄からCD34陽性、CD38陰性の造血幹細胞を含む細胞集団をセルソーターで96ウェルプレートに1細胞ごとに分取した上で、RT-RamDA法を用いてBCR- ABLの検出を行った。結果として、BCR-ABL陽性細胞株であるK562を用いた実験では1細胞での分取および抽出したRNAを用いてBCR-ABLの検出に成功した。続くステップとして患者骨髄 の保存細胞で同様の実験を行うも、患者骨髄の保存細胞では細胞のバイアビリティの低下、さらには個々の患者によりBCR、ABLの切断点が異なっている可能性が考えられたため、検 出方法の変更および新たにゴーストサイトメトリーを導入した。 ゴーストサイトメトリーは細胞内小器官の微小変化を検出可能で、BCR-ABL1染色体を導入した細胞株および患者検体を用いた鑑別を行ったところ、高精度で腫瘍細胞の鑑別が可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゴーストサイトメトリーによりBCR-ABL1細胞の検出は可能であったものの、そのメカニズムについて電子顕微鏡を用いて細胞内小器官の観察を行ったところ、ミトコンドリアの断片化が細胞株、患者細胞の両者で認められ、さらには膜電位が低下している事も明らかとなった。 続いてミトコンドリア断片化のメカニズムの解析を行ったところ、ミトコンドリアを切断するDRP1の発現が上昇し、蛋白も増加していた。DRP1を阻害する事でミトコンドリアの融合を認めた事から、BCR-ABL1がDRP1を増加させミトコンドリアの断片かを促していることが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
TKI治療後のCML患者における治療抵抗性のCML幹細胞は骨髄に残存していると考えられることから、骨髄細胞をゴーストサイトメトリーで観察し、CML幹細胞の検出および抽出の可否についての検証を行い、TKI治療後も残存する治療抵抗生細胞の抽出と解析を行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)