Project/Area Number |
21K08830
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55030:Cardiovascular surgery-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山元 智衣 日本大学, 医学部, PD (00613267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩倉 一博 日本大学, 医学部, PD研究員 (20613269)
松本 太郎 日本大学, 医学部, 教授 (50366580)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 血管リモデリング / 細胞治療 / 脱分化脂肪細胞 / 血管新生 |
Outline of Research at the Start |
脱分化脂肪細胞(DFAT)は、成熟脂肪細胞より得られる間葉系幹細胞(MSC)に類似した多能性細胞である。DFATは約1gの脂肪組織から大量調製できることから、治療用細胞として期待でき、現在、重症下肢虚血に対する臨床試験を実施している。最近、申請者らはDFATが虚血筋肉組織中の側副血管の発達を促進させることを明らかにした。発達した側副血管周囲には単球・マクロファージが集積していることから、移植したDFATと単球・マクロファージとの相互作用により、側副血管の発達が促進したと考えられる。本研究では、DFATの側副血行路の発達促進メカニズムを単球・マクロファージとの相互作用に焦点を絞って解析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
脱分化脂肪細胞(DFAT)は、成熟脂肪細胞を天井培養法で培養することにより得られる間葉系幹細胞(MSC)に類似した多能性細胞であり、既に臨床研究において虚血改善効果を認めている。DFATの虚血改善作用は血管新生のみならず、虚血筋肉中の側副血管のリモデリングが促進したことが考えられ、本研究ではDFATと単球・マクロファージの相互作用に焦点を絞って検討を行なっている。 移植実験では、免疫不全マウスを用いて側副血管の発達を評価できる下肢虚血モデルを作成した。このモデルマウスにヒトDFATおよびコントロールとして生理食洗水を移植し、経時的(3-7日)に大腿筋組織の組織切片を作成し、マクロファージに対する免疫染色を行なった。移植後3日目において、側副血管の発達はDFAT移植群と生理食塩水移植群において差を認めなかったが、DFAT移植群では側副血管周囲にマクロファージの集積が多く認められ、M1、M2マクロファージとも局在を認めた。特にM1マクロファージの集積が多く認められたが、7日目においてはM1マクロファージ、M2マクロファージともに減少が認められ、側副血管のリモデリングにはDFATによる早期のM1マクロファージの誘導が示唆された。 虚血肢におけるDFATのマクロファージの誘導を検討するため、DFATがヒト単球由来細胞株THP-1に対して細胞遊走能を検討し、ヒトDFAT培養上清がTHP-1の遊走能を促進させることを認めた。さらにMCP-1 (Monocyte chemotactic protein-1) の関与を明らかにするためにMCP-1中和抗体を用いて同様にTHP-1遊走能を検討したところ、DFATのTHP-1に対する遊走能がキャンセルされた。このことによりDFATにはマクロファージの遊走能を促進させる作用があり、DFATが産生するMCP-1が関与する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3, 4年度には、DFATと単球・マクロファージの共培養を行い、単球の遊走能、単球からマクロファージの形質や機能に対するDFATの関与、マウス下肢虚血モデルの作成を行い虚血筋肉内にDFATを移植し、側副血管周囲のマクロファージの集積の組織学的評価を予定しており、予定していた検討については約8割程度の検討が終了している。 令和3年度について具体的には、DFATの単球に対する遊走能に関して検討を行い、DFATが単球に対して遊走能を促進することを確認した。また、マウス下肢虚血モデルに対するDFAT移植に関しては、モデル作成、組織切片の作成が終了し、側副血管周囲に集積するマクロファージの測定が終了している。 令和4年度について具体的には、マウス下肢虚血モデルに対するDFAT移植に関して、側副血管に集積するマクロファージのフェノタイプの検討が終了している。DFATと単球・マクロファージの共培養による動脈形成に関わる因子の発現変化ついては、既に共培養は終了しており、詳細な評価、統計学的処理を現在行なっている。 以上より、申請時に予定していた令和3, 4年度の検討については概ね順調に進捗していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度においては、DFATとの相互作用による単球・マクロファージの分化能、形質や機能に対しDFATがどのような影響を及ぼすか検討する。トランスウェルを介してTHP-1とDFATの共培養が既に終了しているので、DFATのマクロファージへの分化誘導に対する検討、動脈形成に関わる因子であるVEGF, HGF, SDF-1, MMPs, IL-6, TGF-bなどの発現変化をリアルタイムRT-PCR方による遺伝子発現やウェスタンブロット、ELISAによるタンパク産生について評価する。 マウス下肢虚血モデルを用いたDFAT移植実験に関しては、既に継時的に採取した大腿筋組織の組織切片を作成済みである。この組織切片を用いてマクロファージ及びそのフェノタイプに関する細胞表面抗原についての免疫染色は既に終了しているが、数的変化については統計学的処理を行うことで明確にし、さらに、側副血管の拡張、成熟度に伴う単球・マクロファージの局在変化を詳細に検討する。 また、ゲノム編集技術を用いてMCP-1ノックダウンDFATを作成する。このDFATを用いてTHP-1に対する遊走能実験、さらにマウス下肢虚血モデルに対する移植実験を行い、側副血管の発達、側副血管周囲のマクロファージの集積に対する影響を検討する。
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