Project/Area Number |
21K08666
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55010:General surgery and pediatric surgery-related
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Research Institution | Nagasaki University (2022) Osaka University (2021) |
Principal Investigator |
今村 亮一 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (40456976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 歩 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10845225)
野々村 祝夫 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30263263)
難波 倫子 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30734420)
阿部 豊文 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (90750894)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 抗体関連型拒絶反応 / 腎移植後 / ペプチド / バイオマーカー / 質量分析 / BLOTCHIP-MS / 腎廃絶 / 腎移植 / 慢性抗体関連型拒絶反応 / ドナー特異的抗体 / ペプチド定量 |
Outline of Research at the Start |
現在末期腎不全による透析患者数は約34万人と報告されている。透析医療は決して安全ではなく、毎年多くの患者さんが心疾患等の合併症により死亡に至る。腎不全およびその合併症を回避するための治療として、腎移植は非常に有用である。しかしわが国では脳死下や心停止下での臓器提供数は限られており、腎移植の恩恵を受ける患者さんを増やすためには、症例数増加をめざすとともに、再度腎不全にならないように移植した腎臓をより長持ちさせる(拒絶反応を回避する)ことに注力することが重要である。本研究では早期診断方法が確立されておらず、かつ発症すれば高率に移植腎廃絶に至らしめる抗体関連型拒絶反応の早期診断方法を確立をめざす。
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Outline of Annual Research Achievements |
腎移植後抗体関連型拒絶反応(antibody-mediated rejection, 以下AMR)は抗ドナー抗体(Donor-specific antibody, 以下DSA)の産生により惹起されることが知られている、AMRは発症してしまえば十分な治療法がなく、AMR発症直前または直後の段階で血中のDSA産生を確認し、治療介入することが重要である。一方、早期では産生されたDSAは移植腎に吸着し血中を循環しないため、その有無を同定することが極めて困難である。従って血中DSA産生を早期に確認しうる新たなバイオマーカーの確立が求められている。 我々はBLOTCHIP-MS法を用いて、疾患が発症したことにより血中に放出されるペプチドを同定することにより、DSA産生やAMRの診断にも応用が可能か検討した。なお、本手法はすでに妊娠高血圧および大腸癌のモニタリング方法として報告されている。 我々は腎移植患者の血清のうち、①DSA(+)AMR(+)例、①DSA(+)AMR(-)例、①DSA(-)AMR(-)例をランダムに抽出し、特異的ペプチド発現の有無を測定した。その結果、DSA産生時はFibrinogen alpha chainが減少し、Kininogen1が増加することが確認できた。また後者に関してはAMRが発症していないときは増加するが、発症した時点で減少に転ずることが確認できた。(前者はAMR発症にかかわらず、DSA産生にて減少が持続した。)つまりこの2つのペプチドを測定することにより、AMR発症直前のearly phaseまたはAMR発症後のactivation phaseの確認もできることが証明され、AMR発症早期診断のバイオマーカーとなりうることを見出した。 我々はこの結果を検証するため、現在validation study群においてさらに症例数を追加し、解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19感染拡大により、全国的に腎移植症例が大幅に減少した。AMRは腎移植後比較的早期に発症する可能性が高いため、症例数の低下がAMR発症例の低下につながっている。そのため解析可能症例数が減少し、研究はやや遅延状態にある。COVID-19感染症の社会状況の変化、第5類への移行とともに、現在移植症例数は回復傾向にあり、AMR発症症例数も増加、研究の進捗状況も回復してくると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで世界中がAMRに対して腎生検による診断や産生された抗体測定に固執してきたが、本研究により付随産生物質と想定されるペプチドをモニタリングすることで診断するという全く新しい概念を確立できつつあると考えている。我々はこれまで施行してきた後方視的解析だけではなく、最終的にはprospective studyによる解析が必要であると考えている。ただし難治性拒絶反応であるものの、単施設では症例数が限定的であるため多施設共同研究を行う必要がある。後方視的研究の論文をもとに多施設共同研究を提案し、本ペプチドの発現と同時に腎生検を行い、腎生検でAMRが認められなかった症例に関してはその時点で治療介入する群としない群の2群に分類し、その有効性を検証していく予定である。 また本検査法に関しては、将来キット化をも検討しうると考えている。
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