Project/Area Number |
21K08661
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55010:General surgery and pediatric surgery-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
木下 義晶 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80345529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 隆 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40464010)
高橋 良彰 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (50621710)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 小児固形悪性腫瘍 / 小児固形良性腫瘍 / 血管腫 / リンパ管腫 / 奇形腫 / 免疫学的糖鎖解析法 / 診断システム |
Outline of Research at the Start |
小児の固形腫瘍のうち血管腫、リンパ管種、良性の奇形腫(以下、胚細胞腫瘍)などの良性腫瘍は時として鑑別診断が難しく、その臨床像も多彩で、症例によっては巨大で重要臓器や血管をまきこみ外科的治療が困難である。特異的な腫瘍マーカーはなく、診断は画像診断に頼らざるをえない。正確な診断がつかなければ治療の導入が遅れ、良性腫瘍とはいっても時として予期せぬ転帰をたどることがある。 本研究ではそれぞれの小児良性固形腫瘍の発生起源として候補に挙がっている遺伝子産物である糖鎖抗原蛋白を血清学的に診断可能にする免疫電気泳動法と質量分析法を用いた非侵襲的新規簡易診断システムの開発を目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
小児の固形腫瘍は悪性疾患としては神経芽腫、肝芽腫、腎芽腫、横紋筋肉腫などが代表的である。一方、血管腫、リンパ管腫、良性の奇形腫(以下、胚細胞腫瘍)などの良性固形腫瘍は時として鑑別診断が難しく、その臨床像も多彩で、症例によっては巨大で重要臓器や血管をまきこみ外科的治療が困難である。特異的な腫瘍マーカーはなく、診断は画像診断に頼らざるをえない。正確な診断がつかなければ治療の導入が遅れ、良性腫瘍とはいっても時として予期せぬ転帰をたどることがある。良性腫瘍であるため、本来、外科治療が中心になるとされてきたが、近年外科治療以外の治療法として分子標的治療など様々な内科的治療の研究が進んでいる。本研究ではそれぞれの小児良性固形腫瘍の発生起源として候補に挙がっている遺伝子産物である糖鎖抗原蛋白を血清学的に診断可能にする免疫電気泳動法と質量分析法を用いた非侵襲的新規簡易診断システムの開発を目的とする。 実際の研究の進め方に関しては、①小児良性固形腫瘍疾患および小児悪性固形腫瘍疾患を対象とした画像診断学的評価とGlut1, Podoplanin, Glypican3を用いた免疫組織学的解析、②特異的糖鎖抗原の同定とモノクローナル抗体の作製、③免疫電気泳動法による血清中のGlut1, Podoplanin, Glypican3の分離測定と質量分析法による定量化、④血清Glut1, Podoplanin, Glypican3発現量の測定と診断システムの確立、の4つの段階に分けて進める。①、②、③を令和3年度、4年度、5年度に順次進め、④に関してはそれ以後の年度への研究継続への実績とすることを目標とする。令和3,4年度においては①臨床症例のピックアップと画像評価としてのpreliminaryなデータ収集と解析、②特異的糖鎖抗原の同定とモノクローナル抗体の作製を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度は小児良性固形腫瘍疾患および小児悪性固形腫瘍疾患を対象とした画像診断学的評価とGlut1, Podoplanin, Glypican3を用いた免疫組織学的解析について研究を進めた。新潟大学小児外科、および関連施設で経験した小児良性固形腫瘍患者100例(被検者群)、小児悪性固形腫瘍組織検体100例(対照群)を対象とし、画像データに基づき腫瘍の大きさ、進展範囲、造影効果などについての評価を行った。またGlut1, Podoplanin, Glypican3、その他の抗原も加えた免疫組織学的解析により、各腫瘍における特異的糖鎖抗原の同定とモノクローナル抗体の作製を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究概要における①について令和4年度に収集したデータについての解析を進め、②について特異的糖鎖抗原を同定し、それぞれの蛋白に特徴的な糖鎖を同定する。糖鎖に脂質などのアジュバントを共有結合させ、抗原認識の確率を高める。抗体はハイブリドーマ法により作製する。①、②がめどが立てば③へ移行する。③免疫電気泳動法による血清中のGlut1, Podoplanin, Glypican3の分離測定と質量分析法による定量化:我々が先に関連研究としてのAFP分画をConAレクチンを用いて分離測定することに成功した免疫電気泳動法を用いる。またMass Spectorpmetryを用いた質量分析法(LC-MS法,GC-MS法,FT-MS法,MALDI-MS法)に基づいた細胞内低分子代謝物の定性・定量分析技術を、糖鎖分析に応用し、質量分析を行う。
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