Project/Area Number |
21K08497
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54030:Infectious disease medicine-related
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
石井 良和 東邦大学, 医学部, 教授 (90246695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舘田 一博 東邦大学, 医学部, 教授 (20236558)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 病原体核酸検査 / 精度管理 / レンチウイルス / SARS-CoV-2 / RT-qPCR / dPCR / 陽性コントロール / フルプロセスコントロール |
Outline of Research at the Start |
新たに出現した病原体の検査に役立つ、適正なeQAPi標準品を迅速に医療の現場に提供する体制の構築するため、full process controlを含むeQAPi標準品の迅速な作成方法とその標準品の評価・検証法の構築を実施する。さらに、これらeQAPi標準品を国内の病原体核酸検査実施施設に配布して外部精度管理を試行する。このようにして作成するfull process controlの構築法は、あらゆる病原体核酸検査のためのeQAPiの作成のために用いることが可能となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
PCR検査に代表される病原体核酸検査において、その精度管理は重要な課題である。精度管理すべき検査工程として、核酸抽出から試薬混合調製までの検査前プロセス、DNA増幅(標的がRNAの場合は逆転写工程を含む) から検出までの検査プロセス、結果解釈から報告までの検査後プロセスがある。検査前プロセスから検査後プロセスまでの全工程を精度管理するには、標的核酸が対象病原体と同等の膜などに封入された状態のフルプロセスコントロール試料が必要である。本研究では、SARS-CoV-2のPCR検査をモデルとして、任意のRNA塩基配列を組み込んでパーティクルに封入できる市販の組換えレンチウイルス作成キット (タカラバイオ) を用いたフルプロセスコントロール試料作製方法を検証する。この方法は、新たに流行する病原体の病原体核酸検査の迅速なフルプロセスコントロール試料作製への応用が期待される。 フルプロセスコントロールに組み込む標的は、国立感染症研究所および米国Center for Disease Control and Preventionが公表するreverse-transcription (RT)-PCRの標的に加え、本邦で利用可能なRT-qPCR検査キットの標的とされている、Orf1b, S, およびE遺伝子の一部を直列につなぎ合わせた配列を、人工遺伝子合成サービスに委託して入手した。これをレンチウイルスベクタープラスミド pLVSINに挿入し、Lentiviral High Titer Packaging MixとともにLenti-X 293T細胞にコトランスフェクションすることにより、任意の配列をRNAゲノムに有する組換えレンチウイルスを取得した。今後、組換えレンチウイルスの安定性を確認した後、外部精度管理における精度管理試料としての妥当性を確認する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SARS-CoV-2の RTq-PCRによる病原体核酸検査の標的配列をRNAゲノムに有する組換えレンチウイルスを取得した。この組換えウイルスの力価はp24カプシド質量のELISA測定キットにより、RNAコピー数は国立感染症研究所のマニュアルに従ってRT-qPCRのN2 プライマー・プローブと、レンチウイルスのHIV-1LTRを特異的に検出するR-U5を用いたRT-digital PCR (dPCR) によって測定した。組換えレンチウイルスの安定性を希釈、凍結融解、冷蔵、もしくは室温保存などの複数の条件下におけるウイルス量およびRNAコピー数の変動から検討した。SARS-CoV-2 RT-qPCRの標的配列を組み込んだレンチウィルス ベクタープラスミドとLentiviral High Titer Packaging MixをコトランスフェクションしたLenti-X 293T細胞の培養上清を回収し、フィルター濾過をしたレンチウイルス溶液において、約1×10^9ウイルス粒子/mL以上を含有した。また、約1×10^9コピー/mL以上のN2遺伝子及びHIV-1LTR遺伝子が発現していた。このウイルス粒子数やRNAコピー数は、市販のSARS-CoV-2 RT-qPCRのフルプロセスコントロールと比較して高濃度であり、limit of detectionが高い検査系の内部精度管理や内部精度管理パネルの作製に有用と考えられる。また、このレンチウイルス溶液のウイルス量やRNAコピー数は、現在までに検討した希釈や保存条件によって大きく変動することなく、-80℃での輸送や凍結融解当日に使い切るなどの厳しい輸送および保管条件以外でも安定性を有することが期待された。 以上のことから、組換えレンチウイルスにより作製した精度管理試料は、外部精度管理調査等に活用できることが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
外部精度管理事業において、組替えレンチウイルスフルプロセスコントロール試料を安定的に保管および配布するために、凍結乾燥あるいは液体乾燥による保管を検討する。凍結乾燥品あるいは液体乾燥品について、輸送条件を模した複数の保存条件下に晒し、滅菌蒸留水で溶解した後、レンチウイルス量およびRNAコピー数の変動を測定する。 さらに、本研究で構築した組換えレンチウイルスフルプロセスコントロールが、SARS-CoV-2 PCR検査の外部精度管理試料として用いることの妥当性を確認するため、複数の病院あるいは衛生検査所に対して本品を用いた外部精度管理を実施する。これらのデータを取りまとめて論文化する。
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