冠動脈壁・心筋・膵へ異所性脂肪蓄積を来す2型糖尿病臨床像の同定-多施設共同研究-
Project/Area Number |
21K08529
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54040:Metabolism and endocrinology-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小澤 純二 大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座准教授 (80513001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 真吾 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任講師 (40865979)
木村 武量 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任講師 (70770171)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 異所性脂肪 / 2型糖尿病 / 心筋 / 冠動脈 / 膵 / 2型糖尿病 / 膵臓 / 心臓 |
Outline of Research at the Start |
本研究では多施設共同研究で2型糖尿病患者を対象として、新たな異所性脂肪蓄積臓器としての冠動脈壁、心筋、膵臓に脂肪蓄積を来す2型糖尿病患者臨床像を同定し、肝、腎、筋へ異所性脂肪蓄積を来す患者の臨床像との違いを明らかにする。冠動脈壁、心筋、膵臓への脂肪蓄積とこれら臓器障害の存在を明らかにする。その上で、異所性脂肪蓄積の軽減による心血管病変の発症ならびに糖尿病病態の進展の予防、という新たな視点での治療法の創出につなげることを目的として投与薬剤別の脂肪蓄積の違いを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
当院ならびに関連施設において2000年1月~2021年3月までの間に冠動脈造影CT検査(CCTA)を施行し、CCTAの前後1年以内に腹部単純CT検査を受けた2型糖尿病患者124例について、心筋CT値(脂肪蓄積を反映)と、患者臨床背景、心臓超音波検査で評価した心収縮能、心拡張能、他臓器の脂肪蓄積、冠動脈病変との関連を検討した。心筋CT値はBMI、内臓脂肪面積、皮下脂肪面積と有意な負の関連を認めた。さらに心筋CT値と肝CT値は有意な正相関を認め、両臓器の脂肪蓄積に共通のメカニズムの存在が示唆された。一方、膵臓の脂肪蓄積との関連は認められなかった。興味深い結果として、心筋CT値は心収縮能(EF)と正相関し、心筋脂肪蓄積が心収縮能低下と関連することが示された。年齢別、性別で解析を行うと、65歳以上、女性においては心拡張障害との関連が認められ、これらHFpEFのハイリスク患者における心不全の要因に心筋脂肪蓄積が関与することが示唆された。以上の結果について第65回日本糖尿病学会年次学術集会にて発表、論文報告も行った(Cardiovasc Diabetol. 2023)。 心筋脂肪蓄積と冠動脈プラークとの関連については、画像解析ワークステーション(Vitrea)を用いて検討、心筋脂肪蓄積が脂質性ならびに石灰化プラーク体積の総和、石灰化プラーク体積とそれぞれ関連することが示された。心筋ならびに冠動脈の脂肪蓄積に共通の病態が存在することが示唆された。 膵臓における脂肪蓄積については、β細胞内脂肪蓄積が年齢、血糖、インスリン抵抗性、インスリン分泌能低下と関連した。分泌能低下のメカニズムにつき電子顕微鏡を用いた検討を行い、脂肪蓄積がオートファジーの増加と関連しインスリン分泌顆粒数の低下を伴うことを示し、第65回日本糖尿病学会年次学術集会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2型糖尿病患者において心筋脂肪蓄積を来す患者臨床像の同定、心機能との関連を示し、学会ならびに論文報告を行ったことで一定の成果を上げている。一方、冠動脈壁の解析については画像解析ワークステーション(Vitrea)の購入により、解析が進んでいる。さらには膵臓の異所性脂肪蓄積に関する学会報告も行い、この点においても一定の成果を挙げている。
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Strategy for Future Research Activity |
Vitreaを用いて、冠動脈壁の脂質性プラークを含むプラーク解析を行い、患者臨床背景、心筋脂肪蓄積との関連を明らかにすることで、冠動脈壁への異所性脂肪蓄積の病態意義を示す。今後は組織学的解析も進めるが、冠動脈は入手困難であるため、大動脈瘤患者において人工血管置換術の際に得られる大動脈を用いて、動脈壁における脂肪蓄積と糖尿病ならびに糖尿病病態との関連、脂肪蓄積のもたらす血管壁の微細構造の変化、質量顕微鏡を用いた脂質解析について検討を進めていく。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Myocardial fat accumulation is associated with cardiac dysfunction in patients with type 2 diabetes, especially in elderly or female patients: a retrospective observational study.2023
Author(s)
Kashiwagi-Takayama R, Kozawa J, Hosokawa Y, Kato S, Kawata S, Ozawa H, Mineo R, Ishibashi C, Baden MY, Iwamoto R, Saisho K, Fujita Y, Tamba S, Sugiyama T, Nishizawa H, Maeda N, Yamamoto K, Higashi M, Yamada Y, Sakata Y, Matsuzawa Y, Shimomura I
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Journal Title
Cardiovascular Diabetology
Volume: 22
Issue: 1
Pages: 48-48
DOI
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Peer Reviewed
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