腸管オルガノイドのヒトノロウイルス感受性に関与する因子の同定
Project/Area Number |
21K08496
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54030:Infectious disease medicine-related
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
芳賀 慧 北里大学, 感染制御科学府, 講師 (80528373)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | ノロウイルス / 腸管オルガノイド / ヒトノロウイルス / オルガノイド / ウイルス性胃腸炎 |
Outline of Research at the Start |
ヒトノロウイルスは、ウイルス性胃腸炎の原因として広く知られている。ヒトの体内ではよく増え感染性も非常に強いが、培養細胞を用いて増やすことは困難であった。近年、小腸から採取し試験管内で分化能を維持したまま増殖させることが可能なヒト腸管オルガノイド(HEO)細胞を用いることで、ヒトノロウイルスを増やすことが可能となった。しかしなぜこのHEO細胞でノロウイルスが増殖できるのかは未だ不明である。そこで本研究では、ヒトノロウイルスの感受性に関わるHEO細胞の宿主因子を同定することを試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究から、ヒト由来腸管オルガノイド(HIO)にはヒトノロウイルスに対する感受性があるとが示されてきたが、その感染機構は未だ未解明な点が多い。 細胞表面上に発現している糖鎖抗原にフコースを修飾するフコース転移酵素2(FUT2)遺伝子が、ヒトノロウイルスGII.4株の感受性に大きく関わることが示されている。HIOのFUT2遺伝子をノックアウトすると、GII.4株に対し非感受性になるが、FUT2遺伝子をヒトノロウイルス非感受性の汎用培養細胞に導入しても、感受性に変化することはない。以上より、ヒトノロウイルスに対して腸管オルガノイドが感受性を示す要因が、HIOの細胞表面上にだけ発現しているフコース修飾された分子と推測した。そこで、HuNoV GII.4株のウイルス中空粒子(VLP)を用いて、細胞表面上に発現しているタンパク質でVLPに結合するタンパク質をHIOとFUT2遺伝子をノックアウトしたHIO(HIO-FUT2KO)で網羅的に比較した。HIOで特異的にVLPと結合していた分子をCRISPR/Cas9で欠失させたHIOを樹立することには成功したが、残念ながらGII.4株に対する感受性は変化しなかった。また、ヒトノロウイルスに対し感受性があるHIOの割合が、VLPが細胞表面に結合する細胞の割合と比べて、極端に低いことが判明したので、HIOの膜表面上に発現しているVLPに結合する分子を集めてくる方法では、本事業の目的を達成するには至らないと判断した。そこで今年度は、GII.4株が感染したHIOだけを集めて、それらの細胞群を集めてくることに成功し、その感染細胞群で特異的に発現しているタンパク質を網羅的に解析した。
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Report
(3 results)
Research Products
(18 results)