Project/Area Number |
21K08926
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55050:Anesthesiology-related
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
井口 広靖 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (20811590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志田 恭子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 臨床研究医 (00381880)
大澤 匡弘 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 准教授 (80369173)
祖父江 和哉 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (90264738)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 神経障害性疼痛 / L-乳酸 / アストロサイト / ANLS |
Outline of Research at the Start |
神経障害性疼痛へのグリア細胞の関与が指摘されているが、その役割は不明である。「アストロサイトからニューロンへのL-乳酸の輸送(ANLS)」は、神経系機能調節に重要な働きをしている。L-乳酸が痛覚過敏を引き起こすことも申請者らが発見しており、アストロサイトの活性化による神経障害性疼痛はANLSの変化によるものと考えられる。 本研究では、脊髄後角アストロサイトの選択的機能調節法で、神経障害性疼痛時の脊髄後角アストロサイトの活性化が痛覚過敏を引き起こす分子機構を明らかにする。痛覚過敏時のL-乳酸の役割(ANLSの関与)も解明することで、難治性慢性疼痛の発症機序に基づいた新しい治療の提案を可能にする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、脊髄後角アストロサイトの選択的機能調節を用いて、痛覚伝達の調節機構や神経障害性疼痛の発症の分子メカニズムを明らかにすることである。これまでに、脊髄後角アストロサイトに興奮性のデザイナー受容体(DREADD)であるhM3Dqを発現させ、その特異的リガンドであるクロザピンN-オキシド(CNO)を処置すると、痛み閾値が低下すること、このhM3Dqを発現するマウスへCNOを処置する際に見られる痛み閾値の低下は、L-乳酸の産生増大が関与することを明らかにしてきた。 今年度は、L-乳酸による脊髄後角神経細胞の感受性の亢進のメカニズムについて検討を行い、L-乳酸が神経細胞へ取り込まれることで、触刺激による神経発火の亢進が認められなくなることを確認した。 次に、前年度に開発をしたATPにより蛍光を発するタンパク質であるATeamを用いて、乳酸処置によるATP産生について検討を行った結果、乳酸処置により神経細胞内のATP量が上昇することを確認した。また、L-乳酸を脊髄後角へ処置した際に活性化する細胞内情報伝達系を解析するため、リン酸化抗体を用いたウェスタンブロットを行った結果、プロテインキナーゼA(PKA)シグナルが活性化することを見出し、PKCならびにMAPKについてはL-乳酸により活性化が見られないことを確認した。 最後に、薬理学的に細胞内情報伝達系を抑制した際のL-乳酸による痛み閾値の低下について検討を行った結果、PKAの阻害薬を脊髄くも膜下腔内へ処置することで、L-乳酸の痛み閾値の低下は抑制されたものの、PKCおよびMAPKの阻害薬では影響を受けなかったことが明らかになった。 これらの結果より、L-乳酸はアストロサイトで産生された後、神経細胞へ取り込まれ、ATPを産生し、PKAを活性化することで、神経細胞の感作を引き起こすため、痛覚過敏が生じることが示唆された。
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