Project/Area Number |
21K08909
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55040:Respiratory surgery-related
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
坂尾 幸則 帝京大学, 医学部, 教授 (00274605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出嶋 仁 帝京大学, 医学部, 助教 (00891201)
山内 良兼 帝京大学, 医学部, 講師 (30445390)
齋藤 雄一 帝京大学, 医学部, 准教授 (70384071)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | CTC自動分離装置 / スライドグラス標本 / 光学顕微鏡検出 / 肺癌 / CTCによる遺伝子変異解析 / 肺静脈血 / 末梢血 / リキッドバイオプシー / CTC / EGFR / 遺伝子異常 / CTC自動分離転写装置 / 血液中循環腫瘍細胞 |
Outline of Research at the Start |
血液中循環癌細胞(CTC)はLiquid biopsy 候補の1つとして永らく注目されてきたが、一部を除いて未だに一般臨床に普及するには至っていない。その原因の多くは煩雑さ・診断精度・コストなどの問題であった。この点を改善するために我々は、金属filterで分離したCTCのスライドグラス標本を作成、免疫染色を施し、光学顕微鏡下で細胞診として評価する独自のCTC検出システムを開発してきた。またCTC数の計測と同時にピンポイントにCTCからDNAを抽出し、遺伝子検査の可能なデバイスを開発した。本新規CTCデバイスの肺癌診療における診断・治療への応用に導く研究である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主たるテーマは病院の病理検査室でも使用可能な光学顕微鏡によるCTC検出装置の独自開発である。そのため光学顕微鏡による検出の鍵となるCTCのスライドグラスへの転写装置の開発を行った。樹脂製パッドによる加圧式のCTC転写装置と空気加圧式転写装置を試作したが、空気加圧式が形態保持能と転写効率に優れていた。そこで、この転写装置と既開発のCTC分離装置を組み合わせた独自のCTC検出装置を試作した。 次に本装置を用いて肺癌におけるCTCの臨床的意義を検証した。35例の肺がん患者検体(肺静脈血: PVB、肺動脈血: PABおよび末梢血: PB)を用いた。その結果、PVBとPABはいずれもPBに比べて有意にCTC数が多く、しかもクラスターCTCが多いなど、遺伝子解析に有用であることが判明した。そこでPVB、 PAB由来CTCを用いて遺伝子解析法の検討を行った。その結果、2次抗体の標識としてPOXに比べALPの方が活性酸素によるDNA分解を防ぎ、高効率なDNA抽出が可能であることが判明した。この抽出DNAを用いてDropletデジタルPCR法によるEGFR遺伝子の変異解析法を確立した。PVBを用いてCTCのEGFR変異について解析を行ったところ、PVBからCTCが検出できた12例中8例に10個以上のCTCが同定され、そのうち6例にEGFR変異が検出された。肺切除組織からのEGFR検査と結果が一致したのは9例(変異ありでの一致が5例、変異無しでの一致が4例)、不一致は3例であった。 CTCを簡便に捕集、測定できる既開発の自動分離装置に加えて、今回、細胞の転写工程も自動化したことにより、CTCを病院内の病理検査の一環として検査できる技術的基盤を確立した。また本研究におけるCTCを用いた遺伝子解析研究の可能性は現在すでに臨床的に使用されている血漿cf DNAを補完する新たな方法となり得る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
従来CTCの検出法は殆どが多重蛍光検出による暗視野での検出であり、実際の判定に難渋することも多く、CTC評価の正確性に課題があった。そこで我々は金属フィルターで分離したCTCをスライドグラスに転写し、CTCを免疫組織化学でケラチン染色し、光学顕微鏡を用いて病院の検査室内で判定できる検出システムの独自開発を行ってきた。旧型ではCTCの転写における細胞形態の不良と低回収率の問題があったため本研究では樹脂製パッドを用いた直接加圧法と空気圧法を用いた2つのCTC自動転写装置を試作し、これらの転写装置の性能を比較検討した。その結果、形態保存と転写効率の優れた空気圧法を選定した。 この新規転写装置と既開発のCTC自動分離装置を組み合わせてサイトケラチン免疫染色されたCTCを光学顕微鏡で正確に検出できる半自動検出システムを確立した。これにより光学顕微鏡での簡便・正確なCTC検出による省力化も達成した。次に本装置を用いてスライドグラス上のCTCからのケラチン染色に際し、DNA分解の少ないAlkaline Phosphatase法を用いた方法で発色し、少量のDNAでも高効率に回収できる方法を採用し、EGFR変異をDigital PCR法で簡便に解析可能な手法を確立した。 次にこれら一連の開発により確立した独自検出システムを用いて肺癌患者の血液からCTCの検出とさらに遺伝子変異の解析を行うパイロット臨床研究を行った。CTC数の多い肺静脈血(PVB)を用いてCTCのEGFR変異について解析を行った。肺静脈血PVBからCTC (2-195個, 平均:31個)が10個以上検出できた8例を対象とし、そのうちEGFR変異が検出されたのは5例であった。肺切除組織からのEGFR検査と結果が一致したのは9例、不一致は3例であった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究によって技術的には病院の検査室内でも正確、簡便、比較的低コストにCTC検査を実施可能な新しいCTC(半)自動検出装置の開発を達成した。今回の研究では装置開発と同時に臨床試験を含めたCTCの光学顕微鏡的検出と遺伝子解析という2つの医学的に重要な機能を同時に解析できるシステムの確立に時間を要し、臨床研究の検討数を増やすのに時間がかかり研究期間が延長したが、結局、症例数が30例程度とパイロット研究の段階にとどまった。今後は本研究成果を基盤として、さらに数年をかけ臨床実証研究を行い(症例登録目標100例)、また肺癌の中でも末梢血のCTC数が比較的の多いことが期待される小細胞癌なども肺癌CTC研究の守備範囲に加え、薬物療法や化学療法の効果判定などにも応用範囲を広げてゆく予定である。またコストの課題があるが、数個-10個以下の少数個のCTCでも検出可能となるようにシングルセル解析法の導入など遺伝子解析法の検出感度の向上に取り組んで行きたい。
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