化学療法とIL-18 阻害抗体の併用による膵がん治療に向けた基盤的研究
Project/Area Number |
21K08753
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
田島 義証 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (20264228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 有紀 島根大学, 医学部, 医科医員 (60868719)
浦野 健 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (70293701)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 炎症性サイトカイン / インターロイキン-18 / 膵がん / 5-フルオロウラシル / 活性化断端抗体 / モノクローナル抗体 / 化学療法 / IL-18 阻害抗体 |
Outline of Research at the Start |
膵がんは、今日においても治療困難ながんの一つであり、有効な治療手段の開発が求められている。膵がん治療に用いられる抗がん剤5-FUは膵がん細胞内で炎症性サイトカインの一つであるIL-18の「活性型」(活性型 IL-18)を誘導する。治療と共に炎症が惹起され、抗がん効果を減弱させている可能性がある。5-FU と IL-18 阻害抗体を併用する新しい膵がん治療法の可能性を示すこと、また膵がん組織における「活性型 IL-18」の発現状態を正確に調べ、診断応用への可能性を示す。
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Outline of Annual Research Achievements |
膵がんは治療困難ながんの一つであり、有効な治療手段の開発が求められている。炎症性サイトカインの一つであるインターロイキン-18(IL-18)は、膵がんの発症や進展に寄与するという報告があるが、がん局所におけるIL-18発現の詳細や治療対象としての可能性については不明である。一方、膵がん治療に用いられる抗腫瘍薬5-フルオロウラシル(5-FU)は膵がん細胞内で活性型 IL-18を誘導する。治療と共に炎症が惹起され、抗がん効果を減弱させている可能性がある。 IL-18は細胞内のIL-18はタンパク質分解酵素caspase-1/4で切断され、はじめて活性型IL-18となる。本研究課題では、特に患者予後の非常に悪い膵がんに着目し、がん細胞やがん微小環境に対するIL-18の役割を明らかにするとともに、5-FUとIL-18阻害抗体を併用する新しい膵がん治療法の可能性を示すこと、また膵がん組織における活性型IL-18の発現状態を正確に調べ、診断応用への可能性を示すことである。 申請者らはヒト活性型IL-18 のみを認識し、強い阻害効果を持つモノクローナル抗体を作製・報告し、5-FUが活性型IL-18 を増加させることを初めて確認した。この抗体を用いて、膵がんの免疫組織化学染色をおこなったが、発現量が検出限界以下のためと考えられるが、がん局所における染色は認められなかった。ただし、膵頭細胞に特異的な発現を確認した。膵頭細胞における活性型IL-18の特異的な発現の意義については今後の検討課題である。また、ヒトとは活性化断端の異なるマウス活性型IL-18 のみを認識し、かつ阻害効果を持つモノクローナル抗体の作製に成功した。さらに、マウスIL-18発現膵がん細胞株を新しく樹立した。この担がんマウスモデルを用いて活性型IL-18を対象にした新規治療法や診断応用の確立に向けた研究を独自に進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IL-18の発現と、膵がん細胞の増殖能・造腫瘍性への影響を明らかにするため、遺伝子編集技術を利用してIL-18タンパク質を持たないMIA PaCa-2ヒト膵がん細胞株(IL-18 KO/MIA PaCa-2)を数種類樹立した。IL-18 KO/MIA PaCa-2細胞の増殖を経時的に測定評価したが、親株との間に増殖能の差異は認めなかった。また、IL-18 KO/MIA PaCa-2細胞の造腫瘍性への影響についてヌードマウスを用いたin vivo の実験で確認したが、in vitro 同様に親株との間に腫瘍の増大には差を認めなかった。さらに、ヒト活性型IL-18のみを認識し機能阻害効果を持つ抗体は用いて、MIA PaCa-2ヒト細胞担がんマウスモデルによる治療実験を行ったが、治療効果は認められなかった。 申請者らの作製したヒト活性型IL-18のみを認識するモノクローナル抗体は、活性化断端配列が異なるため、マウス活性型IL-18を認識することができない。担がんマウスでのがん微小環境を確認し膵がん組織での活性型IL-18を正確に評価するため、マウス活性型IL-18断端ペプチドを用いて、マウス活性型IL-18を特異的に認識し、機能阻害効果を持つモノクローナル抗体を2種類作製した。また、マウスIL-18発現マウス膵がん細胞株を新しく樹立した。これらの抗体及び担がんマウスモデルを用いて活性型IL-18を対象にした新規治療法や診断応用の確立に向けた研究を独自に進めていく。 活性型ヒトIL-18認識抗体をもちいて40例の膵がん組織について免疫組織化学染色をおこなったが、発現量が検出限界以下のためと考えられるが、がん局所における染色は認められなかった。ただし、膵頭細胞に特異的な発現を確認した。膵頭細胞における活性型IL-18の特異的な発現の意義については今後の検討課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に進んでいる。来年度は、マウスIL-18発現マウス膵がん細胞株を用いた担がんマウスモデルによる、抗がん剤5-FUとIL-18 阻害抗体の併用治療効果の評価など予定通り計画している研究課題を進めていく。
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Report
(2 results)
Research Products
(19 results)
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[Journal Article] Primary Extragastrointestinal Stromal Tumor of Greater Omentum with Intraperitoneal Bleeding2021
Author(s)
Kataoka Masatoshi、Saitoh Tsukasa、Kawashima Kousaku、Yazaki Tomotaka、Sonoyama Hiroki、Okimoto Eiko、Oka Akihiko、Mishima Yoshiyuki、Mishiro Tsuyoshi、Oshima Naoki、Shibagaki Kotaro、Tobita Hiroshi、Moriyama Ichiro、Ishimura Norihisa、Nagase Mamiko、Hirahara Noriyuki、Tajima Yoshitsugu、Ishihara Shunji
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Journal Title
Internal Medicine
Volume: 60
Issue: 21
Pages: 3413-3419
DOI
NAID
ISSN
0918-2918, 1349-7235
Year and Date
2021-11-01
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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